2014年4月1日火曜日

武器輸出の新原則を閣議決定:来て欲しいときに来てくれる人、中国包囲網強化への布石?

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ロイター 2014年 04月 1日 09:00 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYEA3000020140401?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0


●4月1日、政府は武器輸出三原則に代わる新たなルールを閣議決定した。写真は2012年12月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

武器輸出の新原則を閣議決定、歯止めに不安も

[東京 1日 ロイター] -
 政府は1日、武器輸出三原則に代わる新たなルールを閣議決定した。
 紛争当事国などへの禁輸方針は堅持する一方、「日本の安全保障に資する」など一定の条件を満たせば輸出を認める。

 日本が強みを持つ分野の武器輸出や技術移転で相手国との関係を強化するのが狙いの1つだが、厳格審査の具体的な手法など不明確な部分もあり、平和国家の理念を維持していけるかどうか、一部に懸念する声も出ている。

■<審査プロセスは透明化>

 新たなルール防衛装備移転三原則は、
1).国際的な平和と安全の維持を妨げる場合は輸出しない、
2).輸出を認める場合を限定して厳格に審査する、
3).目的外使用と第三国移転は適正管理が確保される場合に限る
――という構成になっている。

 紛争当事国や安保理決議の違反国などへの
 禁輸を決めた当初の三原則の方針は引き継ぐ
が、 全面禁輸に踏み切って以降に積み重ねた例外措置を再構築し、輸出を禁止する場合と同時に、認めうる場合の条件を盛り込んだ。

 さらに審査の流れも透明化。
 まず、貿易を所管する経済産業省が審査。
 その後に外務省と防衛省、国家安全保障会議(NSC)の事務局が加わり、外交的、技術的な視点も交えて審議する。

 過去に扱ったことのない案件などは、NSCの下で局長級会議を開いて協議。
 さらに慎重さを要する案件はNSCの閣僚会合で判断する。

■<シーレーン沿岸国にも>  

 防衛装備品の輸出政策に詳しい拓殖大学の佐藤丙午教授は
 「これまではプロセスがブラックボックスだったが、誰がどのように審査するのかはっきりするのは大きな変化」
と話す。
 その一方で、相手国の管理体制のチェックや、第三国への移転を認める場合の審査をどう厳格化するかなどが具体的ではないと指摘する。

 「積極的平和主義」を掲げる安倍政権が三原則を見直した理由の1つは、武器輸出や技術移転を通じ、相手国と安全保障関係を強化すること。
 これまでの輸出先は管理体制の整った米国にほぼ限られたが、新たな原則は「安全保障面での協力関係がある国に対する救難、輸送、警戒、監視および掃海にかかる協力に関する装備品の輸出」を認めうるとしている。
 海難飛行艇や巡視艇を東南アジア諸国やインドなどに輸出することを想定しており、日本側のチェック機能が問われることになる。

 また、従来の三原則では戦車など直接的な殺傷能力があるものは、例外措置でも除外されてきた。
 礒崎陽輔首相補佐官が「国際紛争を助長するような輸出はしない」と強調するように、新たな原則でも完成品の輸出は想定していない。

 しかし、共同開発という名目なら技術移転できる可能性がある。
 相手方が事前同意なしに第三国への輸出を希望したことから、最終的に破断になったものの、以前の原則下でもトルコに戦車用エンジンの技術を移転する構想が検討されたことがある。

■<度重なる例外措置で形骸化>

 武器輸出三原則は、1967年に当時の佐藤栄作内閣が、
1).共産国、
2).国連安保理決議で武器輸出が禁止されている国、
3).紛争当事国やその恐れのある国
──に輸出を禁じたのが始まり。
 79年に三木武夫内閣がすべての国への禁輸を決めた

 しかし、兵器の共同開発が世界的に主流になりつつあることなどから、日本政府は官房長官談話を出して個別に例外を認めてきた。
 9カ国が共同開発する戦闘機F35向け部品輸出など、これまでに21件の例外措置が取られ、全面禁輸の方針は形骸化していた。

◎「防衛装備移転三原則」の概要
★原則-1 
 移転を禁止する場合を明確化し、次に掲げる場合は移転しない

・日本が締結した条約その他の国際条約に基づく義務に違反する場合
・国連安保理決議に基づく義務に違反する場合
・紛争当事国への移転

★原則-2 
 移転を認めうる場合を限定し、透明性を確保しつつ厳格に審査

・平和貢献と国際協力の積極的な推進に資する場合
・日本の安全保障に資する場合

★原則-3
 目的外使用と第三国移転は適正管理が確保される場合に限定

・基本的に事前同意を相手国政府に義務付ける



聯合ニュース 2014年 04月 02日(水)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2014/04/01/0400000000AJP20140401003200882.HTML

日本の防衛装備移転三原則 韓国政府「透明な運用を」

【ソウル聯合ニュース】
 韓国政府は1日、日本政府が武器や関連技術の輸出を基本的に禁じてきた「武器輸出三原則」を全面的に見直した「防衛装備移転三原則」を閣議決定したことを受け、周辺国の憂慮を勘案し透明に運用すべきだとの認識を示した。

 外交部の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は同日の定例会見で防衛装備移転三原則について、
 「わが政府は、武器輸出三原則の下で日本政府が公言してきた平和国家としての基本理念を必ず堅持しながら国際社会の平和安定に寄与する方向で慎重に取り扱われることを期待する」
と述べた。

 また、日本政府が周辺国の憂慮を十分勘案し、防衛装備移転三原則を最大限透明に運用すべきだと促した。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/04/02 08:52
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/02/2014040200739.html

「武器輸出三原則」見直し、足かせを外した日本
社会主義国などにも輸出可能に

 日本政府が、戦後日本の平和主義の象徴であった「武器輸出三原則」を47年ぶりに全面的に見直し、本格的な武器輸出に道を開いた。
 1967年に佐藤栄作首相が発表した武器輸出三原則には、共産圏や国連決議で武器輸出が禁止された国、国際紛争の当事国や、その恐れがある国に対し武器の輸出をしないという内容が盛り込まれた。
 さらに76年には、この原則を事実上全ての国を対象とする武器の全面禁輸という方向に拡大し、これまで維持してきた。

 だが、日本政府が今回閣議決定した「防衛装備移転三原則」は、
 「国際紛争の当事国や国連決議に違反した国に対し武器を輸出しない」
とした上で
 「世界平和や日本の安全保障に貢献する場合」
には武器輸出を許容するものとし、また
 「日本の同意があれば、輸出先の国が武器を本来の目的以外に使用したり、第三国に再輸出したりすることも可能とする」
という内容を盛り込んだ。

 「世界平和への貢献」や「自国の安全保障」という名目で武器を輸出できる道が開かれることになり、また国際紛争の当事国や国連決議に違反した国でない限り、社会主義国や国際紛争の恐れがある国にも武器を輸出できるというわけだ。これにより、日本の武器輸出は今後、大幅に拡大される見通しだ。

 安倍晋三首相は、軍事的な役割を担うことにより世界平和に貢献するという「積極的平和主義」を掲げ、国際社会で日本の軍事的な役割の拡大を模索してきた。今回の防衛装備移転三原則を通じ、日本が安全保障の強化という大義名分の下、再武装や軍事大国化の流れを加速化させるのではないかとの見方も出ている。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/04/02 08:51
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/02/2014040200738.html

日本の武器輸出、「恣意的な決定」が可能に
日本が「防衛装備移転三原則」を決定、武器輸出を拡大
中国の軍備増強に対抗し、軍事大国化の流れの加速化も

 日本政府が1日「防衛装備移転三原則」を閣議決定したのは、日本の軍事・安全保障政策の大転換を意味する。
 47年にわたって維持してきた「武器輸出三原則」を破棄し、今後は海外への武器輸出を拡大するという内容を新たな原則に盛り込んだからだ。
 これは日本が軍事大国化への道を歩み始めたことを示唆するものだ。

 日本は1967年、佐藤栄作首相が武器輸出三原則を発表し、76年には三木武夫首相が「(武器輸出)三原則の対象地域以外の地域についても、武器の輸出を慎む」と表明して、事実上の武器の全面禁輸という方針を打ち出した。
 これは戦後日本の平和主義の象徴のように思われた。

 ところが、日本政府は83年、中曽根内閣が米国に対し、武器についての技術供与を緩和するなど、例外措置を打ち出すようになった。
 その後昨年までの間、武器輸出三原則の例外措置は計21回にわたって打ち出された。
 この中には、米国のステルス戦闘機F35の部品を日本企業が製造することや、南スーダンに駐留する韓国軍に対する実弾提供(いずれも昨年)も含まれている。

 安倍晋三首相は今回、武器輸出三原則を全面的に見直し、武器輸出の道を広げた。
 今回の防衛装備移転三原則は、安倍内閣のいわゆる「積極的平和主義」を具体化するものだ、と評する声も出ている。
 積極的平和主義とは、軍事的な役割を担うことにより、世界平和に貢献するという主義だが、実際には日本の軍備増強や再武装を裏付ける論理となっている。

 最近の中国による軍備増強や、日本政府による防衛産業育成の方針も、今回の武器輸出に関する原則の見直しに影響を与えたものとみられる。

 新たに適用される防衛装備移転三原則に基づき、日本は自国の軍事面での安全保障の名の下、ほかの国との武器の共同開発を推進するという形で、武器を輸出できるようになる。
 また「エネルギー安全保障」を目的に、フィリピンなど、石油の海上輸送ルートにある国への武器輸出も可能になる。
 これまでは個々の国に対してのみ武器を輸出できたが、今後は化学兵器禁止機関(OPCW)や国連などの国際機関にも武器を販売できる。

 今回の原則の見直しにより、これまでとは違い、国際紛争の恐れがある国に対する武器の輸出もできるようになった。 
 例えば、パレスチナとの紛争が続きているイスラエルに対する武器輸出の道も開けたというわけだ。
 スヤスヤ寝ていた日本を、中国は「起きろ!」と揺さぶって起こしてしまった。
 いらぬことをした中国である。
 尖閣諸島という目先の欲にかられて、パンドラの箱のフタを開けてしまった
ということになる。
 寝かしておけばいいものを、起こしてしまったために、
 ここ2年ほどを、いろいろとやりにくいことが頻発しはじめている。
 言うことを聞かない日本が蘇ってしまったのである。
 アジア周辺諸国はこの日本の目覚めにより、一方的に中国に脅かされる必要がなくなった。
 そして今回、この中国の脅威に対応してそこそこの兵器を日本から購入できることになった。
 日本は中国との状況をみながら武器だけでなく戦略・戦術・戦闘と種々の分野での運用を輸出するだろう。
 すなわちハードだけでなく、それに付帯するソフトおも輸出することになる
 つまり周辺国にとっては対中国戦術の先生が隣に引っ越してきたと同様になる。
 下の記事によれば、パキスタン・バングラデシュ・ミヤンマーの3国を除けば、まさに日本は周辺国にとって
 来て欲しいときに来てくれる人
になる。
 中国は強くなる前に有頂天になり、その結果傲慢になってしまった。
 ために、周辺国は中国の将来を見据えて着々と対策準備をする時間を得てしまった。


レコードチャイナ 配信日時:2014年4月2日 17時32分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85957&type=0

日本の新武器輸出三原則
=輸出は殺傷能力が低い装備が中心、豪州とインドが購入に意欲的―中国メディア


●1日、日本の武器輸出に関してロイター通信は、「日本は殺傷能力が低い装備を中心に輸出するだろう。現時点で考えられるのは、巡視艇やレーダー設備などだ」と分析した。写真は中国の戦闘機。

 2014年4月1日、日本政府は閣議で、武器輸出三原則を全面的に見直し、新たな武器輸出三原則として「防衛装備移転三原則」を決定した。
 これにより、今までの全面的な輸出禁止方針から、一定の審査を通過すれば武器の輸出が可能になる。
 新華社通信が伝えた。

 日本の武器輸出に関してロイター通信は、
 「日本は殺傷能力が低い装備を中心に輸出するだろう。
 日本政府はまだ戦車や戦闘機を輸出する計画を明らかにしていないため、現時点で考えられるのは、巡視艇やレーダー設備などだ」
と分析。
 さらに報道では日本の政府関係や専門家の見解として、
 「日本が輸出する武器としてディーゼルエンジンの潜水艇や救難用の飛行艇が考えられる。
 潜水艇や飛行艇に関してはオーストラリアとインドが購入の意欲を見せている」
と紹介した。



ウォールストリートジャーナル     2014年 4月 05日 14:30 JST 更新
http://jp.wsj.com/article/JJ11201162553254404825719642195893483208381.html

防衛産業、反応さまざま
=海外販売「簡単でない」—武器輸出新原則

  武器輸出三原則に代わる「防衛装備移転三原則」が閣議決定された。
 防衛装備品の輸出が緩和されるためメーカーにとっては大きな転換点だが、輸出に前向きな企業ばかりではない。
 「そう簡単に海外では売れない」と指摘する関係者もいる。

 閣議決定翌日の今月2日、防衛省で開かれた新原則の企業向け説明会には約50社が参加。
 関心の高さをうかがわせたが、反応はさまざまだ。
 10式戦車などを製造する三菱重工業は
 「日本の国際的プレゼンス(存在感)が向上する」
と歓迎した一方、陸上自衛隊向けの弾薬や軽装甲機動車などを製造する小松製作所は
 「国防を支える誇りを持って仕事をしている。
 輸出は考えていない」
と話す。

 国内の防衛産業の市場規模は約2.1兆円(2011年度)で、工業生産額に占める割合はわずか約0.8%。
 納入先が自衛隊に限られ生産量が少ないため、コストが高く、大手でないと手掛けられないのが実情だ。

 防衛省が念頭に置くのは救難機や輸送機、哨戒機などの輸出だ。
 レーダーが搭載されているため輸出が禁止されてきた救難飛行艇US2や新型輸送機C2などの輸出を検討している。
 同省担当者は「海外向けに一定の生産があれば、技術者の仕事も確保できる」と期待する。 

[時事通信社]




【参考】

レコードチャイナ 配信日時:2014年3月19日 9時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85161&type=0

中国、兵器輸出量で世界第4位=フランスを抜きドイツに迫る―中国メディア
 中国は過去5年間で途上国を中心として35カ国に兵器を供給しており、
 4分の3近くが
★.パキスタン、
★.バングラデシュ、
★.ミャンマー
の3国に輸出されている。
 』



【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】




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