●オバマ大統領(クアラルンプール、27日)
『
ウォールストリートジャーナル 2014年 4月 28日 19:49 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303709304579529300166805332.html?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst
米、中国向け軍事的選択肢を策定 南・東シナ海 同盟国の懸念受け
【ワシントン】米軍は、中国が南・東シナ海で挑発行為に出た場合に断固たる行動をとるため、中国近辺でのB-2爆撃機の飛行や沿岸近くでの空母演習を含む軍事的選択肢を策定した。
当局者が明らかにした。
軍事的選択肢について説明を受けた当局者によると、こうした行動計画はオバマ政権の防衛義務への決意に対してアジアの同盟国が抱く懸念を反映するものだ。
こうした懸念は特にロシアのクリミア編入後に広がり、今回のオバマ大統領のアジア歴訪を通じて付きまとっている。
米政権の現旧高官によると、アジアの同盟国各国は米当局者に対し、クリミアは米政権にとって、中国が南・東シナ海で同様の侵攻に及んだ際のリトマス試験紙となる可能性があると伝えていた。
国防総省高官は、米国が言葉通りにアジア重視戦略を遂行することについての当地での懐疑的な見方について、「彼らは懸念しているが、これはクリミアだけの問題ではなく次第に強まってきたものだ」と述べた。
オバマ大統領が28日にフィリピンに到着する直前、米国とフィリピンの当局者は新軍事協定に署名した。
協定により、米軍のフィリピンでの活動が復活する。
米軍は20年余り前に現地での反発を受けて完全撤退していた。
日本では、オバマ大統領は安倍首相との共同記者会見で、尖閣諸島(中国名は釣魚島)が日米安全保障条約の対象となることを明言した。
オバマ氏の韓国とマレーシアへの訪問では、ロシアが米欧の警告を無視してクリミアを併合したことへの懸念が付きまとった。
新しい米国の軍事的選択肢は、ハワイの米太平洋軍がこの数カ月で策定した。
中国が昨年、東シナ海の尖閣諸島上空に防空識別圏を一方的に設置して国際的危機を招いたことを受けたもの。
米国防総省高官は、軍事的選択肢は中国か北朝鮮かにかかわらず地域内でのあらゆる挑発的行為に適用するものだと述べた。
北朝鮮による侵略的行為の可能性をにらんで選択肢を見直しているところだという。
北朝鮮は「挑発のサイクル」に入りつつあると主張する高官もいる。
米国の軍事的選択肢には、中国近辺でのB-2爆撃機の飛行や沿岸近くでの空母演習のほか、近辺での偵察行動を増やしたり海軍による同盟国への寄港を強化したりすることも含まれる。
軍事的選択肢によると、中国の領有権主張に関連して地域内で一方的な動きに出た場合、中国に引き下がらせるために米軍が軍事的手段をとることになっている。
米高官は、米国は領有権でもめている南・東シナ海の海域で軍隊配備を強化し、
かつてない強い調子で中国の主張に挑む準備がある
と述べた。
こうした措置は武力衝突リスクを伴わずに講じることができると高官は述べ、中国軍部内に対応をめぐって意見の相違があることを示唆する情報があると語る。
米軍のすべての危機管理計画は
潜在的な敵に引き下がる余地を残す
よう設定されているという。
中国は、米国の軍事力を示す行動には同種の対応をとると繰り返し述べている。
中国は軍の近代化に巨額を投じており、アジアで権勢を振るっている。
米高官は、アジアの同盟国が中国の武力行使に米国がどう対応するかを知りたいのなら、米国によるウクライナ支援策を参考にすべきではなく、むしろ東欧の同盟国やバルト諸国を安心させるための国防総省の動きを見るべきだと述べた。
条約によって米国が防衛義務を負っているためだ。
国防総省は先週、東欧での軍事演習に数百人を派遣し、黒海ではローテーション形式で艦隊を維持することを明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)の欧州同盟国と同様に、米国は日本、韓国、フィリピンと防衛協定を結んでいる。
一方、米国とウクライナはこうした協定を結んでいないことを米当局者はアジアの同盟各国に伝えてきた。
ある軍幹部は「リンゴとオレンジを比べるようなもの」と語る。
米当局者によると、米国は最近、中国による新たな防空識別圏の一方的な設定や南・東アジア海での領有権主張の動きを受け入れないことを、中国側に非公式に警告した。
中国政府がこの警告をどの程度深刻に受け止めたかは不明だ。
2月のケリー国務長官の中国訪問に同行した元政権幹部は
「残念ながら、われわれの力強さに納得したとは考えにくい」
と語る。
「われわれが引き金を引く準備があると考えているのに、
相手がわれわれに引き金を引く準備はできていないと判断しているなら、
そんな時にこそ悪いことは起きる」
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2014年4月29日 1時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87305&type=0
尖閣諸島を取引の切り札としたオバマ大統領は損得勘定を間違えている―中国メディア
●28日、米オバマ大統領はこのほど日本メディアの取材に応じた際、「尖閣諸島は日本の施政範囲内にある。よって『日米安保条約』第5条の適用対象となる」と発言した。資料写真。
2014年4月28日、新華社は尖閣諸島を取引の切り札としたオバマ大統領は損得勘定を間違えているとする記事を掲載した。
以下はその内容。
日本メディアの報道では、米国のオバマ大統領が先日メディアの取材に応じた際、
●.「尖閣諸島は日本の施政範囲内にある。
よって『日米安保条約』第5条の適用対象となる」、
●.「日本の尖閣諸島管理に影響を及ぼすことを企んだ一方的な行動にも反対する」。
これはオバマ大統領本人がこのような態度を初めて明らかにしたものだ。
訪日前夜、オバマ大統領がこのように大いにまくしたてたことは外交の取引行為だろう。
オバマ大統領の今回の言論は、歴史の常識に背いただけではなく、前後で自己矛盾しており、かつての世界の覇者による傲慢と偏見を十分に暴露した。
オバマ大統領の今回のアジア4カ国の訪問は、同盟国との関係を強化し、同盟国を引き入れて米国の「アジア太平洋リバランス」戦略への支えとすることが主な目的の1つだ。
新華社世界問題研究センターの研究員である張●利(ジャン・ホワンリー、●は換が火へん)氏は、このようにみなしている。
現段階で日本は米国のたいへん重要なアシスタントで、米国にとって、日本のようにこれほど使いやすい国は1つもなく、米国も力を尽くして同盟国関係を維持している。
オバマ大統領の訪日をめぐって、安倍政府も文章をしっかりと準備して、声を振り絞って「アジア太平洋リバランス」戦略への支持を叫ぶ一方で、各種の場面を通して米国側にその領土主張を公開で支持するよう再三請い求めている。
そのため、同盟関係を強固にするため、オバマ大統領は慣例を打ち破り、「口頭でのプレゼント」を送り、尖閣問題上に、初めて公の場に飛び出して、日本の主張に肩をもったのだ。
しかし、オバマ大統領がこのような「プレゼント」を送ったことは、明らかに歴史の真相を顧みず、責任を負っていないのだ。
尖閣諸島は中国の固有の領土であることは証拠が確実で揺るぎない。
尖閣諸島およびその附近の海域は、昔から中国の労働者人民が魚を獲ったり薬草を採集してきた活動場所だ。
日本政府は日清戦争の末期に清朝政府の敗色が決定的になった際に、不法に尖閣諸島を盗み取った。
第二次世界大戦の終了後、『カイロ宣言』と『ポツダム宣言』に基づいて、中国は日本が不法占領した台湾、澎湖列島などの領土を回収し、尖閣諸島は国際法の上ですでに中国に復帰した。
鉄のように強い史実は覆すことは許さない。
同時に、オバマ大統領も中国の固有の領土である尖閣諸島を取引の切り札とする権利はない。
第二次世界大戦終了後、米軍は尖閣諸島などの島嶼を占領して射撃場にした。
1951年、日本は米国などの国と一方的に「サンフランシスコ講和条約」を締結し、琉球群島(現在の沖縄)を米国の管理下とした。
1953年、琉球列島米国民政府は管轄範囲を勝手に拡大し、中国領土の尖閣諸島を「返還区域」に組み入れた。
1971年、日米両国は「沖縄返還協定」の中にまた勝手に尖閣諸島を「返還区域」組み入れた。
米国のこのような中国の領土をひそかに受け渡すやり方は不法で、無効だ。
中国政府は始めから断固として反対し、承認していない。
そのため、オバマ大統領のいわゆる「尖閣諸島が日本の施政範囲にある」の言い方は、それ自身が成り立たない。
日本にはいわゆる施政権はなく、米国もそれに対する承認権もなく、オバマ大統領には尖閣諸島に「日本のラベル」を貼り付ける権利はない。
オバマ大統領は尖閣諸島の問題で責任を負わない言論を発表すると同時に、またそのアジア太平洋「リバランス」戦略を美化し、安全保障を求め、繁栄を追求すると公言したが、その戦略を推進するプロセスの中で、とっくに流行遅れとなった冷戦思考に満ちあふれている。
「アジア・太平洋を取り戻す」ために、米国の覇権地位を強固とし、オバマ政府はここ数年下心をもち、また全力を出しきって中国の東海、南海の主権などの問題で少数の国にしばしばもめごとを引き起こすように扇動し、地域の平和と安定をひどく破壊した。
そのうち、日本軍国主義のつまらない人間が政権を握り、右翼勢力が歴史を大いに逆行させる行為に直面し、米国政府が己の私利により、見て見ぬふりをして、宥和政策をとった。このようなアジア太平洋の安全と安定を悪化させる一連のやり方は、明らかにオバマ大統領の以前によくみられた言葉と矛盾している。
言葉は何千、何百種の使い方があるが、歴史の真相はひとつしかない。
言葉づかいの上手なオバマ大統領が、アジア・太平洋地域ないしは世界の平和と安定のために建設的な役割を発揮したいなら、事実を尊重し、事の是非をはっきり区別し、責任を担う態度で、謹んで他国の領土主権に関する問題上で偏向的な立場に立たない態度を厳格に守り、言行を慎み、また安倍政権政府と日本右翼勢力の危険な動向に対して高い警戒心を維持するべきだ。
日米同盟のような冷戦時代の二国間の取り決めは、中国の領土主権と正当な権益を損なうものではない。
中国の国家の領土主権と海洋権益を守る決心と意志は、誰も動揺させることはできない。
中国に自身の主権の安全と発展利益を損なう苦い結果を飲み込むだろうと期待することは、明らかに損得勘定を間違えている。
(提供/新華網日本語版・翻訳/王珊寧・編集/武藤)
』
新華社は中華人民共和国の国営通信社であるが、記事の内容からいくと相当に苛立っているようである。
「鉄のように強い史実は覆すことは許さない」
「言葉は何千、何百種の使い方があるが、歴史の真相はひとつしかない」
といった言葉の使い方に現れている。
歴史の真相は無限にある
というのが常識であるが、それを一つと言い切ってしまうところに追い詰められたような悲壮感が滲んでいる。
『
ロイター 2014年 04月 29日 17:07 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DF0K320140429
焦点:オバマ大統領がアジア歴訪終了、同盟国にくすぶる「不信」
[マニラ 29日 ロイター] -
オバマ米大統領は29日、アジア4カ国の歴訪を終えて帰国の途に就いた。
側近らは何カ月も前から細心の注意を払ってスケジュールを練り上げてきたが、今回の約1週間にわたるアジア歴訪では、すべてがホワイトハウスの思惑通りには運ばなかったようだ。
オバマ大統領の狙いは、外交政策の軸足をアジア太平洋地域にシフトさせるという米政権の意思が本物であることを示すことだった。
しかし、これまでのところ、各国からの反応はまだら模様だ。
米国のシンクタンク、ウィルソン・センターのアジア専門家マイケル・クーゲルマン氏は
「重要なのは次に何が起きるかだ」
と指摘。
「もし米国が(アジアへの関与に)消極的になり始めれば、再び懐疑的なささやきが始まる可能性がある」
と述べた。
今回のアジア歴訪を特徴づけるのは、悲観と楽観が交錯していることだが、
それが最も顕著に表れたのは、最初に訪問した日本だった。
特に、環太平洋連携協定(TPP)交渉で合意に至ることができず、TPPの勢い自体にも疑問が投げかけられる格好となった。
安倍首相とオバマ大統領の非公式の夕食会や長時間に及ぶ閣僚協議でも両国の溝は埋まらず、日米共同声明は発表が延期されるという異例の事態となった。
結局、TPP交渉をめぐっては「2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」との表現にとどまった。
一方、日本側にとってさらに重要だったのは、中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名:釣魚島)に関し、オバマ大統領が日米安全保障条約の適用対象だと明言し、中国には「いかなる一方的な行動にも反対する」と警告したことだろう。
元外交官の宮家邦彦氏は、尖閣をめぐるオバマ大統領の発言は、日本政府にとって「十二分な成果」だったと述べた。
そうしたオバマ大統領のコメントは、当然ながら中国政府の反感を買い、米中関係を傷つけるリスクがある。
外交専門家の間では、オバマ大統領は今回、アジアの同盟国を安保面で安心させる一方、中国を封じ込める意図はないことを強調し、うまくバランスを取ったとの分析が大勢だ。
中国は、日米に対しては「冷戦的な精神構造」を捨てるべきだと非難したが、残りのアジア歴訪については目立った発言をしていない。
ただ一部では、中国政府の反応は数週間もしくは数カ月経ってからでないと分らないと懸念する声もある。
人民大学(北京)のアメリカ研究センターで責任者を務める時殷弘氏は、オバマ政権は恐らく、中国抑止のメッセージがうまく伝わったと感じているはずだと指摘。
そのうえで、
「今回の歴訪が米中関係に深刻なダメージを与えたかどうか、米国の戦略的および経済的利益にダメージを与えたかどうか」
については、現時点では定かではないと語った。
<乏しい具体的成果>
今回は2期目のオバマ政権で初のアジア訪問となったが、シリア内戦への対応など、同政権の幅広い外交政策が批判にさらされているタイミングにも重なった。
アジア地域の米国の同盟国からは、オバマ政権のアジア重視政策が、欧州や中東での危機対応によって骨抜きになると懸念する声も聞かれる。
緊張が続くウクライナ情勢に関しては、今回訪問した4カ国のいずれで行った記者会見でも多くの時間が割かれた。
オバマ大統領も会見を通じ、ロシアに対する追加制裁をめぐり欧州首脳らに力強いメッセージを送った。
ただ28日のマニラでの会見では、オバマ大統領はアジア重視路線をアピール。
「アジア太平洋でのわれわれの連携はかつてないほど強まっている。
それは断言できる」
と述べた。
韓国ではオバマ大統領は、4月16日に起きた旅客船沈没事故の犠牲者に追悼の意を示し、北朝鮮問題では韓国との一致団結した対応を強調した。
しかし、北朝鮮の核問題では、これといって新たなアイデアは出されなかった。
韓国の朝鮮日報は論説に
「米国は言葉だけではアジアで指導力を発揮することはできない」
と掲載し、韓国日報も
「韓国と米国の首脳会談は象徴にしか過ぎない」
と批判した。
★.今回のアジア歴訪で数少ない具体的成果となったのは、フィリピンとの今後10年に及ぶ新軍事協定への署名だろう。
これにより、米軍はフィリピン軍の基地を使用できるようになる。
オバマ大統領は今回、昨年10月に米政府機関の閉鎖によって訪問中止を余儀なくされたマレーシアも訪れた。
米高官の1人はアジア歴訪の意義について、
「ここは実際に訪問して高い関心を示すことが大切な場所だ」
と語った。
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ロイター 2014年 04月 29日 17:07 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DF0K320140429
焦点:オバマ大統領がアジア歴訪終了、同盟国にくすぶる「不信」
[マニラ 29日 ロイター] -
オバマ米大統領は29日、アジア4カ国の歴訪を終えて帰国の途に就いた。
側近らは何カ月も前から細心の注意を払ってスケジュールを練り上げてきたが、今回の約1週間にわたるアジア歴訪では、すべてがホワイトハウスの思惑通りには運ばなかったようだ。
オバマ大統領の狙いは、外交政策の軸足をアジア太平洋地域にシフトさせるという米政権の意思が本物であることを示すことだった。
しかし、これまでのところ、各国からの反応はまだら模様だ。
米国のシンクタンク、ウィルソン・センターのアジア専門家マイケル・クーゲルマン氏は
「重要なのは次に何が起きるかだ」
と指摘。
「もし米国が(アジアへの関与に)消極的になり始めれば、再び懐疑的なささやきが始まる可能性がある」
と述べた。
今回のアジア歴訪を特徴づけるのは、悲観と楽観が交錯していることだが、
それが最も顕著に表れたのは、最初に訪問した日本だった。
特に、環太平洋連携協定(TPP)交渉で合意に至ることができず、TPPの勢い自体にも疑問が投げかけられる格好となった。
安倍首相とオバマ大統領の非公式の夕食会や長時間に及ぶ閣僚協議でも両国の溝は埋まらず、日米共同声明は発表が延期されるという異例の事態となった。
結局、TPP交渉をめぐっては「2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」との表現にとどまった。
一方、日本側にとってさらに重要だったのは、中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名:釣魚島)に関し、オバマ大統領が日米安全保障条約の適用対象だと明言し、中国には「いかなる一方的な行動にも反対する」と警告したことだろう。
元外交官の宮家邦彦氏は、尖閣をめぐるオバマ大統領の発言は、日本政府にとって「十二分な成果」だったと述べた。
そうしたオバマ大統領のコメントは、当然ながら中国政府の反感を買い、米中関係を傷つけるリスクがある。
外交専門家の間では、オバマ大統領は今回、アジアの同盟国を安保面で安心させる一方、中国を封じ込める意図はないことを強調し、うまくバランスを取ったとの分析が大勢だ。
中国は、日米に対しては「冷戦的な精神構造」を捨てるべきだと非難したが、残りのアジア歴訪については目立った発言をしていない。
ただ一部では、中国政府の反応は数週間もしくは数カ月経ってからでないと分らないと懸念する声もある。
人民大学(北京)のアメリカ研究センターで責任者を務める時殷弘氏は、オバマ政権は恐らく、中国抑止のメッセージがうまく伝わったと感じているはずだと指摘。
そのうえで、
「今回の歴訪が米中関係に深刻なダメージを与えたかどうか、米国の戦略的および経済的利益にダメージを与えたかどうか」
については、現時点では定かではないと語った。
<乏しい具体的成果>
今回は2期目のオバマ政権で初のアジア訪問となったが、シリア内戦への対応など、同政権の幅広い外交政策が批判にさらされているタイミングにも重なった。
アジア地域の米国の同盟国からは、オバマ政権のアジア重視政策が、欧州や中東での危機対応によって骨抜きになると懸念する声も聞かれる。
緊張が続くウクライナ情勢に関しては、今回訪問した4カ国のいずれで行った記者会見でも多くの時間が割かれた。
オバマ大統領も会見を通じ、ロシアに対する追加制裁をめぐり欧州首脳らに力強いメッセージを送った。
ただ28日のマニラでの会見では、オバマ大統領はアジア重視路線をアピール。
「アジア太平洋でのわれわれの連携はかつてないほど強まっている。
それは断言できる」
と述べた。
韓国ではオバマ大統領は、4月16日に起きた旅客船沈没事故の犠牲者に追悼の意を示し、北朝鮮問題では韓国との一致団結した対応を強調した。
しかし、北朝鮮の核問題では、これといって新たなアイデアは出されなかった。
韓国の朝鮮日報は論説に
「米国は言葉だけではアジアで指導力を発揮することはできない」
と掲載し、韓国日報も
「韓国と米国の首脳会談は象徴にしか過ぎない」
と批判した。
★.今回のアジア歴訪で数少ない具体的成果となったのは、フィリピンとの今後10年に及ぶ新軍事協定への署名だろう。
これにより、米軍はフィリピン軍の基地を使用できるようになる。
オバマ大統領は今回、昨年10月に米政府機関の閉鎖によって訪問中止を余儀なくされたマレーシアも訪れた。
米高官の1人はアジア歴訪の意義について、
「ここは実際に訪問して高い関心を示すことが大切な場所だ」
と語った。
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