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サーチナニュース 2014-04-15 16:15
http://news.searchina.net/id/1529917
中国・人民日報が米国に<警告>
・・・「日本を縄から解き放つと、再び真珠湾を攻撃するかも」
中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は15日付第6面で
「日本を“縄から解き放って”、米国は安心していられるのか?」
と題する論説を掲載した。
軍事面などで日本を野放しにすれば、1941年と同様に、日本が再び真珠湾を攻撃するかもしれないと主張した。
オバマ米大統領は4月23日から25日にかけて日本を訪問する。
記事は、
「オバマ訪日前の安倍の策略は、日本国内で憲法改正、集団自衛権を肯定する世論を作ることだ」
との考えを示した。
また、大阪茨木市の木本保平市長が12日に、慰安婦問題を否定する発言をし、、新藤義孝総務大臣が21日から23日前の春季大祭より1週間早く靖国神社を参拝したことも、オバマ大統領の訪日時に「外交上の面倒」を避けるための可能性があり、安倍首相が靖国神社参拝を取りやめるかどうかとメディアが注目している大切な時期に行ったことは「偶然の一致ではあるまい」と論じた。
記事は直接書いていないが
「外交上の面倒は避ける。
しかし、政府要人が靖国神社参拝を続けるという意思表示」
との考えを示唆したと読み取れる。
日米関係について、
●.「岸信介のように古い世代の政客は、戦後秩序を脱却して、日本の普通の国にしたいと願っていた。
しかし、米国の実力が図抜けており、過度の願望にすぎなかった」、
●.「今は違う。
日本国内では、米国の実力が下降し、中国の実力が向上を懸念する声が大きくなった。
安倍はこの時勢を、憲法解釈を修正し、武器輸出三原則を突破し、教科書書き換えの機会とみなしている。
一切は憲法修正をめぐって、強気で並行して進めている」
と主張した。
記事は最後の部分で、「歴史の教訓を忘れるな」との小見出しを設けた。
日本で、武器輸出について自制を緩和する動きがあることについて
「米国の官員の多くは支持している。
(日本の動きは)強範囲内で、日本は軍事力向上で“自衛”だけでなく、米国と一層“共同防衛”ができるようになるからだ」
と、現状を伝えた上で、
「歴史を読めばわかる。日本の軍事力を縄から解き放すこと、とりわけ後悔をしない国家の軍事力を解き放すことは、実に恐ろしい考えだ」
と主張した。
米国の過去10年の軍事行動について「アフガニスタンとイラクで6750人以上の軍人を失った」と指摘した上で、
「しかし、米国が過去100年にアジア、豪州地域でこうむった損失と比べれば、ものの数ではない」
と主張。
「日本は1941年12月7日に真珠湾を攻撃し、3000人以上の米国軍人を死亡させた。
これはほぼ、2001年にアルカイーダが米国本土を攻撃した試験上演だった」
と主張。
その後の太平洋戦争について、日本に対する
「一連の血みどろの戦いを発動した」、
「タラワ島上陸では海軍陸戦隊に5000人の損害が出た」、
「1945年6月の沖縄戦役では、陸軍に7374人の損害が出た……」
などと論じた。
論説は
「もしも、日本を“縄から解き放った”ならば、歴史が再現されるかもしれない。
「日本は歴史を再演するかもしれない。
米国最精鋭の海軍力は太平洋にあり、最も重要な基地は真珠湾だ。
1941年に突然、真珠湾を襲撃した時と同じように」
と主張。
さらに、在沖縄米軍のトップのウィスラー第3海兵遠征軍司令官が11日、尖閣諸島を占拠されても
「奪還するようにとの命令があれば、実行できる」、
「脅威を除去するために、兵士を上陸させる必要すらないかもしれない」
と語ったことについて、
「皮肉なことだ。日本の挙動について在沖縄米軍の最高司令官が支持し、日本が島を奪うことを助けると誓った」
と論じた。
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◆解説◆
人民日報は中国共産党中央委員会の機関紙であり、中国で最も権威あるメディアだが、
なんとも“不思議”な論理を展開した。
まず、第二次世界大戦における日本の真珠湾攻撃だが、道義上の是非、戦術・戦略面の是非、外交との連携の是非はさておいて、日本が開戦に踏み切ったことには、米国を敵にして戦わねばならない――少なくとも当時の日本の軍部の主観としては――理由があったことになる。
現在の日本にとって、米国と戦わねばならない理由は存在しない。
意見が食い違っても話し合いで解決する方法が確立されている。
たしかに、米国が「力」を背景に、日本にとって“あまりにも過度”な要求を押し付けると思える場合もあるが、開戦の理由には到底ならない。
人民日報は、「真珠湾襲撃」を比喩(ひゆ)と主張するのかもしれないが、そうだとすれば、例えば「経済上の奇襲」などならば、日本の軍事面における格段の増強などとはほぼ関係のないことだ。
また、安倍首相が12月に靖国神社を参拝したことについて米国は当初、かなり強い不快感を示した。
しかし、米国は中国のように主に「思想的」な理由で反発したのではなく、「東アジアの安定に逆行する」として日本の首相の靖国神社参拝を批判した。
つまり、
「中国や韓国を不用意に刺激したのでは、段取りが狂ってしまう」
ことが主たる理由で、日本を自重を促した構図だ。
しかしその後、米国はむしろ日本との協力体制を重視する言動を増やしていった。
中国にしてみれば米国とは「第二次世界大戦絡みでの価値観を共有」ともくろんだが、“空振りだった”と言える。
考えてみれば当然のことで、日米は完全とは言えないにしろ、政治体制などで価値観を共有している。’
逆に、中国とは共有していない。
「互いに利益があるなら、内部のことにはあまり干渉しない」といった程度の関係だ。
人民日報の論説は要するに、
「論理の破綻(はたん)もお構いなしの、なりふりかまわぬ主張」
と言うことができる。
ゆえに、興味の焦点は
「人民日報ともあろう媒体が、なぜそのような苦し紛れの極論を掲載したか」
ということになる。
★.まず考えられることが、このところの米国の動きに、中国がかなりの「ショック」を受けているということだ。
3月中旬の段階で「米国は安倍首相の靖国神社参拝の影響で、4月の訪日日程を当初の2泊から1泊に短縮した」と伝えられた。
韓国では
「(わが国による)日本だけに2泊すると、歴史問題で日本を支持したように映るとする説得が奏功」、
「(日韓ともに1泊になったのは)韓国の外交努力の成果」
などと大いなる満足感を示す報道も相次いだ(朝鮮日報など)。
しかし日本側の「国賓待遇での訪日は、天皇陛下との会見や宮中晩餐会(ばんさんかい)などの行事参加のため2泊が必要」とする主張を受け入れる形でホワイトハウスは4月14日になり、日本滞在は同月23-25日と発表した。
オバマ大統領は韓国には25、26日に滞在。
その後、マレーシア、フィリピンを訪問して29日に帰国する。
「日本にだけ2泊」には韓国も“落胆”したろうが、米国が改めて日本重視の姿勢を示したことで、中国もショックを受けたことは想像に難くない。
つまり人民日報の論説は、
★.「言えそうなことは、とにかく言っておく」式の主張であり、
★.日米関係について「中国が焦(あせ)っている」傍証
とも言える。
オバマ大統領の東アジア歴訪の大きな狙いは環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉推進とされる。
しかし、日韓以外の訪問先ではフィリピンは日本以上に、島を巡る領土問題で中国との対立を深めている(スプラトリー諸島、スカボロー礁)。
また、マレーシアもスプラトリー諸島(南沙諸島)の領有権で中国と対立している。
米国と日本をはじめとする東アジア諸国との提携強化が、中国にとって「実にいやなこと」であることは間違いない。
★.中国では現在、日本との関係改善を模索する動きと、
★.「日本を押さえられるだけ押さえておこう」という勢力
の両方が動きを活発化させているようにみえる。
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なんだかムチャクチャになっている。
中国国内で意見がぶつかり合っているのか、
それとも袋小路に陥った外交で破れかぶれになっているのか、
どうにもわかりにくい。
中国は「新持久戦」を展開しようという。
日本が中国の望むような反応を示さないため、袋小路に落ち込んでいる。
そのため、どうしたらいいのかわからなくなってしまっているので、しばらくはダンマリを決め込もうというわけである。
日本は中国と韓国の関係はこのままでいいという世論が過半を占める。
日本は中国との関係をいますぐどうしようと思っていないが、
常に対話の窓口は開かれている
という姿勢をアピールすることを怠らない。
努力しているというポーズを世界に示し続け
ている。
結果などどうでもよく、諦めずに続けるというのが外交だということを承知している。
中国はこの日本の外交スタイルを弱気だとアピールしたがる。
でないと国内から不満が出てくる。
この勝負、事実は別にして
「中国側に有利に展開している」という宣伝
をしつづけないといけない、という圧力を負っている。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年4月15日 22時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86592&type=0
日中関係修復に焦る日本、その3つの理由―中国メディア
●14日、日中関係悪化以来、いつになったら両国関係は修復できるのかが大いに注目されている。現時点では、依然「真冬の季節」にあり「春」を迎えるどころか緩和の兆しも全くない。資料写真。
2014年4月14日、日中関係悪化以来、いつになったら両国関係は修復できるのかが大いに注目されている。
現時点では、依然「真冬の季節」にあり「春」を迎えるどころか緩和の兆しも全くない。
いつも「口は悪いが悪気はない」安倍政権を前に、
中国側は領土主権と歴史に関わる問題ではいかなる譲歩もしないと繰り返し表明している。
逆に日本側にとって、日中関係の修復は切迫性を増しているように見える。
新華網が伝えた。
日本メディアによると、菅義偉内閣官房長官と岸田文雄外相は今月8日、来日した胡徳平(フー・ダーピン)元全国政協常務委員と会談し、日中関係の修復と対話の促進を望む考えを共に表明した。
内閣官房長官は日本の内閣において、首相に次ぐ最も重要な閣僚だ。
胡氏は今回、招待を受けて民間交流活動に参加するだけだったが、内閣官房長官や外相という日本の高官と会談することができた。
これは日本側が今回の訪問を重視し、この機を借りて中国側に友好的なメッセージを伝えたいと望んでいることを証明している。
他にも例はある。
日本の木寺昌人駐中国大使は8日の「桜を観賞する会」での挨拶で、日中関係が依然困難な局面に置かれていることを率直に認めたうえで「両国関係の春ができるだけ早くやってくることを望む」と述べ、日中関係改善を願って来賓らと共に乾杯した。
木寺大使は先月のインタビューで「日中関係が困難だと、大使の仕事は難しい」と感想を述べた。
木寺大使の「訪問外交」は、地方政府指導者でさえなかなか会えないため、微々たる成果しか上がっていないという。
高官が中国側と対話する善意を繰り返し表明しているほか、安倍晋三首相も最近不当な言動を多少控えている。
3月14日には参院予算委員会で「村山談話」について
「歴史認識に関して、われわれは歴代内閣の立場を全て受け継いでいる」
と明確に表明した。
日本のメディアが11日、複数の首相周辺の話として報じたところによると、安倍首相は21~23日の春季例大祭期間に靖国神社を参拝しない方針だ。
オバマ米大統領の訪日を控えていることから、参拝見送りに米国への考慮があるのは当然だが、すでに膠着状態に陥った日中関係、日韓関係に火に油を注ぐ余裕がないことも示している。
日中関係修復の問題において、日本はずっと「二枚舌」であり、言行不一致が常態となっている。
だが各方面から圧力がかかるに伴い、日中関係悪化のもたらす「身を切るような痛み」を日増しに感じ、できるだけ早い日中関係修復に向けて一歩を踏み出す意向を徐々に示している。
▼日本が中国より焦っているのはなぜか?
第1に、
日中関係悪化以来、尖閣諸島の現状を一方的に変えてきた日本は、元々「先制措置」によって機先を制することができると考えていたが、中国側の反発によって日本は自らを苦しい状況に追い込んでおり、実行支配や国際世論などの面で何ら得をしていない。
第2に、
日本は一貫して同盟国の米国が日本の後ろ盾になることを望んできたが、結局のところ得られたのは口先の支持だけだった。
そのうえ米国は繰り返し日本に不満を抱き、警戒もしている。
クリミア問題でも米国は、日露関係修復を一心に望む日本を巻き込もうとしている。
ここにいたって日本も、自国の未来をひたすら他国に託していては、「駒」としての役割から永遠に脱せないことを理解し始めた。
日本はやはり自らの努力に頼ってこそ、周辺国とバランスの取れた関係を維持できるのだ。
第3に、
日中関係悪化が日本経済にもたらす悪影響が明らかになってきている。
「アベノミクス」は短期的には日本経済に一定の刺激となったが、結局は将来性のある計画ではない。
日中関係を正常な軌道に戻すことは、日本経済界の一貫した期待であり、日本の長期的な経済的利益にも合致する。
各方面の圧力を前に、すでに日本は日中の膠着状態の永続は不可能であることに気づいている。
だが現在の日中間の深刻な政治的障害は日本側が一方的にもたらしたものであり、日本が自ら取り除くのが当然だ。
われわれは、日本が友好的姿勢を見せる一方で、最近「防衛装備移転三原則」を決定したうえ、歴史教科書を見直したことも目の当たりにしている。
これらは、再三信用を失った安倍政権が中国を含む国際社会の信頼を回復するには、的確な努力を払う必要があることをはっきりと示している。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)
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「日中関係修復に焦る日本、その3つの理由」
とあるので、相当決定的なことが書かれていると思ったら、ほとんど周辺状況をいいように解釈して並べたにすぎないものになっている。
この程度のことしか理由にあげられないような状況に中国は立ち至っているということなのだろう。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年4月16日 0時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86526&type=0
日本の政治家よなぜわからない、米国への依存で「正常な国」から遠のく―中国外交官
2014年4月14日、侵略の歴史を背景に関係が悪化する日中だが、ヘーゲル米国防長官が今月8日に訪問先の中国で、中国が米国の同盟国と対立することになれば、同盟国を保護する立場を明確にするなど、日中関係は米国の存在でより複雑さを増している。
これに関連して中国の外交官は、
「日本の経済低迷には政府もなすすべがなく、周辺国の脅威を訴えるなどして社会に危機感を与え、結束力を得ようと試みた。
この結果、社会には不安が広がり、日本はもはや米国にすがるしかない。
だが、日本が米国に頼れば頼るほど、自立する力を失い、正常な国から遠のく。
これは明らかな悪循環だが、日本の政治家はその深刻さに気が付かない人と、気が付こうとしない人であふれかえっている」
と日本の政治の問題を指摘した。
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一方で日本は真珠湾を再現するぞと言い、一方で「米国への依存で「正常な国」から遠のく」という。
矛盾も甚だしいが中国には「わからない日本」というのが現実なのかも。
【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】
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