『
レコードチャイナ 配信日時:2014年4月10日 20時51分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86350&type=0
中国共産党の指導者、各世代で毛沢東は輩出できない―キッシンジャー元米国務長官
●9日、中国の歴代指導者と会見した経歴を持つヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、米非営利団体アジア・ソサエティーの政策研究所設立セレモニーに出席し、中国の5人の指導者について語った。写真は毛沢東像。
2014年4月9日、人民網によると、中国の歴代指導者と会見した経歴を持つヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が、米非営利団体アジア・ソサエティーの政策研究所設立セレモニーに出席した。
キッシンジャー氏は、
「中国の5世代の指導者で誰が印象深いか」
と問われ、
「5人はそれぞれ、歴史の各段階を代表した。
前代がいなければ、後代は成果を上げることはできなかっただろう」
と語った。
中国の指導者世代は
★.建国から文化大革命までの毛沢東氏を中心とした第一世代、
★.改革開放を開始したトウ小平氏を中心とした第二世代、
★.その後の江沢民氏を中心とした第三世代、
★.胡錦濤氏を中心とした第四世代、
★.そして2012年からスタートした習近平氏を中心とする第五世代
と続いている。
キッシンジャー氏は、
「中国では、毛氏の功績は国内を統一したことだとみられている」
との認識を示した上で、
「それに続く各世代で毛沢東を排出することは不可能だ」
と指摘した。
トウ小平氏については、毛氏の部分的な遺産を継承したと評し、
「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕るのが良い猫だ」
という「白猫黒猫論」などは毛沢東時代には口にできなかったと指摘した。
江沢民氏については、外部からの評価は当初低かったものの、中国を国際社会に復帰させたと評した。
胡錦濤氏は安定を優先させ、そして現在の指導者は、党と国家を改革することで、再び中国を大きく進歩させようとしていると指摘。
「各世代の指導者を抽象的に比べることはできない。
どの指導者もその時代の必要性に見合った存在だ」
と語った。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年4月10日 20時51分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86350&type=0
中国共産党の指導者、各世代で毛沢東は輩出できない―キッシンジャー元米国務長官
●9日、中国の歴代指導者と会見した経歴を持つヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、米非営利団体アジア・ソサエティーの政策研究所設立セレモニーに出席し、中国の5人の指導者について語った。写真は毛沢東像。
2014年4月9日、人民網によると、中国の歴代指導者と会見した経歴を持つヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が、米非営利団体アジア・ソサエティーの政策研究所設立セレモニーに出席した。
キッシンジャー氏は、
「中国の5世代の指導者で誰が印象深いか」
と問われ、
「5人はそれぞれ、歴史の各段階を代表した。
前代がいなければ、後代は成果を上げることはできなかっただろう」
と語った。
中国の指導者世代は
★.建国から文化大革命までの毛沢東氏を中心とした第一世代、
★.改革開放を開始したトウ小平氏を中心とした第二世代、
★.その後の江沢民氏を中心とした第三世代、
★.胡錦濤氏を中心とした第四世代、
★.そして2012年からスタートした習近平氏を中心とする第五世代
と続いている。
キッシンジャー氏は、
「中国では、毛氏の功績は国内を統一したことだとみられている」
との認識を示した上で、
「それに続く各世代で毛沢東を排出することは不可能だ」
と指摘した。
トウ小平氏については、毛氏の部分的な遺産を継承したと評し、
「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕るのが良い猫だ」
という「白猫黒猫論」などは毛沢東時代には口にできなかったと指摘した。
江沢民氏については、外部からの評価は当初低かったものの、中国を国際社会に復帰させたと評した。
胡錦濤氏は安定を優先させ、そして現在の指導者は、党と国家を改革することで、再び中国を大きく進歩させようとしていると指摘。
「各世代の指導者を抽象的に比べることはできない。
どの指導者もその時代の必要性に見合った存在だ」
と語った。
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「WEDGE Infinity」 2014年04月14日(Mon)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3749?page=1
権力基盤を強化し続ける習近平
上海での国際会議に出席した、ワシントンポスト紙コラムニストのイグネイシャスが、3月1日付同紙コラムで、習近平の権力基盤が強力であるとの観察を示す一方、経済改革は習近平にとって厄介な問題である、と述べています。
すなわち、中国および西側の専門家は、
習近平が、めざましい権力強化を達成した
ということで一致している。
2012年11月に党総書記、昨年3月に国家主席に就任して以来、習は、精彩に欠ける集団指導体制を、統制と改革のための攻撃的な道具に変えた。
中国の学者・蕭功秦は、
「習近平は、中国の新しい権威主義の黄金時代に到達している」
と、昨年11月にニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで述べている。
太子党の一員として習は、一党支配の社会において、あらゆる権力の梃子を用いて来た。
国家安全部のトップ、国営石油会社、その他、以前は不可侵であった権力中枢に対して反汚職キャンペーンを打ち上げ、裕福で傲慢になった地方の共産党指導者には、トップダウン式の規律を課そうとした 。
習の改革は、矛盾の典型である。
習は、市場の力は中国経済にとって決定的な役割を持つと言う一方、国営企業は指導的な役割を持つ、と言っている。
この上海での会議(注:Stockholm China Forum)で中国の当局者は、2つの間には明らかに矛盾があるが、両者とも変化を封じ込めようとする殻に穴をあける企図である、と言っている。
この当局者は、
「共産党によって率いられた改革が党の力を弱めると考えるべきではない」
と強調した。
正反対に、習は、党の力を高めることを望んでいる。
習への権力移行は、当初、うまくいっていないように見えたが、習は、2012年11月に最終的に党の指導者として舞台に登場した時、断固とした就任演説をした。
彼は、「党内には解決すべき多くの問題、特に汚職の問題がある」と言った。
習は、胡錦濤を中央軍事委員会から排除した。
ほどなくして、習は、「中国の夢」を発表し、その中には「強い中国」が含まれていた。
習は、昨年11月の3中全会で、改革構想を加速させた。経済改革についての「指導小組」と、中国の巨大な軍事および公安官僚を監督する、国家安全委員会の、2つの特別委員会を作った。
3中全会では、習に、一層強力な統制権が与えられた。
習の課題は、中国経済の成熟を監督することである。
過去数十年間の「超高速成長」は減速しつつあり、中国は、輸出主導の爆発的成長から、もっとバランスの取れた消費者主導のモデルに移行しなければならない。
ペンシルベニア大学による最近の報告書は、
「賃金の上昇、人口の高齢化、生産性が落ち非効率性を増す国営企業といった問題を抱え、中国は、中国の夢を達成するには新しい経済モデルを必要としている」
と指摘している。
上海での会合で、米国の著名な学者の一人は、
「習はタイタニックを救うことが出来ることを示したがっている」
と言い、習の権力強化を、ゴルバチョフのグラスノスチ、ひいてはソビエト帝国の崩壊を引き起こした1980年代初めの、アンドロポフによるソビエト共産党改革の試みに譬えた。
習は、共産党を破壊することなく、党改革をすることが可能であると考えている。
会議で、中国の専門家は、党は党員にソ連と同じ誤りを繰り返さないよう、ソ連崩壊を記録した長々しいビデオを見るよう指導している、と言った。
習にとって厄介な問題は、緩めることと引き締めることを同時にしなければならない、ということである、と述べています。
* * *
論説は、イグネイシャスが2月に、Shanghai Institutes for International Studies とGerman Marshall Fund が毎年共催しているStockholm China Forum に参加し、そこで得た感触を基に、習近平の権力基盤が強固なものになっている、と分析したものです。
この分析には全く賛成です。
習近平は、毛沢東のような、端倪すべからざる人物であるように思われます。
「中国の夢」などと中国の古典に無い表現を使ってみたり、「新型の大国間関係」というような歴史的ビジョンのありそうなことを言ったり、ネクタイ無しで泊まり込みの議論をしたりするなど、従来の共産党指導者に無い表現方法を用いつつ、内では統制強化し、外には国益を一歩も譲らない強硬路線を推進しています。
昨年の全人代が終わって、権力闘争は一段落したと思われたにもかかわらず、その後も厳しい権力闘争が続いているらしいのも、習近平は、単に、共産党のトップの指導体制における権力闘争に勝っただけで良しとせず、さらに独裁権力を固めるための闘争を続けているものと推測されます。
習近平にとっては、今後とも独裁体制の強化が主要関心事であり、
党内民主化はもとより、抜本的な経済改革などは期待し得べくもない、
と考えるべきでしょう。
日本に対する強硬姿勢も、
「寧左勿右(強硬をもって良しとする)」
の姿勢が権力闘争にとって有利である、ということが背景の一つにあるのは間違いないでしょう。
』
【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】
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