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サーチナニュース 2014-04-04 16:44
http://news.searchina.net/id/1529002
中国恒例<GDPの怪>・・・省別合計が全国値を「軽く超過」
中国では4日までに、省クラス行政区(中央直轄市と民族自治区を含む)の2013年における域内総生産(GDP)の数値が出そろった。
全国31の行政区のGDPを合計すると63兆9億7000万元で、中央政府・国家統計局が1月21日付で発表した同年における全国のGDP56兆8845億元を約1割上回った。
中国では省別GDPの合計が全国のGDPをかなり大きく上回る状態が続いている。
中国新聞社が報じた。
中国では1985年に国家と省別のGDPを発表して以来、省別GDPの合計が全国GDPを上回る状態が続いている。
2013年の場合、省別GDPの合計が全国GDPを6兆1164億7000万元上回った。
“超過率”は約10.8% だった。
GDPの前年比伸び率では、全国の伸び率が7.7%で、
上海市と北京市の伸び率が全国と同じだったことを除き、他の29の地区では、すべて全国を上回った。
中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は、
「各地方のGDPの合計が全国GDPを上回る状況は、ずっと存在してきた。
各地方の統計で重複する部分がある以外に、『水増し』がデーターの不一致の主要な原因だ」
と指摘した。
国家統計局の馬建堂局長も3月に、
「地方のGDPの合計が全国よりも大きいことについては、正常な誤差の範囲を超えている」
と言明。
「この問題を解決するには算出法の改革が必要だ。
地方ごとにではなく、国家が統一して算出する必要がある。
今年後半に、統一した算出法を制定することを目指す」
と述べた。
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◆解説◆
これまでの説明では、
「複数の省にまたがる事業について、それぞれの省が自省のGDPとして算入してしまう例がある」
などとして、省クラス行政区ごとのGDPの合計が全国値を上回る現象について
「技術上の問題が主で、一部には“水増し”も存在する」
などと説明されることが多かった。
馬統計局長の3月の発言は、改めて「正常な誤差の範囲を超えている」と改めて名言したことで注目される。
地方政府がGDPを“水増し”して算出する背景には、行政責任者の実績評価において、「経済の活性化」をアピールすることが大きな意味を持っていたからとされる。
中央政府は再三、「経済成長に偏重した評価のしかたを変える」と発表してきた。
再三にわたり発表してきたことから逆に、地方政府の行政責任者の間で現在もなお「GDPをできるだけ高くする」風潮が根強く残っていると考えることもできる。
地方政府が抱える負債が膨大な額に達していることも、GDPを水増しする原因になっている可能性がある。
経済が好調であることは地方政府の収入増につながからだ。
つまり「景気がよい」と見せかけることができれば、それだけ有利な条件で新たな「借金」がしやすくなるという理屈だ。
省クラス行政区のGDPは実際には、さらに下部の行政区である市や区がまとめた数字によって作成していく。
これまでに市などがGDP作成において「水増し」したとして摘発され、処罰の対象になることが、しばしば発生している。
国が算出に介入しても、省より下の行政区で「水増し」が横行している場合には、GDP算出についての改善はさらに困難になると考えるのが自然だ。
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【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】