2014年4月21日月曜日

中国で何が起こっているのか?-(4):日中関係、「冷たい平和の10年」が続く

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レコードチャイナ 配信日時:2014年4月21日 22時9分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86868&type=0

日中関係、今後10年は「冷たい平和」が続く
=各レベルの意思疎通継続し、真の平和へ―中国紙


●18日、中国青年報は、対立が続く日中関係について、今後10年は「冷たい平和」が続くとする分析記事を掲載した。
写真は12年9月、中国で起きた反日デモ。

  2014年4月18日、中国青年報は、対立が続く日中関係について、今後10年は「冷たい平和」が続くとする分析記事を掲載した。
 以下はその内容。

●.中国が必要とするのはどのような日本だろうか。
●.そして、日本が必要とするのはどのような中国なのだろうか。
 中国は日本に対し、尊敬と怨恨、協力と対立の両方がある。
 だが、戦略的レベルでは長期的な思考による一貫した態度が欠けているようにみえる。

●.中国の対日戦略には以下2つの重点がある。
 1つ目は、日本を抱き込み、米国の言いなりのみにはしないこと。
 2つ目は、日本の経済力を頼りに投資、技術、雇用を手にすることだ。

 米国の対日影響力と日本の米国依存を前に、日本を「抱き込む」ことは遥か遠い夢だ。
 経済面では人民元の上昇や労働コストの上昇、政治的対立といった理由により、
 日本の産業界は東南アジアへの移転を進めている。
 日中関係における経済の牽引力は下降しているのだ。

 米中関係について、中国は「新型大国」関係を提案している。
 この枠組みの中では、日本は米国の駒である。
 ナショナリズムが台頭しようとも、日本を敵とみなすべきではない。

 日中間で戦争が起こらないことが望ましいが、80年代のようなお互いに尊敬しあう関係を空想してはならない。
 日中関係を厳密に定義するならば、米国人の提示する「冷たい和平」が正確であるように思える。

 今後10年、日中関係は一種の「冷たい和平」状態に置かれるだろう。
 中国国内では、日本を感情的に見てはならない、取り立てて日本への恨みを宣伝してはならないという啓蒙が必要だろう。
 日中両国間には、高官、財界、文化人同士の緊密な意思疎通が必要であり、若者同士の交流も必要だ。
 それがあってはじめて「冷たい平和」から真の平和へと向かうことができる。


 中国青年報は先日東芝グループを持ち上げたメデイアであり、中国共産主義青年団系の新聞である。
 共済団は胡耀邦の出身母体でもある。
 「反反日派」というか、経済主導派に属するものである。


レコードチャイナ 配信日時:2014年4月20日 7時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86826&type=0

中国が日本に求めるもの、それは「経済協力」、ことさらに憎悪をあおるべきではない―中国紙


●18日、中国紙・中国青年報は、中国が日本に求めるものは投資や技術、雇用の保障などの経済協力だと指摘した。

 2014年4月18日、中国紙・中国青年報は、中国が日本に求めるものは投資や技術、雇用の保障などの経済協力だと指摘した。

 中国が必要とするのは、どのような日本なのか。
 日中関係はどうなるのか。
 日本と中国はどんな未来を求めているのか。
 これらの問題を解く鍵は、戦略だ。
 「中国の日本に対する戦略は何か」
と日本通の友人たちに聞いてみると、「戦略はない」というのが共通の答えだった。

 戦略はないが、戦術はある。
★.日本に対する戦術の1つは
 「中国に必要な日本を味方に引き入れて、米国から引き離すこと」
だ。
 しかし、これはあまりにも非現実的な夢でしかない。

★.2つ目の戦術は
 「日本からの経済協力を得ること」だ。
 だが、人民元の上昇や労働コストの上昇により、
 日本企業は徐々に中国を離れ、東南アジアに目を向けている
のが現状だ。

 米中関係において、日本は米国にとって駒の1つにすぎないが、長期的に日中関係を考えるならば、対日戦略は必要だ。
 日本に民族主義が台頭しても、日本を敵視するのではなく、競争相手とみなすべきだ。
 日中間に戦争があってはならないのは常識だが、80年代のような友好関係に戻れるといった幻想も抱くべきではない。

 日中関係は今後10年、米国が指摘するような
 「冷たい平和」状態
になるだろう。
 日本と中国は、交流すべき時は交流し、争うべき時は争えばいい。
 日中間の経済貿易が大きく発展しなくても、密接な関係にあることは確かだ。
 中国がさらに大きく発展し、日本よりも優位に立てば、日中間の問題は解決できる。

 中国は感情的に日本を見るべきではない。
 日本への憎悪をあおる意図的な宣伝もするべきではない。
 日中両国が指導者や企業家、知識人同士のハイレベルな交流だけでなく、一般国民とりわけ若者の交流を大切にしていけば、「冷たい平和」から「真の平和」にたどり着くだろう。

 
 上の2つの記事は内容的に同じである。
 レコードチャイナは同じ記事を2日連続で載せていることになる。
 意図するところがあるのだろう。
 違いというと新しい記事には「冷たい平和」の他に「冷たい和平」という言葉が出てくることだろう。
 おそらく日中関係はこの形で流れていくであろうと予測しているのだろう。
 ということは、この来るべき「冷たい平和の10年」で日本のやるべきことは何か、それを明確に定めて着実に実行すべきだ、ということになる。
 反反日派としては、
★.政治的には「冷たい平和」でいき、
★.経済的にはてきるだけ日中関係が冷え込まないように、つまり「涼しい」くらいに押しとどめたい’
ということになる。
 政冷経涼」でとどめ、「政冷経冷」は回避したいということとなる。


レコードチャイナ 配信日時:2014年4月22日 6時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86929&type=0

日本企業の対中投資が激減(18%減少)、
東南アジア向けにシフト
=日中関係緊迫化や中国の人件費上昇で―ジェトロ


●20日、日本企業の対東南アジア投資が昨年急増し、対中投資の3倍近くとなったことが明らかとなった。日中関係の悪化や中国の人件費の上昇などが主な原因とみられている。写真はジャカルタ。

 2014年4月20日、華字メディアwallstreetcnによると、日本貿易振興機構(ジェトロ)は18日、日本企業の対東南アジア投資が昨年急増し、対中投資の3倍近くとなったと発表した。
  日中関係の悪化や中国の人件費の上昇などが対中投資減少の主な原因とみられている。

★.日本企業は昨年、
 シンガポールや
 タイ、
 インドネシア、
 マレーシア、
 フィリピン、
 ベトナム
「2兆3300億円」を投資したが、
★.一方で日本最大の貿易パートナーである中国への投資はわずか「8870億円」だった。

★.2013年、日本の対東南アジア投資は倍増し、対中投資は18%減少した。
★.中国の魅力はますます薄れていくとみられ、
 日本企業への調査によると、投資拡大を計画している企業の割合は過去最低の55%にまで減少している。

 中国商務部が17日に発表したデータによると、中国への3月の海外直接投資は前年同期比1.5%減となった。
 第1四半期の海外直接投資の伸びは5.5%と、1~2月の10.4%を大幅に下回った。
 そのうち、日本の対中投資額は前年同期比47.2%減の12億900万ドル(1209億円)だった。

 ジェトロの石毛博行理事長は、
 日本企業にとって、中国の経済や政治情勢は多くのリスクが存在すると指摘。
 尖閣諸島問題や歴史問題などもあり、日中関係はこのところ緊張状態が続いている。
 2012年の日本政府による尖閣諸島国有化後、中国では反日デモが繰り広げられ、この後から日本の対中投資が減少し始めた。

 中国の人件費上昇も、コストを抑え利益を増やしたい日本企業の投資方針に影響を与えている。
 、ジェトロが昨年10~11月に実施した調査によると、
 中国の平均賃金はすでにタイを超えており、フィリピンやインドネシアの人件費は中国の約3分の1、ベトナムの人件費も中国の半分以下だという。





【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】



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