2014年4月14日月曜日

フィリピンとベトナムが急接近:アメリカの信頼性が急激に低下、中国包囲網で連携強化へ

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●セカンド・トーマス礁に1999年から泊められてあるフィリピン海軍使用の船(写真は今年3月)


レコードチャイナ 配信日時:2014年4月14日 6時21分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86440&type=0

フィリピンとベトナムが急接近、中国包囲網で連携強化―海外メディア


●10日、中国の脅威に対抗するため、かつて対立していたフィリピンとベトナムが急接近している。写真はパラセル諸島に建てられた中国の主権を示す石碑。

 2014年4月10日、ロイターによると、
 南シナ海における中国の脅威に対抗するため、かつて対立していたフィリピンとベトナムが急接近している。
 11日付で中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 フィリピン海軍は今年6月、約40年前にベトナムに奪われた南シナ海に浮かぶ南子島に向かい、ベトナム海軍兵と交流する。
 領有権の主張を強める中国に対抗するため、連携強化を進める両国の姿勢を象徴するものだ。

 新たなパートナーシップを結ぶ動きがアジア全域で広がっていると専門家。
  中国からの脅威に加え、
 米国の関与があてにできない
という認識が東南アジアや日本に広がっていることが背景にある。

 新たなネットワークには、日本とインド、フィリピンとベトナムなどが挙げられ、ベトナムはインドやロシアにも接近している。
 フィリピンとベトナムはともに中国の領有権主張に激しく反発しており、連携強化は明らかだ。
 また、両国はマレーシアとの連携も深めようとしている。フィリピン、ベトナム、マレーシアの3カ国が一体化することで、中国への対抗力がより強くなるのが狙いだ。


  「オバマの裏切り」にみられるようにアメリカのアジアにおける信頼性は急激に低下している。
 しかし、目の前には凶暴な虎が虎視眈々とチャンスを狙っている。
 日本のように毅然と虎に対抗できればそれにこしたことはない。
 しかし、それは無理。
 とするとこの虎を抑えてくれるのはアメリカと望みを託すしかない。
 ところがそのアメリカは中国の言いなりになり、手を結ぶそぶりさえをみせていた。
 これでアメリカへのアジア諸国の信頼性は一気に低下した。
 アメリカはもはやアジアの信頼国の地位を滑り落ちた。
 友好国にすぎなくなった。
 アメリカはアテにならない
 自力で何とか虎に対抗しなければならない。
 周辺国はそう心に刻み始めた、というところだろう。


ウォールストリートジャーナル     2014年 4月 22日 19:06 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303595604579517172211442850.html?mod=WSJJP_hp_bottom_3_3_bucket_3_right

【社説】対中国政策問われるオバマ大統領のアジア歴訪

オバマ大統領は4月23日に訪日し、1週間にわたる「アジア諸国を安心させるための歴訪」をぎりぎりのタイミングでスタートさせる。
  東京、ソウル、クアラルンプール、マニラで首脳会談が行われるなか、アジアの指導者たちは南シナ海のあまり知られていない岩礁をめぐる対決を注視することになるだろう。

 セカンド・トーマス礁はフィリピンの西岸からおよそ200キロ沖にあり、スプラトリー(南沙)諸島として知られる750以上の島・岩礁・砂州の1つである。海洋資源が豊富で、世界の貿易量の3分の1が行き来する350万平方キロの南シナ海において、その砂州は今日、中国による最も大胆な領有権行使の舞台となっている。

 先月初め、フィリピン軍がその砂州に常駐させている少数の海兵隊員のために派遣した物資輸送船が中国の沿岸警備隊によって阻止された。
 その砂州は中国南岸から約1125キロも離れており、フィリピンの海兵隊員は1999年からそこに座礁したシエラ・マドレ号を駐屯地としている。
 この一件は中国の「キャベツ戦略」がエスカレートしていることを印象付けた。
 中国は漁船から沿岸警備艇、軍艦まで、いくつもの船舶の層で徐々に包囲していくことで、フィリピンの領土を奪おうとしている。

 中国政府によるこうした行為は本質的にフィリピン政府への挑発であり、フィリピン軍は物資補給や海兵隊員の勤務交代の度に銃撃戦のリスクを負うことになる。
 3月29日の直近の補給では、フィリピンの物資輸送船が中国の沿岸警備隊を数百メートルという危険な距離でどうにかかわして座礁船にたどり着いた。
 フィリピン軍による次の物資補給の日も近づいている。

 これは最近の事例だが、中国は過去にも何度もフィリピンを挑発している
 。2012年、セカンド・トーマス礁の北数百キロに位置するスカボロー礁では、フィリピンの哨戒艇がその海域で違法操業する中国の漁師たちを逮捕しようとした。
 これを受けて中国はスカボロー礁に海洋監視船を派遣、フィリピン艦船とにらみ合う状況になった。
 2012年6月には米国の仲介で対立する両国がスカボロー礁から撤収することに合意したが、それを順守したのはフィリピン側だけだった。
 以来、中国の監視船は高圧放水銃を使ってフィリピン漁船をこの海域から追い払ってきた。

 2013年の初め、フィリピン政府は中国の領有権の主張に対し、両国が調印している国連海洋法条約に基づく国際仲裁裁判を請求することにした。こ
 うした法に基づく国際秩序への訴えに激怒した中国政府は、フィリピン政府にセカンド・トーマス礁から海兵隊を撤退させることを要求し、仲裁請求を取り下げないと中国で行われる博覧会へのアキノ大統領の出席を認めないと脅した。
 フィリピン政府が国連に4000ページの陳述書を提出する構えを見せると、中国はフィリピンの物資輸送船がセカンド・トーマス礁に近づくのを阻止した。

 こうした状況は米国政府に難しい舵取りを迫っている。
 米国とフィリピンは1951年に米比相互防衛条約を結んでいるが、米国政府は、フィリピンの沿岸から200カイリ(約370キロ)以内の排他的経済水域内ではあるものの、同国が1978年まで領有権を主張していなかったセカンド・トーマス礁に対する中国の攻撃についてはその条約の範疇(はんちゅう)にはないというメッセージを発している。

 2月にマニラを訪問した米海軍作戦本部のジョナサン・グリナート大将は、フィリピンが実効支配する南沙諸島の領土が中国に奪われたらどうするかという仮定上の質問に答えた。
 「もちろん米国はフィリピンを支援するだろう」
と述べた後、グリナート大将はこう続けた。
 「具体的にどのような支援になるのかは分からない。
 相互防衛条約があるので米国には義務があるが、その支援がどういった形になるのかは分からない」。

 米国政府からのこうした発言があれば、中国政府が勇気付けられるのもうなずける。
 今月、米国のチャック・ヘーゲル国防長官との共同記者会見で、中国の常万全国防相は、米国の同盟国との領有権問題では「妥協や譲歩は一切しない」と主張した。

 今週、領有権問題に関して、オバマ大統領が通例となっている米国の中立的な立場と紛争の平和的解決への支持を再確認するだけであれば、米国の同盟国にとってはほとんど安心材料にならないだろう。
 より効果的なのは、最近、ダニー・ラッセル国務次官補が米議会で行ったように、中国による南シナ海の領有権の正当性と根拠を直接的に問うことである。
 オバマ大統領はさらに、セカンド・トーマス礁での中国による物資輸送船の阻止はフィリピン兵の生命を脅かし、2002年に中国がASEAN諸国と採択した「南シナ海における関係国の行動宣言」に違反するものだと指摘すべきだろう。

 東欧のロシアのように、中国は西太平洋を支配するために国際秩序を書き変えようとしている。
 それを許さないということを米国が言葉と行動で明確に示さない限り、中国の指導部は、プーチン大統領のように、弱小国に対して強硬姿勢をますます強めていくことだろう。




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】



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