2014年5月6日火曜日

中国経済改革:始動半年、「安全運転」で着実に前進、キャピタルフライト(資本逃避)は起こるのか?

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ロイター 2014年 05月 6日 11:10 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0DM00X20140506

焦点:中国経済改革は始動半年、「安全運転」で着実に前進

[5日 ロイター] -
 中国政府が抜本的な経済改革の方針を発表してから約半年。
 共産党指導部はここまで、預金金利の完全自由化などリスクを伴う多くの改革について、緩やかな前進を基本とした「安全運転」で進めている。

 ただ過去半年の取り組みを俯瞰(ふかん)すれば、加速は段階的ながらも改革の勢いを損なわないスピードは維持されており、
 投資を燃料に猛烈な勢いで世界第2位の経済大国にまで成長した中国を
 極めてスムーズにシフトダウンさせつつある。

 習近平政権が現在進めている改革は、1970─80年代にトウ小平氏が唱えた
 「底を確かめつつ川を渡る」経済実験の21世紀版と言える。
 当時と違うのは、
 現在の中国は多くの場所で一斉に川を渡ろうとしており、そこを流れる水もさらに深い
ということだろう。

 エコノミストらは、中国経済が国家主導型の工業中心型から、よりバランスの取れた市場主導型への転換に成功するには、抜本的改革の他に道はないと指摘する。

 しかし、金利の完全自由化や国有企業の解体といった改革は、短期的には大きな痛みを伴うものであり、実際の成果は長期的にしか見えてこない。
 今年の国内総生産(GDP)伸び率が24年ぶり低水準の7.3%にとどまるとみられる環境下では、そうした痛みを伴う改革は先送りされる公算も大きい。

中国政府系シンクタンクである中国国際経済交流センター(CCIEE)のシニアエコノミスト、Xu Hongcai氏は「われわれは比較的簡単なものから手を付け、難しい改革は後回しにしている」と語った。

 しかし、Xu氏らエコノミストは、経済改革のここまでの進展には満足しており、習国家主席と李克強首相が一貫して市場の役割強化を推し進めようとしている姿勢も評価している。
 北京大学国家発展研究院のLu Feng氏も「指導部は改革に専心しており、そこに疑問の余地はない」と話す。

 共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)で野心的な改革計画が承認された昨年11月以降、政府はほぼ毎週、環境や資源価格、資本の流れや金融規制など多岐にわたる分野で何らかの改革を打ち出している。

 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の中国担当首席エコノミスト、ルイス・クイジス氏は
 「過去4─5カ月では実際、重要分野での着実な前進が見て取れる」
と述べた。

■<着実な前進>

 最近の約2カ月だけを見ても、当局は、海外から中国株への投資および中国本土から香港株への投資について規制を緩和し、海外事業買収や国内での合併・買収(M&A)の承認条件も緩和した。

 一方で、預金金利の自由化に道を開くことが期待される預金保険制度の導入は遅れており、人民元の変動相場制への完全移行や資本勘定の自由化も数年先とみられている。

 しかし、これまでの取り組みだけでもすでに、よりバランスの取れた資本移動を促す効果は出ている。
 政府の許認可権をこれまでより小さくし、会社登記制度を簡素化することなどでも目に見える経済的効果が見込まれる。

 実際、3月1日に施行された改正会社法では、最低登録資本金が撤廃されたが、その後の1カ月間で設立された会社の数は、前年同期比46%増となった。

 ガスなどの価格統制の緩和や、鉄道輸送料金の自由化も、中国政府が改革を前進させている分野だ。

 また各省政府も、新たな試験的計画の採用や経済特別区の設置に向け、中央政府と同様の強い決意を見せている。
 こうした取り組みがどの程度の影響をもたらすかはまだ判断できないが、その目線がさらなる開放や競争、そしてスマートで環境に優しい技術に向いていることは確かだろう。

■<難しい判断>

 とはいえ、中国政府の前途には依然として、巨大国有企業の既得権はく奪や銀行業界の開放といった最も判断の難しい改革が待ち構えている。

 また、政府の優先課題である都市化推進には避けて通れない戸籍制度や土地所有権の改革も、ほとんど手つかずのままだ。

 エコノミストらは、国と省で歳入と歳出が入り組んでいる予算制度の透明化についても、実現はゆっくりとしか進まないとしている。

 共産党上層部は、
  改革の影響を受ける国有企業管理職や省政府当局者からの抵抗は、今後強くなる一方だと認めている。

 ただ、そうした点や景気の減速、債券市場で初のデフォルト(債務不履行)があったことを考慮しても、抜本的経済改革を始動してから半年の歩みを総合的に振り返れば、政府は道を踏み外してはいないと言える。

 RBSのクイジス氏は、過去2カ月間に政府が打ち出した景気浮揚策によって、改革が二の次になった印象があるかもしれないとした上で、
 「しかし改革面で積み重ねられた対策にも目を向ければ、改革プロセスが依然として進行中であることが分かる」
と語った。
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JB Press 2014.05.07(水)  柯 隆
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40582

引き金を引くのは外国人投資家、
中国の不動産バブルはいつ崩壊するのか?

 経済学の専門家でも中国経済の行方がますます分からなくなっているようだ。

 世界銀行のチーフエコノミストだった林毅夫北京大学教授(経済学)は2012年に
 「中国経済は向こう20年間、年平均8%の成長を続けることができる」
との楽観的な見通しを示した。
 林教授の論理は、中国は新興国としての比較優位を生かし経済成長を続けることができるという比較優位仮説だった。
 分かりやすく言えば、中国はこれまでの成長モデルをこのまま堅持すれば、これまでと同じような高成長を実現できるということである。

 しかし中国経済の内実を考察すれば、これまでの比較優位が失われ、逆に明らかな比較劣位に陥っていることが分かる。
 まず、経済成長と共に人件費が上昇している。
 また、人民元も切り上がっている。
 何よりも30年以上続いてきた一人っ子政策により、労働力の供給が需要に追い付かなくなりつつある。
 すなわち、中国経済は労働制約によって減速を余儀なくされている。

 中国国家統計局が発表した2014年第1四半期の実質GDP伸び率は、政府が掲げる7.5%の成長を下回り、7.4%だった。
 長い間、中国経済は10%ないしそれ以上の成長を続けてきた。
 政策当局は景気の下振れリスクよりも、速すぎる成長が失速することを心配していた。
 しかし、今の経済状況は明らかに変わってしまった。
 政府が何らかの景気対策を講じなければ、景気が大きく落ち込む恐れが出てきた。

■弱まる経済成長のエンジン

 世界貿易機関(WTO)の発表によれば、2013年、中国の輸出入の貿易総額は初めてアメリカを追い抜いたと言われている。
 中国は世界一の貿易大国になったということである。

 しかし、中国の税関によると、2014年3月、中国の対外輸出は前年同期を下回り、マイナス成長だったという。
 林毅夫教授の仮説では、中国経済は自らの比較優位を生かし輸出を増やせば、8%ないしそれ以上の成長を実現することができるということだった。
 しかし、中国の輸出の伸び率は明らかに鈍くなっている。

 否、鈍くなったのは輸出だけではない。
 経済成長率を計算するときに使われるのは「輸出-輸入」、すなわち純輸出である。中国の純輸出のGDP比は2007年の8.8%から2013年の2.8%に縮小した。
 このことは、中国の貿易総額の規模は拡大しているが外需の牽引力が次第に弱くなっていることを意味する。

 無論、中国のような大きな経済が外需に依存して成長するのはそもそも現実的ではない。
 中国経済を牽引するもう1つのエンジンは国内の投資である。
 中国の設備投資とインフラ投資などの固定資本形成のGDP比は50%近いレベルに達している。
 問題は、国内消費が十分に盛り上がっていないということにある。

 簡単な理屈だが、企業の設備投資が増えると国全体の生産能力が拡大する。
 だが、国内消費が十分に増えないため、その製品や商品を輸出に向ける必要がある。
 輸出はグローバル市場の景気動向に影響され、拡大する余力は限定的である。
 結果的に、中国国内で在庫が増え、主要産業の過剰設備問題が深刻になる。
 中国政府の発表によれば、鉄鋼、アルミ、セメント、板ガラスなどの素材産業は軒並み25%以上の過剰設備を抱えていると言われている。

■金融機関の資金調達と運用の危うさ

 過剰設備を抱える企業は往々にして多額の有利子負債を抱えている。
 マクロ的に見た場合、中国の与信総量を示す社会融資総額(2013年末残)のGDP比は200%を超えている。
 この統計から分かることは資金効率が悪化していることである。

 大量の資金が金融機関を通じて国有セクターに仲介されている。国有セクターは投資を拡大し、経済成長を牽引している。
 しかし、このような成長の陰で、金融機関のバランスシートに巨額の不良債権が生まれてくる。

 もう1つの問題は企業の資金調達にある。
 不動産開発のデベロッパーはシャドーバンキングシステムを通じて巨額の資金を調達し、地上げを行っている。
 これにより不動産バブルが生まれている。

 国際金融市場では、中国のシャドーバンク問題に注目が集まっている。
 マスコミで報道されているシャドーバンク問題とは、正規金融機関が販売する「理財商品」と呼ばれる投資信託のことである。
 国有銀行を中心とする正規金融機関は、預金以外にさらに多くの資金を集めるために、理財商品を販売している。
 理財商品は預金金利よりも高い利回りを約束することで人気を集めている。

 なぜ正規金融機関は理財商品で資金を集めるのだろうか。
 理財商品は預金ではないため、金利規制や預貸比率規制といった商業銀行法の金融規制を受けない。
 すなわち、金融機関にとって自由で使い勝手のよい資金を手に入れることができるというメリットがある。

 では、金融機関はその資金をどのように運用しているのだろうか。

 金融機関にとっての調達金利は高いため、その運用もより高い利回りを実現する必要がある。
 しかし、商業銀行などの金融機関は、融資はできても投資することは認められていない。
 そこでこれらの金融機関は、より高い収益性を実現できる事業に融資を行うようになる。その大半は都市再開発に伴う不動産投資プロジェクトや、銅やアルミなどの資源価格の高騰を見込んだコモディティ市場での運用である。

 都市再開発の主役は、地方政府が設立した国有の投資会社である。
 国有企業への融資には金融機関はほとんど躊躇しない。
 同時に、高成長に慣れている金融機関はコモディティ市場が軟調に推移することを想定していない。
 このような思惑こそ不動産バブルや資源バブルをもたらす背景である。

■キャピタルフライトが第2次アジア通貨危機を誘発する

 中国政府が不動産バブルの抑制に乗り出したのは習近平政権が誕生する前からだった。
 しかし、それは不動産バブルの崩壊を恐れていたというよりも、住宅価格の高騰に対する国民の不満を鎮めるため、という狙いが大きい。
 中国では賃貸市場は十分に発達していないため、若者が結婚するとたいていマイホームを購入する。
 都市部の住宅価格は一般家計の年収の20倍以上に達している。

 もちろんマイホームを購入する実需が不動産バブルをもたらすことはない。
 中国では、不動産バブルを引き起こしているのは投資と投機を目的とするファンドや富裕層の個人である。
 近年、巨額のホットマネーが中国に流れたのもこれと関連する。

 では、中国の不動産バブルはどのような形で破裂すると考えられるのだろうか。

★. 最も可能性が高いのは、外国の投資家がその引き金を引くことである。
 外国のファンドや個人投資家は中国で大量の不動産を保有しているが、最近、香港の投資会社が資金を引き揚げているとの情報が出ている。

 中国政府が不動産市場を買い支えしなければ、不動産価格が大きく下がる可能性が出てきた。
 そこで地方政府の投資会社は、土地の売却益や不動産投資の期待収益を実現できなければ、銀行から借り入れた資金を返済できなくなる恐れがある。

 共産党中央三中全会(2013年11月)で採決された改革を深化させる「決定」では、経済改革の一環として市場メカニズムが機能する環境づくりを強化することが明記されている。
 中国では、市場メカニズムの機能を妨げているのは国有セクターの存在と政府による市場への関与である。
 国有セクターの改革が遅れれば、これより先、心配されるのは外国人投資家が資金を引き揚げ、人民元の暴落をもたらすことである。
 すなわち、キャピタルフライト(資本逃避)が起きるということである。
 そうなれば、中国発の第2次アジア通貨危機が起きることになる。
 習近平政権には、改革を先送りする一刻の猶予も残っていない。

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柯 隆 Ka Ryu
富士通総研 経済研究所主席研究員。中国南京市生まれ。1986年南京金陵科技大学卒業。92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。長銀総合研究所を経て富士通総研経済研究所の主任研究員に。主な著書に『中国の不良債権問題』など。
』

『
レコードチャイナ 配信日時:2014年5月7日 5時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87626&type=0

「中国のGDPは世界一ではない」
突如中国が謙遜し始めた理由とは―米メディア


●5日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトは、在米華人ジャーナリスト、何清漣氏のコラム「統計捏造(ねつぞう)が引き起こした中国の“国際抗争”」を掲載した。資料写真。

 2014年5月5日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトは、在米華人ジャーナリスト、何清漣(ホー・チンリエン)氏のコラム
 「統計捏造(ねつぞう)が引き起こした中国の“国際抗争”」
を掲載した。

 先日、世界銀行の報告書「国際比較プログラム」が発表された。購買力平価(PPP)換算のGDPで中国が年内に米国を抜き世界一になるとの見通しが示された。
 世界的大国としての復興を目指す「中国の夢」が早くも達成されるわけだが、中国政府は決して喜んではいない。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、
 「中国が世界一のGDP」
の報告書を撤回させようと中国は抵抗を続けてきた。
 結局、関連する経済統計の開示を拒んだほか、報告書には
 「中国国家統計局は国家比較プログラム発表の結果を公式統計データとは認めない」
との注釈まで記載されることになった。
 中国の台頭が注目されることで、国際的な圧力が高まることを恐れたためだとみられている。

 「中国を恐れた欧米諸国はありもしない中国の衰退を吹聴している」
と主張してきた中国政府が、
 中国世界一の報告書を否定するために抵抗を続けるとは何とも不思議だ。
 そう何氏はからかっている。

 実態を把握することを仕事とする民主主義国家の統計と違い、
 中国では国家の繁栄をアピールすることが統計部門の任務となる。
 そのため公的な統計には都合のいいデータしか記載されず、都合の悪い情報は内部資料として扱われているという。
』

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2014.05.19(月)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40716

危機を警戒する中国が日本から学ぶべき教訓
投資家や政策立案者は日本がやったことではなく、言うことに倣え
(2014年5月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


●今の中国には、日本の過去の失敗から学ぶべきことがたくさんある〔AFPBB News〕

 官僚や銀行家、エコノミストが今、日本の失敗から学んだ方がいい国があるとすれば、それは中国だ。

 今回が初めてではない。
 10年前、筆者は1990年代の日本の銀行危機に関する本を書き、それが中国でベストセラーになった。
 当時は大いに驚いたものだ(特に、筆者は中国本土で誰にも版権を売らなかったからだ)。
 だが、今にして思えば、あの出来事は象徴的だった。

 中国が今、バブル崩壊寸前の1980年代の日本とよく似た、信用供与と不動産価格の爆発的な伸びを経験しているという事実はどうでもいい。
 1980年代の日本のように、中国は今、銀行中心で国家統制下にある金融システムを自由資本市場が主体の制度に変えようとしている。
 そして、経済が成熟するに従い、この転換は必要になるが、巨大なリスクを生み出すことにもなる。

 それゆえ、一部の中国政府高官が静かに日本の失敗から何を学べるか自問していることは当然だし、さらに、外交関係の冷え込みにもかかわらず、日中両国の中央銀行が内々に規制緩和と不良債権について議論していることも理にかなっている。

■中国の投資家と政策立案者が学ぶべき「6つのD」

 では、中国の投資家と政策立案者はどんな教訓を学ぶべきなのか?
 少なくとも半ダースの教訓がある。
 何なら、これを「6つのD」と呼ぶといい。

1].まず、「減速(deceleration)」は害を及ぼし得る。
 日本経済が急成長していた1980年代当時、銀行融資はうまくいっていた。だが、1990年代に経済が減速すると、不良債権が急増した。
 それは分かりきったことに思えるかもしれないが、日本の銀行と官僚は不意を突かれた。
 中国の成長率が7%を割り込もうとしていることを考えると、中国の当局者は注意した方がいい。

2].「デフレ(deflation)」は極めて有害で、特に銀行にとっては命取りだ。
 物価が下落する時、債務負担が大きくなる。
 通常は不良債権も増加する。ここでも問題は明白だが、日本の銀行はデフレに対しても準備ができていなかった。

 もし中国がデフレに陥るようなことがあれば、警鐘が打ち鳴らされるはずだ。
 中国の消費者物価は上昇しているが、生産者物価は26カ月連続で下落している。

3].「否認(denial)」は悪影響をもたらす。
 日本の銀行は不良債権を隠すことで悪名高かった(邦銀は1992年に不良債権はたった8兆円だと述べていたが、2000年になると、これを100兆円に修正した)。
 この事実の否認は危機を遅らせたが、やがて訪れるショックをずっと大きいものにした。

 中国の銀行が既に帳簿をよく見せるために財務上の操作を行っていることを考えると特に、中国は注意を払うべきだ(ほんの一例を挙げるだけでも、一部の銀行が不良債権を隠すために「信託受益権商品」といった不透明な仕組みを利用している様子を見るといい)。

 実際、報告されている不良債権の数字はどうしようもないほど楽観的すぎるように見える(公式には、中国の銀行の不良債権は資産の1%程度だが、オックスフォード・エコノミクスのような独立系の観測筋は10~20%だと話している)。

4].「ドミノ(domino)」は倒れることがある。
 投資家は1990年代半ばまで、日本の金融機関は政府、そして緊密に結び付いた複合企業の「系列」を通じて企業パートナーから黙示的に保証されていると考えていた。
 このため、小さな金融機関が数社破綻すると、投資家は何を信じていいのか分からなくなり、システム全体への信頼を失った。

 中国はこの事実に留意すべきだ。
 中国のシステムも、定義が曖昧で黙示的な保証――銀行と影の銀行の双方に対する保証――に依存しているからだ。
 例えば、信託銀行がいくつか破綻したら、伝染性のパニックが生じる可能性もある。

5].「預金保険(deposit insurance)」は重要だ。
 日銀関係者が最近指摘したように、日本の当局者は1990年代に、預金保険なしでパニックを封じるのは難しいということを学んだ。
 中国はこれを理解していると主張しており、最近、独自の預金保険制度を導入する計画を発表した。

 だが、制度はまだ実施されておらず、中国政府は過去10年間で何度か預金保険制度の導入について口にしたことがある。

6].「意思決定(decision-making)」も重要だ。
 日本の金融システムを悩ました問題の1つは、政治経済が権力の空白を生んだことだった。
 資本市場は意味のある銀行監視を実施するだけの力を持たなかったが、国家官僚はもはや、素早い決定を強要することができなかった。

 投資家は今の中国で誰が実際に決断を下しているのかを慎重に見極め、不人気な対策を講じる力が彼らにあるかどうか問う必要がある。指導者たちは一枚岩ではない。

7]..「7つ目のD」もあるが・・・
 もちろん、やはりとてつもなく重要で、最初の6点を相殺する可能性さえある7つ目のDがある。
 それは「dollar(ドル)」、つまり、中国が保有する莫大なドル準備(および他の現金の山)である。

 結局のところ、日本の過去から得られるもう1つの教訓は、
★.十分なお金という武器が国にあれば、
 バブルが崩壊した場合、
 銀行の資本を増強し、経済的ショックを和らげることができる
ということだ。
 中国は1999年に小さな銀行危機が起きた際に、既に1度これをやった。
 今のバブルが弾けたら、再びそうするかもしれない。

 「中国人の方が(2007年当時の)米国人よりも(日本からの教訓に)耳を貸す気があるようだ」。
 日本のある政策立案者はこう語る。
 「それはいいことかもしれない」

■信用バブルが膨らむほど後始末が困難に

 だが、
 悲しい事実は、中国の信用バブルが大きく膨らむほど、その後始末をするのが難しくなる
ということだ。
 データが成長減速を指し示していることを考えると、なおのことだ。

 とにかく、中国人が金融の歴史書から正しい教訓を学び続けることを祈った方がいい。
 さもなければ、日本の当局者は近く「だから言っただろう」という言葉を翻訳しなければならないかもしれない。

By Gillian Tett
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【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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2014年5月4日日曜日

「日中対立を超える『発信力』―中国報道最前線 総局長・特派員たちの声」、実態はどうなのか?

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レコードチャイナ 配信日時:2014年5月4日 7時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87538&type=0

<書評>「日中対立を超える『発信力』
―中国報道最前線 総局長・特派員たちの声」―段躍中・編


●本書は中国報道の最前線で取材し報道する日本のメディア特派員の率直な告白集。すべて実名による執筆だ。自省し悩みながら中国の真実を追求している記者たちの真摯な姿勢が浮かび上がる。

 日本と中国の関係は1972年の国交正常化以来最大の危機的状態にあり、日本国民の「嫌中感情」が高まっている。
 反日デモ、共産党独裁、深刻な公害、経済崩壊論、格差・腐敗などが大げさに報じられる。
 断片的に切り取られたニュース記事や映像が派手に伝えられ日本国民の嫌中感情を煽っているのではないか、ことさら日本国民に「中国脅威論」を植え付けているのでないか、との声もある。

 本書は中国報道の最前線で取材し報道する日本のメディア特派員の率直な告白集。
 すべて実名による執筆だ。
 自省し悩みながら中国の真実を追求している記者たちの真摯な姿勢が浮かび上がる。

●.「反日デモや大気汚染など注目されるテーマでは衝撃的な場面や深刻な内容について詳しく報じている。
 だが、ストレートなニュースにならない等身大の中国、そして中国人の姿を伝える機会は非常に限られている」(大手新聞社元特派員)。
●. 「尖閣諸島の問題について、日本メディアは『歴史的にも国際法的にも日本固有の領土で領有権問題は存在しない』との日本政府の立場に立っている。
 しかし日本政府の対応が硬直化した時、メディアが政府の立場に立つだけでは、解決の糸口は見えてこない。

 政府の立場に立つだけでは、解決の糸口は見えてこない。
 政府の立場に縛られない多様な歴史的、戦略的視野を提供することにより解決の選択肢も広がる。もちろんそれは、中国側も同様である」(通信社元特派員)」

ある全国紙記者は「中国崩壊論」がこの10年余り日本のメディアに浮上しては消えている現実を紹介した上でこう著述する。
●.「こうした中国崩壊論はどうしてたびたび浮上してくるのか。
 自分ではよく分からないが、恐らく『中国が崩壊したら嬉しい』という日本国民のニーズがあるからではないか、と最近では思っている。
 そんな記事や本を読みたいという欲求が日本人の潜在意識の中にあるのかもしれない」。

◆中国経済「好調」は短く「不調」は長く書け!

 こうした日本の読者・視聴者の「ニーズ」を受けて、最前線の経済記者は本書の中で、東京のデスクの「中国経済好調の記事は短く、不調の記事は長く書け」との要求に悩まされると明かす。
 その結果として、紙面を飾る中国関連記事のほとんどは「中国経済不調」のトーンになりがちという。
 確かにGDP7%台の伸びを「中国7%台に減速、外需低迷響く」「力強さ欠く」といった見出しが躍る。
 ちなみに日本は1%前後に低迷しているにもかかわらず、である。
 昨年春には「シャドーバンキング(影の銀行)崩壊」を理由とした「7月危機説」日本の各紙に大見出しが繰り返し躍ったが、結局杞憂に終わった。

 こうした中でも、
●.「矛盾だらけの中国という国家と、文化や知恵に富み義理人情に厚い中国人とを混同しない」(新聞社特派員)、
●.「善悪二元論的報道を避け、領土問題も政府の立場に縛られない多様な視野を提供する」(通信社特派員)、
●.「インタビューで中国人の率直な意見を紹介する」(新聞社特派員)
など、公正・客観報道に向け懸命に努力している姿も浮かび上がる。

 ここに登場する記者たちは中国報道のプロだけに、どの論考も示唆に富み参考になるが、第3章にある「中国に傾斜するアメリカ」(通信社現ニューヨーク総局長、元中国総局長)は特筆に値する。
●.「米中はつくづく似ていると思う。(中略)自己主張が強く、それを押し通そうとする。
 通らなければ別の方法を考える。
 一度や二度失敗しても失敗しても決してめげない。
 こうした中国人の行動パターンはアメリカ人にはとても理解しやすいかもしれない」
との分析は、米中事情に精通したベテラン記者ならではの卓見だ。

 さらに同論考は
 「中国は世界最大のスーパーパワーとしてアメリカにとって代わるか」
との質問に対する米世論調査結果を紹介。
 それによると、日本人の回答は
★.「そうはならない」が72%。
★.ところがアメリカでは「取って代わった」「取って代わる」が47%と約過半数
に達した。
 「アメリカは中国の超大国化をいずれ避けられない現実として、既に受け入れているのだ。
 日本はそうではない」
というわけである。
 「日米が結束して中国に対抗する」
という構図は揺るぎないという思い込みが、日本で強いように感じられる」と断じ、
 「アメリカは日中関係における巨大なファクター。
 その動向は日中の将来に決定的作用を及ぼすだろう。
 国益を守るため中国といかにうまくやっていくか。
 アメリカの徹底した現実主義は参考になると思われる」
と指摘している。

◆「見たくない現実」にどう向き合うか

 折から、世界銀行国際比較プログラムが5月初め、最新の購買力平価換算(モノやサービスのコストで換算する、実態に近い数値)GDP(国内総生産)で、中国が今年、米国を抜いて世界最大の経済大国になる見通しを示した。
 多くのエコノミストは中国が米国を抜くのは2019年になるとみていたが、大幅に前倒しとなった。
 欧米では「中国の経済規模、米国を上回る」と大々的に報じられているが日本メディアではほとんど触れられていない。
 日本の読者にとって、「見たくない現実」「不都合な真実」でも正確に伝えることが必要だろう。

 本書を読み進むうちに、中国報道に携わる記者たちの、熱い思いがひしひしと伝わってきた。
 国内に難題を多く抱える中国政府も、うっ積する民衆の不満をメディアによる「反日」報道を利用して抑え込んでいるとの見方も多い。
 多くの中国メディア関係者の本音も聞いてみたいものだ。

(評・八牧浩行)
<日本僑報社刊、税抜1350円>
』

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ウォールストリートジャーナル    2014年 5月 07日 12:38 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304555804579546792202936078.html?mod=WSJJP_hpp_MIDDLE_Video_First

中国の不動産バブルは既に破裂=野村リポート


●吉林省(黒)と黒竜江省(赤)の第1四半期の不動産投資額の推移

野村証券はこのほど、中国の不動産バブルが既に破裂し始めているとの調査リポートを発表した。
 これによると、住宅の供給過剰と不動産業者向け融資資金の不足が相まって、住宅市場の崩れを引き起こし、中国の国内総生産(GDP)の伸びが6%を下回ることもあり得るという。

 野村の3人のアナリストは、既に不動産市場の下方修正は
 「もし起きたら」ではなく「どれだけ厳しくなるか」
の問題になっているとした。
 そして政府がこの問題を回避する手立てはあまりないと指摘、
 アナリストの1人、ツィウェイ・ツァング氏は
 「(この問題に)世界共通に対処できる正しい政策はない」
とした。

★.野村は中国について、世界の大手機関投資家の中でも最も弱気の見方をしており、
 これまでも大胆な予測をしてきた。
 たとえば4月初めには、中国の第1四半期の経常収支が赤字になると予想した。
 最近発表された実際の数字は、黒字を保っていたもののここ3年の四半期ベースで最も小さい70億ドル(約7100億円)にとどまった。

 こうした経緯もあり、野村の今回の不動産バブルに関する見立てが正しいのか、それとも空騒ぎに終わるのかはまだ分からない。

 野村の見方の根拠は、中国の26省のうち4省で第1四半期の不動産投資がマイナスに転じ、その4省のうち黒竜江省と吉林省ではマイナス幅が25%を超えている、というところにある。
 野村にとっては、これが他の省にも同様の問題が発生する警告と映っているわけだ。

 不動産投資の落ち込みは、建設と販売の落ち込みにつながる。
 そして不動産市場の中国経済に占める巨大な役割を考えれば、不動産市場の減速は中国のGDP成長率の減速を意味する。

★.ただ、野村が控えめに見立てている側面が1つある。
 不動産と、鉄鋼やセメントなどの関連産業の中国GDPに占める比率を16%としている点だ、他のエコノミストはその比率を25%程度と試算している。

★.この野村リポートの発表後間もなく、スイス大手銀行のUBSが中国不動産市場のリポートを発表したが、弱気にみているものの、野村ほどではなかった。
 「中国政府は不動産市場の下落に対しまだその軽減策や対処する意思も持っている」
とUBSレポートは分析した。
 その対策は社会インフラ投資や不動産市場の規制緩和などを含んでいるが、それでも不動産市場に対する懸念を反映させて、 GDP成長率予測を
★.2014年について7.5%から7.3%へ、
★.2015年は7%から6.8%
へそれぞれ下方修正した。

 実際、不動産市場に関して今年発表された指標は芳しくない。

 中国の不動産についての民間データ会社のチャイナ・リアル・エステート・インデックス・システムは、同社が調査を続けている44都市で売上物件数ベースでは4月に前月比9%減となった、と発表した。
 一方、4月の住宅の平均価格は前月比0.1%、前年同月比9.1%それぞれ上昇したとしている。
 この伸び幅は、住宅市場が前回の下降局面から上昇に転じた12年半ば以降で最低となった。
 ただ、この統計は10年から取り始めたもので歴史が浅い。
』

『
ロイター 2014年 04月 30日 11:13 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0DG04T20140430

中国の富裕都市に忍び寄る「デフォルト連鎖」

[上海 28日 ロイター] - 中国・上海から南に約175キロに位置する浙江省杭州市。
 主要工業地帯の長江デルタにあり、経済の成長エンジンの役割を担ってきた。
 しかし今では、同国の不良債権の3分の1の発生源にもなっている。

 中国メディアの報道によれば、杭州市の鉄鋼および繊維メーカーの間では、一部会社の債務不履行によって健全な企業にしわ寄せが及びつつあり、信用危機が起きつつあるという。

 中国政府は、杭州市の萧山区を同国で7番目に裕福な地区と位置付けているが、繁栄の原動力の1つだった中小企業は、今や同市の足かせとなっている。
 企業の借り入れを容易にするための相互の融資保証ネットワークが、新たなデフォルト(債務不履行)危機を引き起こしつつある。

 中国紡織工業協会のロバート・ヤン氏は
 「繊維業界は銀行にとって大きな借り手ではない。
 相互保証が悪化し、繊維メーカーが引きずり込まれているというのが現状だ」
と語る。

 中国企業の債務拡大は世界的な金融危機発生後から懸念されていたが、
 当局が市場の役割を拡大させる方向に舵を切ったことで、
 今年に入ってから一層問題視されるようになった。
 
 中国では、民間企業が国有銀行からの融資に苦労することは珍しくない。
 こうした傾向は、経済減速や信用状況の悪化、当局による過剰設備解消への取り組みによって一段と強まっている。

 萧山区の鉄鋼・繊維メーカーは長江デルタの他の民間企業と同様、こうしたハードルを乗り越えるため、銀行から融資を受けるために相互に債務保証を行ってきた。

 こうした相互保証により、一部企業の債務不履行が黒字企業をも巻き込む連鎖反応につながる恐れがある。

 浙江省の銀行業監督管理委員会は今年2月、同省の経済構造調整は危機的な段階にあり、相互保証によって引き起こされるリスクはかなり大きいと警告した。

■<相互保証>

 第一財経日報は、非上場のポリエステル糸メーカーのHangzhou Jianjie Chemical Fiberが最近、同社が債務保証した別の繊維メーカーがデフォルトしたことで破産を余儀なくされたと伝えた。

 報道によると、Jianjieの破綻は別の繊維メーカー5社に影響を及ぼし、合計で30億元(約490億円)の融資が危機にさらされているという。

 萧山区の銀行と企業の仲介役を務める団体のディレクター、Zhu Rujiang氏は同紙に対し、Jianjieが破綻した後、相互保証をしていた企業はさらに債務を引き受けざるを得なくなったと指摘。
 「まだ債務に対処でき、会社の存続に影響はないだろうが、銀行が融資を引き上げないことが主な前提条件だ」
と述べた。

 Zhu氏はロイターの電話取材に対し、コメントを差し控えた。

 また同紙は、鉄鋼メーカーのHangzhou Zhongxin Steel Structure Manufactureが廃業し、12億元の銀行融資を他の4社が背負う可能性があると伝えている。
 Zhongxinのウェブサイトはすでにアクセス不能になっている。

 浙江省のもう1つの富裕都市である温州で中小企業連合の副会長を務めるZhou Dewen氏は、
 「相互保証がもたらす危機は非常に深刻。
 良い解決策が見当たらない」
と語った。

(Gabriel Wildau記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)
』



【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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2014年5月3日土曜日

中国、「宗教関連」で思想引き締めか:官僚の<迷信問題>

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『
サーチナニュース 2014-04-30 13:15
http://news.searchina.net/id/1531246

四川省元高官を事件容疑で取り調べ
・・・異例の理由「迷信活動」も=中国

 中国共産党中央紀律委員会と中国政府・監察部は29日、共産党四川省委員会の副書記だった李春城氏について「事件の容疑者」としての取り調べを始めたことを明らかにした。
 容疑として、「職務上の立場を利用して他人のために便宜を図り、巨額の賄賂を受け取った」などの他に、「職権を乱用して封建的迷信活動を行った」を挙げた。
 不正行為による官僚の摘発時に「迷信」が加えられるのは珍しい。

  李氏は不正の疑いで、2012年12月に解任された。
 「北京空港で身柄を拘束された」、「四川省成都市の自宅で身柄を拘束された」などの言い方があるが、明らかでない。
  李氏が公の場から姿を消して1年以上が経過した。
 共産党中央紀律委員会と政府・監察部は4月29日付で改めて、「厳重な党紀違反、違法行為があり、党籍を剥奪し、公職から追放した」と発表した。

  発表は、これまでの調べで判明したこととして
 「職務上の立場を利用して他人のために便宜を図り、巨額の賄賂を受け取った」、
 「その妻、娘も他人からの巨額の財物を受け取った」、
 「弟の経営活動のために利益を図った」、
 「職権を乱用して封建的迷信活動を行い、国家財政に巨額の損失をもたらした」、
 「腐敗堕落した」
を挙げた。

  本人の賄賂受け取りや家族や親族のために不正に利益を誘導することは、これまでの例でも多い。
 「腐敗堕落」は異性関係の乱脈をあらわす場合が多い。
   同件で異例なのは、処分・処罰・司法処理の理由として「迷信活動」が挙げられていることだ。
 「迷信活動」の詳細は発表されていないが、李氏については失脚前、
 「事務室にある僧侶が頻繁に出入りしていた」、
 「風水師の道場建設のために多額の支出をした」
などの噂がある。 
 中国では宗教も国家の統制下にある。
 「社会に悪影響がない」と認められた宗教活動は認められる。
 新興宗教の活動は認められていない。
 国外にある宗教団体が、中国共産党・政府と極めて親密な関係にあっても、中国側が新興宗教とみなした場合には中国国内における活動を認めていない。
  共産党員は、宗教を信じることが認められていない。
 しかし最近では、共産党員が宗教を信じるケースが多く、中国共産党は問題視している。
 一方で、共産党の幹部養成機関である「党校」で、“儒教”の経典である易経などの講座が設けられて人気を集めるなどの現象もある。
』

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サーチナニュース 2014-05-02 14:00
http://news.searchina.net/id/1531437

中国「宗教関連」で思想引き締めか
・・・官僚の<迷信問題>で記事連続

 中国国営の新華社など、中国の複数の有力メディアが4月末から5月1日にかけて、「官僚と迷信」の問題を解説する記事を発表した。
 4月29日には、共産党四川省委員会の副書記だった李春城容疑者について、これまでに判明した犯罪行為に「封建的迷信活動」があることが明らかにされた。
 官僚や共産党関係者の不正行為として「迷信」が挙げられることは異例であり、習近平政権が進めている綱紀粛正の一環として、「宗教問題に関係する思想引き締め」が本格化する可能性がある。

 中国中央人民広播電台(中国中央人民ラジオ局)は4月29日付で、西省永済市の鸛雀楼(鸛鵲楼とも表記)の前で焼香する男性と娘を紹介。
 鶴雀楼は唐代の詩人、王之渙の「登鸛雀楼(鸛雀楼に登る。
 日本では「登鸛鵲楼」と書かれる場合が多い)」で有名で、同詩に「更上一層楼(さらに登る、一層の楼)」とあることから、出世を願う官僚の祈りの対象になることが多いと紹介。
  同記事は、鸛雀楼に祈りをささげる行為を
 「牽強付会。実に滑稽」、
 「そのような人は、『さらに登る、一層の楼』ということにならないだけでなく、おそらく『白日依山尽(白日、山によりて尽きる)』ということになるだけだろう」
と批判した。
 「白日依山尽」も同じ詩の一部で、「太陽が沈んでいく」の意だ。
  広州日報は1日付で、権力者が迷信を信じるのは、財産や地位など、自分の力だけでは獲得したり維持できないものをどうしても失いたくないからであり「とりわけ違法・不正に獲得した利益については、厳しい反腐敗政策が続いている現状が精神面での重圧になり、露見せずにすむかどうかは極めて微妙で不確実」であるからこそ、迷信に頼ると主張した。

  新華社も同日付で同様の趣旨の記事を配信。
 これまでにあった汚職事件の例を挙げ、容疑者が仏教や道教、風水などを信じていた場合が多いと強調した。
  同記事は西南法政大学の高一飛教授の話として
 「官僚がマルクス・レーニン主義ではなく迷信を信じる主な原因は、マルクス・レーニン主義は高尚で壮大で上級であるため、迷信の方が官僚の現実的な焦燥感を緩和する」
と指摘。
 特に権力乱用をしていたり汚職を支配している官僚は、“神秘主義”によって自らを安心させ満足感を得ようとするとした。
  中国共産党は、一般人の信仰については「社会に悪影響を与えなければ容認」との立場だが、共産党員には「マルクス・レーニン主義と解決不能な矛盾がある」として認めていない。
   実際には公務に影響のない「常識的な範囲」で自らの信仰を維持する、あるいは宗教に敬意を示す共産党員も多いが、汚職絡みで起訴が決まった容疑者の“罪状”に「迷信で国家に損失」が加えられ、同時期に有力メディアが相次いで「官僚が迷信を信じることの弊害」を主張する記事を発表していることから、
 中国では習近平政権が進めている綱紀粛正の一環として、「宗教問題に関係する思想引き締め」が本格化する可能性がある。
』


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サーチナニュース 2014-05-07 12:41
http://news.searchina.net/id/1531630

中国宗教学会会長「極端な宗教思想には市場を与えない」=人民日報

 中国共産党機関紙の人民日報は7日付で「極端な宗教思想にいかなる市場も与えない」と題する中国宗教学会の卓新平会長の署名文章を掲載した。
 卓会長は、
 「最近、テロ犯罪事件が連続している」、
 「テロリストの背後には往々にして、極端な宗教思想の幽霊がただよっている。
 その危害と欺瞞(ぎまん)について大いに注意せねばならない」
と主張し、
 「共産党による信仰の自由の政策を貫徹」、
 「宗教活動に国家の法律と法規、政策方針を順守させること」
を求めた。

  卓会長は
 「キリスト教は“博愛”を唱え、イスラム教は“平和”を強調、仏教は“悟り”を追求する」
として、
 「宗教とは本来、人々による崇高で超越な精神を追求すること」
と主張。
 ただし
 「複雑な環境のもとで、“三股勢力(ウイグル民族などによる独立運動を指す)”は容易に、純正な信仰を歪曲し、宗教思想を誤って利用するというわざわいをもたらす」
と論じた。
 テロリストについては
 「みずからの極端な行為を“聖戦”とみなす」
と指摘した上で、
 「実際には彼は生命を汚し、教徒らが理解し守る宗教の本意を冒涜(ぼうとく)する罪をおかしている」
と批判。
 卓会長はイスラム教の聖典であるコーランの内容にも触れ、
 「聖戦の原語であるジハッドの本義は『奮闘』との解釈がある」、
 「(ジハッドとは)本来、闘努力する、艱難辛苦を恐れないこと」
と主張し、イスラム教は本来、
 「平和と従順を強調するもの」
と論じ、
 「“聖戦”の名でテロリズムを実施すること自体が、イスラム教の教えに違反する行為であり、信仰に反する」
と強調した。

  「真の宗教」の特徴として
 「勧善懲悪、仁慈と寛恕、調和と融和、徳を積み愛を示すことを尊重する」
と指摘し、
 「宗教を利用して民族分裂主義を粉飾し、これに加担し、反社会、反人類的なテロ行為を行うことは、宗教の基本的な道徳概念と社会倫理を傷つけ、破壊する」
と主張した。
 卓会長は「極端な宗教思想を取り除くための有効な方法」として、
  「われわれが、共産党の宗教の自由の政策を全面的に貫徹し、実現させねばならない」、
 「国家の憲法の宗教と信仰に対する自由の保障を順守せねばならない」
とした上で、
 「宗教が社会主義社会に適合するよう、積極的に導かねばならない」、
 「宗教活動には国家の法律、法規、政策方針を順守させねばならない」
と主張。  
 さらに、宗教関係者に対しての働きかけとして
 「宗教の中にある積極的な要素の発掘に対する努力、教義が社会の進歩と要求に合致するよう解釈すること、宗教の教義の中の善の奨励と悪の抑制、平等と寛容、貧困者の救済など、社会道徳の要求と寄り添いあう積極的な内容を発揚することなどを奨励すべきだ」
と主張した。
 **********

 ◆解説◆ 
 上記文章の執筆者とされる卓新平氏は1955年生まれ。中国社会科学院世界宗教研究所所长、中国宗教学会会長などを兼任している。
 専門は基督教(キリスト教)と宗教哲学。
 なお、中国で「基督教」と言う場合には、いわゆるプロテスタント諸派を指す場合が多い。
 カトリックは天主教と呼ばれるのが一般的だ。
   卓氏の経歴によると、1981年に中国共産党に入党している。
 共産党員は宗教を信じることが禁じられているので、卓氏もキリスト教信者ではなく、「学問の対象」としての研究を続けていると考えてよい。
 **********

 中国では、特定の考え方などについての「受け入れられる範囲」のことも「市場」と呼ぶすることが多い。
 1990年代ごろから多く用いられるようになった比喩的表現だ。
 ただし、市場がその本質として備えていなければならない、「公平性」や「ルール重視」などについては、さほど考慮されずに使われる場合が多い。
』




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】



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「中国人のクズ」あるいは「解放軍のチンドンヤ」と言われている羅援少将が吠える

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サーチナニュース 2014-05-01 10:45
http://news.searchina.net/id/1531323

タカ派将軍、またも豪語
「日米安保恐くない。オバマよ、その手は食わぬぞ」
・・・「TVで放送されます。見てくださいね」と追記

 中国人民解放軍の「タカ派将軍」として知られる羅援少将が、日本や米国に対して“挑戦的”な発言を続けている。
 4月28日にはテレビの取材に対して、日米安保条約など恐れるに足りないとして、オバマ大統領などに対して「中国はその手を食わぬぞ」などと論じた。
 羅少将は番組放送に先立ち、簡易ブログ「の微博(中国版ツイッター)」に番組における発言の“さわり”と放送時間を紹介し、視聴を呼びかけた。

 羅少将は、米国とフィリピンが軍事協力を強化し、訪日したオバマ大統領が尖閣諸島について「日米安全保障条約の対象」と発言したことについて
 「中国がいつ、他国に脅かされて阻止されたことがある? 
 新中国が成立したばかりで、国内が全く整っていなかった状況であるにも関わらず、17カ国連合軍(解説参照)に対抗したのだ」。
  「われわれはまったく恐れていない。
 今あるのは、たったひとつの日米安保条約だ。
 オバマは日米安保条約を土産にして、中国を脅せると思っていたのか。
 中国人は、その手は食わぬぞ」
などと述べた。

 羅少将は番組放送に先立ち、簡易ブログ「の微博(中国版ツイッター)」に番組における発言の“さわり”を紹介し
 「フェニックステレビの情報チャンネルにご注意ください。
 3時、7時、9時のゴールデンタイムすべてで(私の発言が)繰り返し放送されます」
と予告した。
 羅少将は日本などに対する「超強気発言」などで、一部の中国人に人気を博している。
 自国の強みと相手国の弱点だけを強調する意見が庶民をあおる状況は、戦前の日本を彷彿させる面がある。
 羅少将は軍内における「文体人員」のひとりだ。
 「文体人員」の担当は娯楽や文芸、宣伝などで、「軍事の本流」とは言えない立場だ。
 中国にかぎらず、娯楽や文芸などを担当する軍人はその他の部門の軍人に軽んじられることのないよう、階級を高めに設定する場合があるとされる。
  羅少将の「過激発言」は、軍組織の承認を得たものと考えてよいが、「軍の本音」とは限らない。
 「大衆の人気を維持する」ために、軍が“問題発言”をあえて容認している可能性もある。
  中国では軍が極めて大きな権威と政治的発言力を持っているが、現在の「地位」を維持し、さらに向上させるには、やはり大衆の支持が大きな力となるからだ。

  羅少将は「宣伝」に熱心に取り組んでいるが、「失態」をみせたこともある。
 羅少将の微博に
 「羅援少将は軍人であり、学者だ。
 北朝鮮核問題への見解は素晴らしい。
 彼の提案は情に合い理にかなっている。
 テレビでの軍事評論も、もっとも視聴者に歓迎されている」
と大絶賛した書き込みに付記されている投稿者のアカウントも羅少将自身のもので、非難と嘲笑が殺到したことがある。
**********

 ◆解説◆
  羅少将が述べた「17カ国連合軍に対抗」とは1950年に始まった朝鮮戦争を指すと考えてよい。
 同戦争では北朝鮮の攻撃に韓国軍が総崩れとなったため、米国は国連を動かし、国連軍としての「侵略阻止」を決定。国連軍には17カ国が参加したが、主力は米軍だった。
   北朝鮮軍が総崩れになると、中国が参戦。
 ただし、正規の軍ではなく「中国人民志願軍」という、「友邦を救うための、人民によるボランティア軍」の形式とした。
 羅少将が「朝鮮戦争」の名を口にしなかったのは、「中国軍として参戦したのではない」との形式面に配慮したと考えられる。
  中国が「中国人民志願軍」という異例の形式を採用したのは、米軍などの中国侵攻が中国にとって「この上ない恐怖」であり、「国として参戦したのではない」との口実を整えるためだった。
』

『
サーチナニュース 2014-05-02 21:27
http://news.searchina.net/id/1531460

タカ派将軍が発言
「中国が求めていたら米国は沖縄を手放すことになった。避けるためにあわてて日本に渡した」

 中国のニュースサイト「参考消息網」は2日付で、中国人民解放軍の「タカ派将軍」として知られる羅援少将が中国の海洋戦略について答えたインタビュー記事を掲載した。
 同記事中、羅少将は1972年の沖縄返還について、
 「米中関係は緩和しはじめ、国交樹立の可能性が出ていた。
 国交樹立後に中国が琉球諸島に対する主権を要求したら、米国は沖縄の軍事基地を失うことになった」、
 「だから、大あわてで日本に渡した」
と述べた。

  羅少将は中国と周辺国家の主権についての争いについて、
 「米国はいつも、一方をえこひいきする」
と主張。
 尖閣諸島の問題についても「米国が一手にもたらした」と主張した。
 尖閣諸島については歴史的に中国のものであり、ポツダム宣言により日本は台湾などとともに尖閣諸島を中国に返還せねばならなかったと、中国の公式見解を述べた上で、沖縄返還については米国が
 「米中関係は緩和しはじめ、国交樹立の可能性が出ていた。
 国交樹立後に中国が琉球諸島に対する主権を要求したら、米国は沖縄の軍事基地を失うことになる」
ことを考慮したと主張。  
 そのため、米国は「大あわてで日本に渡した」と述べた。
 羅少将は
 「もしも、1951年のサンフランシスコ条約がなく、もしも1953年に米国が琉球諸島の統治を始めた際に釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)を琉球諸島に組み入れず、もしも米国が1971年に釣魚島も琉球諸島と一緒に日本に渡さなければ、現在の釣魚島の問題は存在しない」
と論じ、釣魚島の問題は「そもそも米国が作り出したものだ」と主張した。

  沖縄についても「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」が日本の主権が及ぶ範囲とさだめた「四国、九州、本州、北海道と、戦勝国がさだめるいくつかの小さな島」には含まれないと主張。
 「ましてや釣魚島、南千島諸島、韓国の言う独島は、日本の主権の及ぶ範囲に含まれない」
との考えを示した。
  羅少将は日本がロシアと北方領土の問題、韓国と竹島の問題を抱えていると指摘。
 日本が領土を失ったのは
 「第二次世界大戦の敗戦国がしはらわねばならない、歴史の代償」
と指摘し、
 「中国はロシア、韓国、場合によっては米国と第二次世界大戦の勝利の果実を維持するための統一戦線を結成せねばならない」
と主張。
 日本については
 「現在、歴史の古い案件を覆したいと考えている」、
 「敗戦国として金縛りにされている状態から脱却したいとしている」
として、日本に対して強く対処するべきとの考えを示した。
**********

  ◆解説◆ 
 1951年に署名、52年に発効したサンフランシスコ講和条約で日本は独立を回復したが、同条約により沖縄は米国の施政権下に置かれるとされた(日本領であるが米国が統治を続ける)。
 羅少将が米国の沖縄統治にかんして、なぜ「1953年」を区切りの年としたかは不明。
 なお、中国共産党機関紙の人民日報は同年1月8日付の記事「琉球諸島人民による反米闘争」で、琉球諸島について「尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、トカラ諸島、大隈諸島など7つの島嶼からなっており」と説明している。
  また、カイロ宣言は連合国側について
 「日本の侵略を制止し、罰するために今回の戦争を実施している」
とはしているが
 「連合国は自国のために何らの利益を要求するものではない」、
 「領土拡張の考えもまったく有していない」
との内容を盛り込んでいる。
 ソ連、さらにロシアが北方領土を「戦争の結果として自国領になった」と説明しているのは羅援少将がよりどころとするカイロ宣言と矛盾することになるが、羅少将は、その点には触れていない。
  また、韓国は第二次世界大戦の当時、日本に併合されていた。
 1910年代末には中国内で独立を目指す「大韓民国臨時政府」が結成され、同「政府」は1940年9月に12人からなる韓国光復軍を創設したが、日本軍と正式に交戦することはなかった。
   日本による統治システムに乗らないと世に頭角をあらわすことができないという事情はあったが、当時は多くの朝鮮人が日本軍に入隊した。
 朝鮮人兵士については志願制であり、戦争末期には徴兵検査も行われたが訓練中に終戦を迎えた。
   1943年に朝鮮で実施した特別志願兵の募集では、採用6300人に対して30万人以上が応募した。
 第二次世界大戦における戦死者は2万1000人以上で、特攻隊員として出撃して戦死した朝鮮人兵士もいる。
   また、大日本帝国陸軍の洪思翊中将は戦後、戦犯としてフィリピンで処刑された。
 捕虜収容所の所長を務めたが、物資不足のために食料の調達が十分にできなかったことが「捕虜虐待」とされた。
 裁判に臨んだ洪中将が一切の弁明をしなかったことが、死刑判決に結びついたとされる。
 戦争の是非はともかく、第二次世界大戦時には韓国は日本の一部であり、戦いで命を落とした朝鮮人将兵も多かった。
 さらに、韓国独立後に同国軍の幹部になった元日本軍人も多い。
 朴正煕大統領も日本の陸軍士官学校で学び、満州国軍の中尉になった。
   羅少将がどのような根拠で、韓国を「第二次世界大戦の勝利の果実」を受ける側と考えたのかは不明だ。
』



【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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2014年5月2日金曜日

オバマの変心-(3):オバマ大統領が打つ軍事的な「一手」、アジア歴訪の別の目的

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『
レコードチャイナ 配信日時:2014年5月2日 4時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87458&type=0

オバマ大統領が打つ軍事的な「一手」、
アジア歴訪の別の目的―米華字紙


●1日、環球時報(電子版)によると、米華字紙・僑報は「三日月形包囲網を再構築する米国」と題した記事を掲載した。写真はオバマ大統領訪日を伝えるニューヨークの日本語紙。

 2014年5月1日、環球時報(電子版)によると、米華字紙・僑報は
 「三日月形包囲網を再構築する米国」
と題した記事を掲載した。
 以下はその概要。

 北東アジアの日本・韓国から、東南アジアのマレーシア・フィリピンまで。
 オバマ米大統領はアジア地域を歴訪した。
 地図上では中国の周辺を回っただけだが、その「太刀影(たちかげ)」は中国に直接触れるものばかりだ。
 特に最初の訪問地・日本と最後に立ち寄ったフィリピンはともに、領土問題を抱える中国にとっては「まとわりついて手ごわい」相手だ。

 オバマ大統領は日本訪問で、尖閣諸島への日米安保条約の適用を再三明言した。
 期待通りの裏書を得た日本は中国に対し、より強硬な姿勢を取るだろう。
 常軌を逸した挑発に出ることも排除できない。

 米比両政府は、オバマ大統領のマニラ到着に先立ち、有効期限10年の新たな軍事協定に署名した。
 米軍の基地利用や駐兵増強のための新しいドアが開かれた。
 米国という後ろ盾の下、南シナ海で中国に対抗する意志が強まることになるだろう。

 韓国は追加で加えられた訪問先だが、米国にとっては同盟関係における重要な「一画」だ。
 日韓の矛盾を仲介し、伝統的な日米韓同盟の弱体化を防ぐのが狙いだ。

 マレーシアを米大統領が訪問するのは約半世紀ぶりだ。
 米国がASEAN第三の経済体を自陣に取り込み、中国の環太平洋連携協定(TPP)の「道作り」に対抗しようという意図が容易にみてとれる。

 1950年代、米国は、日本や韓国、オーストラリア、東南アジア諸国、台湾とぞれぞれ軍事協定を締結。中国に対抗するいわゆる「三日月形(C型)包囲網」を構築した。

 米国が今日、再構築した包囲網は、政治、経済、軍事、そして心理面を含む全包囲的なものだ。
 海外の軍事基地を再稼動させ、
 兵力配置を増強するという「むき出し」な軍事的行為は、
アジアリバランスをもくろむ米国の「怒り」の表れ
だ。
』

『
レコードチャイナ 配信日時:2014年5月1日 9時14分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87407&type=0

オバマ米大統領、「軟弱外交」との批判に反論、「
戦争の10年を経て、誰が軍事力使いたがる」―SP華字紙


●30日、シンガポール華字紙・聨合早報によると、オバマ米大統領は、フィリピン・マニラでの演説で、「戦争の10年を経て、なぜ多くの人が軍事力行使を支持するのか」と語気を強め、「軟弱外交」との批判に反論した。資料写真。

 2014年4月30日、シンガポール華字紙・聨合早報によると、オバマ米大統領は、フィリピン・マニラでの演説で、
 「戦争の10年で、(米国の)部隊と予算は手痛い代償を払った。
 なぜ多くの人が軍事力行使を支持するのか。
 こうした批判者はそうすることでどのような目的を得られると考えているのか」
と語気を強め、「軟弱外交」との批判に反論した。
 環球時報が伝えた。

 記事によると、オバマ大統領は
 「批判者」について具体的な言明はしなかったものの「ワシントンとニューヨークの外交政策評論家だ」とだけ述べた。

 米共和党は、オバマ大統領の外交政策や安全保障政策に懸念と不満を示している。
 ウクライナ危機についても、共和党からは「大統領の近年の軟弱な外交政策が、敵の公然とした挑発を招いた」とする声が上がっている。

 米国のロードス国家安全保障副顧問は
 「批判者の要求に応えて行動すれば、米国が関与する軍事衝突は数え切れない」
と指摘する。

オ バマ大統領は、ウクライナ問題について、「米国に派兵を求める人はいないが、ウクライナへ武器提供するよう提案する人はいる」とした上で、こうした提案について、
 「米国が武器提供すればロシア軍を防げると本当に考えているのか」
と反論した
』

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ウォールストリートジャーナル     2014年 4月 25日 11:33 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304334104579522571943712510.html?mod=WSJJP_hp_bottom_3_3_bucket_3_right

【社説】安倍首相側に立つオバマ大統領 米国は尖閣で連帯

  尖閣諸島が中国に攻撃された場合、米国による防衛が日米安保条約で義務付けられているかどうか曖昧だった。
 しかし、オバマ大統領が曖昧さを完全に払しょくしたことは満点が上げられよう。
 「我々の日本の安全保障に対する関与は絶対的なものであり、日米安保条約第5条は、尖閣諸島を含む日本の施政下にあるすべての領土に適用される」。
 大統領は24日、安倍晋三首相との共同記者会見で明言した。

 これは、中国が昨年11月に尖閣諸島上空に防空識別圏を設定したことに対し、
 米国が弱く一貫性のない対応をしたことに伴うダメージを回復するのに役立つ。
 尖閣諸島をめぐる中国の好戦的なレトリックや瀬戸際外交は、中国が米国との戦争の可能性を深刻に受け止めていないことを示している。
 おそらく今後それはなくなるだろう。

 今月初めには米軍も、武力を行使するのは可能であることを明らかにした。
  在日米海兵隊司令官のジョン・ウィスラー中将は、中国軍が尖閣諸島を占領したとしても、在日米海兵隊は直ちに奪還できるとの自信を示した。
 同中将の発言は個人的なものでなかったのは明らかだ。
 チャック・ヘーゲル国防長官は同じ週に北京で、多少ニュアンスに違いはあったが同じく強い調子で警告を発した。
 中国外務省や同省スポークスマンは怒り心頭となった。

 これまでのところそれほど注目されていないのは、オバマ氏が今週、読売新聞に示した以下のコメントである。
 「私は、集団的自衛権の行使に関する現在の制限を見直すことなどで、安倍晋三首相が日本の自衛隊の強化と米軍との連携を深める努力を払っていることを称賛する」。
 これは、安倍氏が憲法の解釈を変更し、自衛隊が同盟国を防衛するのを認めようとしていることを、米国が支持すると言質を与えたものだ。
 憲法解釈の変更は、安倍政権の連立パートナーを含め国内の平和主義者から反対論を呼び起こしている。

 オバマ氏のコメントは、米国は日本の軍国主義の復活の兆候を不安視しているとの中国の国営メディアの希望的観測を退けるものともなった。
 北京の見方では、安倍氏は第2次大戦に旧日本軍に苦しめられたアジアの近隣諸国に警戒感を与えている。

 中国の指導者らは、同国共産党がまくしたてている
反日の宣伝が同党の支配を正当化する
と信じているのかもしれない。
 だが、オバマ氏が安倍氏と肩を組んで対峙するというイメージにより、
彼らは海外では反日宣伝は受けないことを納得させられるだろう。

 米国などは、戦後日本がアジアの平和と繁栄に貢献してきたことを認識している。
 日本は、民主主義国同士が新たな独裁体制の台頭を阻止するための同盟を構築できる普通の国になることで、さらなる貢献を果たすことができる。

 安倍氏や他の日本の政治家が、戦犯が他の戦死者とともに祭られている靖国神社を参拝することで友好国になりたいと思っている国を遠ざけてしまっているのは確かだ。
 米政府当局者は、代わりに千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝することで、靖国参拝の慣行を戒めている。
 だが、20世紀最悪の大量殺りくが行われた天安門に毛沢東の肖像画を掲げ続けている人々は、もっと慎重になってもよさそうなものだ。

 中国政府のスポークスマンは今週、日米同盟を冷戦の遺物と表現した。
 数年前であれば、沖縄の米軍基地の移転が困難を示したようにその指摘は的を射ていたかもしれない。
 しかし、
近隣諸国が中国の皇帝を称えたような時代に戻るよう同国が望んでいる
ことで再び日米同盟が前面に出てきた。
 大統領の訪日はだいたいが象徴的になるが、オバマ氏の今回の訪日は、民主国家の同盟国の連帯という必要なメッセージを送るものとなった。
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2014年5月1日木曜日

オバマの変心-(2):日米共同声明が封じ込める習政権の暴走:米軍のフィリピン回帰の目的

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●アジア地図

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 WEDGE Infinity  2014年04月30日(Wed)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3817

日米共同声明が封じ込める習政権の暴走
オバマ流の「新型大国関係」とは?

 4月1日掲載の私の記事(『中韓「反日共闘」という砂上の楼閣中国に利用される韓国』)は、同月下旬から始まったオバマ米大統領のアジア歴訪を「中国封じ込め戦略の一環」だと指摘していたが、歴訪が終わった今、まさしくこの通りの展開となっていると思う。

■「尖閣に安保適用」を明言

 既に周知のことではあるが、大統領のアジア歴訪において、関連各国の安全保障に関する2つの画期的な出来事があった。

①.一つはすなわち、中国と日本が領有権をめぐって紛争している尖閣諸島の防衛に関して、
オバマ氏が米大統領として初めて「尖閣諸島は日米安保条約の適用対象」と明言したことである。
 しかもその明言は、単なるオバマ大統領の「口約束」としてではなく、公式性の高い日米共同声明に明確に記された。

 共同声明となれば、それは世界に対する米国の「公約」ともなっているわけで、世界の大国である米国が、自らの出した国家間の共同声明に対して責任を負わないわけにはいかない。
 つまりこの共同声明の発表をもって、米国政府は、日本の施政下にある尖閣諸島に対する中国の実力行使を決して容認しないという決意を表明し、それを実力を用いて阻止する用意があることを世界に向かって宣言したのである。

 一部の日本のマスコミや有識者は、東京での記者会見においてオバマ大統領が「尖閣の安保適用」を明言しながらも中国に対する配慮の言葉も発していることを捉えて、
 「米国は中国との関係を大事にしているから大統領の明言は当てにならない」
との論調を展開しているが、それはおかしい。

 というのも、もしオバマ大統領が何がなんでも中国に「配慮」したいのならば「尖閣の安保適用」について明言しなくてもよいし、あるいはそれを口にしたとしても、共同声明にこの文言を入れないということもできる。
 さらに言えば、日本との共同声明を発表しないという選択肢さえ、オバマ大統領にはあったはずである。

 にもかかわらず、オバマ大統領は米大統領として確かに「尖閣の安保適用」を明言した。
 そして日本との共同声明にその画期的な文言を入れた。
 力が落ちたとはいえ、依然として世界随一の超大国である米国の大統領がとったこの画期的な言動に関して、その重みはけっして軽く見るべきでないと思う。

■米国との衝突は避けたい中国

 一部のマスコミはさらに、オバマ大統領がTPP交渉における日本側の譲歩を安倍政権から引き出すために、あるいは日本側の譲歩の交換条件として「尖閣の安保適用」を持ち出した、との見方も示しているが、それは事実に沿わない。
 大統領訪日中のTPP交渉において双方の合意に達することができなかったにもかかわらず、「尖閣の安保適用」を盛り込んだ共同声明は予定通りに発表された。
 尖閣防衛に関わる米国政府の決意を単なるTPP交渉のための「交換条件」とするような見方は、あまりにも浅薄なものであろう。

 もちろん、米国大統領が「尖閣の安保適用」を明言したとしても、あるいはそれを共同声明に入れたとしても、いざ尖閣が有事となったとき、日米安保条約に基づいて米軍が必ず出動してくるという100%の保証があるわけではない。
 実際有事になってみなければ、米軍の出方が読み切れないという見方には一理あろう。

 しかしここで重要なポイントは、「米軍の出方が読み切れない」というのは、尖閣諸島に攻撃を仕かけてくる側の中国も同じ、という点である。
 後述する「新型大国関係」という中国の持ち出したキャッチフレーズからも分かるように、今の中国は米国との棲み分けを考えていても、米国という超大国との正面衝突は避けたいし、米軍とぶつかる覚悟はそもそもできていない。

 少なくとも現時点では、圧倒的な軍事力を持つ米軍と戦えば中国軍が負けてしまう可能性が大であり、いったん対外戦争に敗北すれば、共産党政権の一党独裁体制が安泰であるはずもない。
 習近平たちにとって、米軍と正面衝突することのリスクはあまりにも大きい。

 したがって、米国の出方を読みきれない限り、中国は尖閣諸島に軍事攻撃を仕掛けることはそう簡単にできない。
 米軍が出動してくる可能性がたとえ数%でもあるならば彼らはためらうだろう。
 だとすれば、前述のオバマ大統領の「尖閣の安保適用」発言とそれを盛り込んだ日米共同声明は、中国の習近平政権に対して大変な抑止力となっていることがよく分かるであろう。
 米国大統領のこの「安保適用明言」と日米両国の国家的公約としての共同声明の発表によって、尖閣有事に対する米軍出動の可能性が一段と高まったことは、誰も否定できない事実であろう。

 そして、おそらく当事者として中国の習政権はこの「安保適用明言」の重みを誰よりも重く受け止めているだろう。
 冷静に考えてみれば、この「安保適用明言」を米国政府の世界に対する「公約」でもある日米共同声明に盛り込んだことで、中国軍の尖閣攻撃に対する米軍出動の可能性はもはや数%程度のものではない。
 そうなると、習近平政権は尖閣に対する軍事的攻撃をもはや断念する以外にない。
 米軍が介入する可能性を分かっている中で、彼らにそんなことができるわけがない。

 つまり2014年4月25日という日、
 「尖閣の安保適用」を訴えた日米共同声明が発表されたその瞬間から、
 尖閣諸島に対する中国の軍事的暴走の可能性はほぼ完全に封じ込められた
のである。
 もちろんそれはまさに、アジア歴訪を行ったオバマ大統領の狙うところなのである。

■米軍のフィリピン回帰の目的は…

 日本での訪問を終えてオバマ米大統領はその足で韓国へ赴いたが、周知の通り、この韓国訪問はもともとアジア歴訪の中には入ってなかった。
 韓国政府は日本への対抗意識から強く「おねだり」したことで実現された「付録」程度の訪問なので、本稿の論ずる範囲からは除外とする。

 オバマ大統領の3番目の訪問地はマレーシアである。
 4月27日、大統領はマレーシアのナジブ首相と首脳会談後の共同記者会見で「アジア太平洋政策で、カギとなる戦略は東アジアとの結びつきを強めることだ。
 マレーシアは『中心』に位置している」とマレーシアを持ち上げてみせた。
 会談後に発表した共同声明では、南シナ海での領有権紛争に関しては米国が主張する「国連海洋法条約などの国際法」に基づく解決や、「軍事力行使や威嚇」への反対が盛り込まれた。
 それは、軍事力を背景に南シナ海への進出を強める中国をけん制する内容であることは、日本中のほとんどのマスコミと大半の識者の認めたところである。

 つまりオバマ大統領は、アジア太平洋の「中心的位置」にあるマレーシアを「中国封じ込め戦略」に加えることに成功したわけである。

 この成果をもって、オバマ大統領は28日、最後の訪問国となるフィリピンに乗り込んでアキノ大統領と会談した。
 そして、首脳会談に先立って、両国間で画期的な協定を結ぶこととなった。
 フィリピンでの米軍派遣拡大を可能にする新軍事協定に両国政府が署名したのである。

②.この新協定によって米軍は今後、
 フィリピン軍の基地内に独自の施設を建設できるようになり、航空機や艦船の巡回を拡大できるようなった。

 米軍の施設建設候補地には米海軍がかつて拠点としたスービック地区などが想定され、派遣部隊の規模などとあわせ今後両国で協議されるが、とにかく冷戦終結後の1992年にフィリピンから完全撤退した米軍はこれで、フィリピンへの22年ぶりの回帰を果たしたわけである。

 22年前の米軍のフィリピン駐留が旧ソ連との冷戦に備えての措置であれば、今回の米軍回帰の意図はあまりにも明確なものであろう。
 現在、南シナ海のいくつかの島嶼の領有権をめぐって中国と激しく対立しているのはまさにこのフィリピンであり、その対立は軍事的衝突に発展する寸前まで激化していることは国際社会では周知のことである。
 ある意味では、今のフィリピンこそが、中国の南シナ海支配を阻止する最前線の位置にあると言えよう。

 そして米軍は今後、まさにこの対中国軍の最前線に戻ってくるのだから、その狙うところは、軍事力を背景にして南シナ海の「平和と安定」を破壊しようとする中国の動きを封じ込めること以外の何ものでもないのであろう。

 こうして見れば、鳴り物入りで実現されたオバマ大統領のアジア歴訪の戦略は明々白々なのである。
★.それは要するに、「尖閣防衛」への関与を明確にして最大の同盟国日本との関係強化を図ることによって東シナ海への中国の暴走を封じ込める一方、
★.もう一つの「準同盟国」であるフィリピンに米軍の再駐留を実現させたことで南シナ海への中国の進撃を食い止めようとするものである。
 それに加えて、「中心位置」にあるマレーシアもこの戦略の一環に関与させることによって、「中国封じ込め網」をより完全なものにしようとするのである。

 そういう意味で、この度のオバマ大統領のアジア歴訪は中国を素通りしていながら、実際には最初から最後まで中国という国の存在を最大の標的にした見事な「中国封じ込め外交」であると言ってよい。
 実際、今回の歴訪でわざと中国を除外したのも、
 アジアで中国ともっとも激しく対立している日本とフィリピンを訪問国に選んだのも、
 まさに「中国封じ込め戦略」から発するところの行動であるにほかならない。

■中国への「メッセージ」の真意

 もちろんその一方、オバマ大統領はこの歴訪において、至るところで中国に対する配慮の言葉を発していて、中国政府にまったく別の意味のメッセージを盛んに送っていることも事実である。

 たとえば東京で行った安倍首相との共同記者会見では、オバマ大統領はこう語った。
 「私たちアメリカは、中国とも強い関係を保っている。
 中国はこの地域だけでなく、世界にとって非常に重要な国である。明らかなことだが、多くの人口を抱え、経済も成長している。
 私たちは中国が平和的に台頭することを引き続き、奨励する」。

 そして4月28日にフィリピンで行った記者会見でもオバマ氏は
 「領土問題は強制や脅しではなく、国際法に基づいて解決されるべきだ」
と言って中国を牽制する一方、
 「我々は国際法に沿う形で中国とパートナーになりたい」
 「ゴールは封じ込めではない」
とも強調した。

 軍事的に中国を封じ込めながらも、中国に対してこのような好意に満ちたメッセージを送っている。
 一見矛盾して見えるオバマ大統領の真意は一体どこにあるのか。
 この矛盾こそが、大統領アジア歴訪の狙いと意味をめぐる解説の違いを生じさせた最大の要因でもあるが、一体どう解釈すべきなのか。

■中国が提案する「新型大国関係」

 上述の矛盾を解くためのキーワードはやはり、「新型大国関係」という言葉ではないかと思う。

 周知のように、「新型大国関係」というキャッチフレーズは、習近平が国家主席に就任してから米国に持ちかけたものである。
 中国が説明するその内容とは、要するに
 「米中両国が衝突を避け、双方の核心的利益を尊重し、ウィンウィンの関係を構築しよう」
というものである。

 文言通りに捉えれば特に問題はないように思われるが、一番の問題は、中国が尖閣諸島に対する領有権や東シナ海・南シナ海の広範な海域に対する覇権を自分たちの「核心利益」だと主張し、それに対する米国の「尊重」、すなわち容認を求めている点である。
 そして
 米国が中国の「核心利益」さえ認めてくれれば、中国も太平洋地域における米国の利益を「尊重」=「容認」する、
ということなのである。
 これが中国の持ち出した「新型大国関係」という言葉の真意であり、中国は米国に対して太平洋の支配権をめぐる「棲み分け論」を提示したわけである。

 その具体的な内容は要するに、太平洋というものを二分割して、東太平洋は米国の支配に委ねるが、その代わりに西太平洋に対する中国の覇権を米国が認める。
 もちろん中国側からすれば、このような棲み分けさえできれば、米中両国が衝突を避けることができるし、「ウィンウィンの関係」を構築することもできると考えているのである。

 昨年6月、習主席は訪米してオバマ大統領と会談した際、冒頭から
 「太平洋は広い。米中両大国を十分に受け入れる余裕がある」
との言葉を持ち出した真意はまさにここにあろう。
 「太平洋を山分けして仲良くしよう」
というのが、習主席の提唱する「新型大国関係」の最大のポイントなのである。

 しかしもし、米国がこの通りの「新型大国関係」を受け入れて中国の「核心利益」を認めてしまえば、東シナ海と南シナ海を含めた西太平洋全体は、中国の支配する範囲下におかれることとなろう。
 その地域に関しては米国の勢力が排除され、文字通りアジアを失うのである。

 もちろん米国がこのような中国の一方的な「新型大国関係」をそのまま受け入れるはずもない。
 アジア太平洋地域というのは、米国が世界の大国としての影響力を保っていくための最後の砦であり、かつて太平洋戦争において10万人の米国兵の命と引き換えに守りきった米国の「生命線」でもある。
 したがって、米国はシリア問題で尻込みすることがあっても、クリミア問題で弱腰を見せることがあっても、アジア太平洋地域だけは中国の好き放題にさせたくないのである。

■中国の覇権主義を阻止ながら、安定した関係を保つ

 その一方、アジア太平洋地域は米国にとって大変重要な地域であるからこそ、アジア最大の政治と軍事大国である中国も当然、米国にとって丁重に取り扱わなければならない重要な存在である。
 それに加えて、両国間の経済関係の緊密化によって中国は米国経済にとっても欠かせない存在となっている。

 つまり、中国の西太平洋支配を許すわけにはいかないが、米国にとっても、中国との安定した大国関係の構築は非常に重要な外交課題であろう。
 したがって、習主席が米国に対して「新型大国関係」を持ちかけて以来、オバマ政権はそれを頭から拒否するのでもなく、むしろ中国の呼びかけに応じていわば「新型大国関係」の形を積極的に模索するような姿勢を示している。

 たとえば米国のバイデン副大統領は習主席と昨年12月4日に会談した際、
 「米中関係は21世紀で最も重要な2国間関係であり、この2国は信頼と積極的な意志に基づいて行動しなければならない」
と明言したのも、オバマ大統領は今年3月にオランダで習主席と会談した時に「国家関係の新しいモデルを追求していく」と語ったこともやはり、米国は中国との安定した関係の構築に多大な関心をもっていることの証拠であろう。

 しかしそれでも、米国は決して中国が意図する通りの「新型大国関係」を受け入れるつもりはないし、それを受け入れた痕跡もない。
 実際、米国の大統領や副大統領あるいは国務長官から、中国の定義する「新型大国関係」に明確に賛同する発言があったことは一度もない。
 前述のように、西太平洋の支配を企む習主席の「新型大国関係論」は到底米国の容認できるものではないからである。

 そうすると、
 米国に迫られた大きな外交的課題の一つはすなわち、
★.中国の覇権主義を阻止ながら
★.中国と安定した関係を保つ
という2つの相反する前提の下で、中国との「大国関係」をいかに定義してそれを構築していくかである。
 そして本論の視点からすれば、オバマ大統領のこの度のアジア歴訪は、まさにこの重大な外交課題に対する米国の理念と戦略を明確に示したものである。

■習近平が下すべき「最後の判断」

 これまで見てきたように、オバマ大統領は日本への訪問においては「尖閣防衛」に関する米国の義務を明記した共同声明を発表した。
 フィリピン訪問では新軍事協定を調印させて米軍のフィリピン回帰を実現した。
 まさに中国という国を標的にしたこの2つの画期的な行動をとることによって、オマバ大統領と米国政府は習近平政権に対して、一つの明確なメッセージを送ったはずである。

 それはすなわち、米国は決して、東シナ海と南シナ海を含む西太平洋の支配を企む中国の野望を容認できないこと、米国がそれらの地域の同盟国と準同盟国と手を組んで中国の冒険的行動を実力を持って阻止する用意のあることである。
 つまり米国は決して、西太平洋の中国支配を前提とした習近平流の「新型大国関係」を受け入れるつもりはない、とのことである。

 そしてその一方、日本とフィリピン訪問中において、オバマ大統領は中国に対し、
 「私たちアメリカは、中国とも強い関係を保っている」、
 「我々は国際法に沿う形で中国とパートナーになりたい」
といった建設的なメッセージも送っていることは前述の通りであるが、今まで論じてきたこの文脈からすれば、実はそれもまた、習主席の「新型大国関係論」に対する米国のもう一つの答えだと理解できよう。
 つまり米国は、中国の覇権主義は断固として阻止するつもりであるが、中国との間で、アジア太平洋地域の平和と安定維持に有利な形での「大国関係」を構築していきたいとの意欲も示しているのである。

 こうしてみると、習主席の提示した「新型大国関係論」に対する米国の考えと回答は明々白々なものとなっている。
★.米国が望む「米中大国関係」の前提は、
 中国がアジア太平洋の平和と秩序を守るための法的ルールに従って関係諸国と共存共栄の道を歩むことである。
 オバマ大統領がフィリピンで発した「我々は国際法に沿う形で中国とパートナーになりたい」という言葉と、日本で発した「私たちは中国が平和的に台頭することを引き続き、奨励する」という言葉に込められた米国の思いはまさにそういうことであろう。

 つまりオバマ大統領のアジア歴訪において、米国は習主席の提示した中国流の「新型大国関係」を行動を持って明確に拒否した一方、米国自身の考える「新型大国関係」を持ち出して習主席に突きつけた。

 これでオバマ大統領は、
 米中関係のあるべき姿を決定づけるのもアジア太平洋の国際秩序のルールを決めるのもこの米国であって、
 決して習主席の中国ではないことを世界に宣言して、習主席自身にも思い知らせたのである。

 あとは、究極な判断を迫られるのは習主席の方であろう。
 米国とそのアジアの同盟国たちと全面衝突するような危険を冒してまで覇権主義政策を推し進めていくのか、それともこの地域における米国の主導的役割を認めて秩序とルールを守ってアジアと共存するのか。最後の判断が習主席に委ねられているが、それを間違えれば、アジアにとっても中国自身にとっても大きな不幸となろう。


石 平(せき・へい) 中国問題・日中問題評論家
1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒業。1988年に来日。神戸大学文化学研究科博士課程修了。2002年に『なぜ中国人は日本人を憎むのか』(PHP研究所)を著して以来、評論活動へ。近著に『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(ワック)『日中をダメにした9人の政治家』(ベストセラーズ)などがある。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年5月1日 9時32分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87420&type=0

中国空軍の作戦範囲、2030年までに半径3000キロへ
=日本に最大の脅威―韓国紙


●28日、韓国英字紙コリア・ヘラルドは、シンガポールの国際問題専門家の話として、中国空軍の作戦範囲は2030年までに半径3000キロメートルに達する見通しだと伝えた。写真は中国空軍。

 2014年4月28日、韓国英字紙コリア・ヘラルドは、シンガポールの国際問題専門家の話として、中国空軍の作戦範囲は2030年までに半径3000キロメートルに達する見通しだと伝えた。
 30日付で環球時報が伝えた。

 この専門家は、中国空軍が50年代のソ連式戦闘機をわずか10年余りで退役させ、第4世代ジェット戦闘機400機や最新鋭の空対空ミサイルを配備し、全天候での飛行が可能だと指摘。
 2030年までに、半径3000キロメートルの範囲で独立した空中作戦が行えるようになるとの見通しを示した。

 記事では、中国の台頭により、米国の支援なしに単独で中国に挑む能力のある国は東アジアに存在しないとした上で、
 「中国の軍事的な挑戦が日本に与える影響は計り知れないことから、日本政府は集団的自衛権の行使を容認させ、自衛隊の活動範囲拡大をもくろんでいる」
と指摘した。

 記事ではまた、
 「全面的な軍事近代化を進める中国は、国産高性能ターボファンエンジンの開発で技術的な障害に直面している」
とした一方で、
 「解放軍が前進する歩みの妨げにはならない」
とも指摘した。
』



【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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中国、今年米国抜き世界最大の経済大国となる?:国際比較プログラム(ICP)

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2014.05.01(木)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40569

中国人民元の国際化:本当に米ドルに挑めるのか?
(英エコノミスト誌 2014年4月26日号)

国際的な地位を目指す中国人民元の絶え間ない動きは、危険な企てだ。
中国は対抗措置、対中関税引き上げ法案の発表受け


●紙幣の色から米ドルが「グリーンバック」と呼ばれるのに対し、中国人民元は「レッドバック」と呼ばれる〔AFPBB News〕

 中国国外では最近、毛沢東は時代遅れな存在で、革命の英雄としてよりも専制君主として記憶されている。
 しかし、紙幣にその肖像画が印刷されている中国人民元は、海外で前進している。

 香港では、一部のATM(現金自動預け払い機)が「レッドバック」として知られる人民元を扱っている。モンゴルでは、流通している現金の6割が中国通貨だと見られている。

 人民元の本格的な国際化は2009年に始まったばかりだが、今では世界で7番目によく使われる通貨となり、1年前の13位から大きく順位を上げた。

 多くの中国人は、世界最大の貿易国である中国が数年後に世界最大の経済国にもなった時には、中国通貨はその地位に見合うよう、米ドルが享受してきた国際通貨体制における支配的地位に挑戦する準備が整うと期待している。
 彼らは恐らく落胆することになるだろう。

 20年前まで人民元は完全に国内向けの通貨だったため、中国にいる外国人は代わりに「外貨兌換券(FEC)」と呼ばれる引換券を使わねばならなかった。
 今では人民元の前進を告げる画期的な出来事が毎週起きている。

■前進を続ける人民元だが・・・

 4月には、香港と上海の証券取引所を連動させ、取引の元建て決済を認めるという、延び延びになっていた合意にゴーサインが下りた。
 シンガポール、ロンドン、フランクフルトもまた、人民元取引のハブになろうと張り合っている。
 中国の中央銀行は20カ国以上とスワップ協定を結んでいる。
 オフショア(主に香港)で発行される人民元建ての「点心」債の市場は拡大している。

 現在、中国の対外貿易の18%程度が元建てで決済されており、来年にはその割合が30%に達すると香港金融管理局(HKMA)は見ている。
 複数の中央銀行は既に、外貨準備高の一部を人民元で保有している。エコノミストらは、中国、香港、台湾、そして東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国を網羅する「元ブロック」の出現について語っている。
 人民元の国際化は容赦なく進み、止められないように思える。

 国際通貨体制に関する新刊『The Dollar Trap(ドルの罠)』の著者で経済学者のエスワー・プラサド氏は、それほど確信が持てない。
 プラサド氏は、通貨の国際化には、3つの本質的側面があると指摘する。

1].まず、貿易や金融取引の決済通貨としての最初の側面では、人民元はかなりの進化を遂げた。
2].しかし第2の側面、つまり、人民元を市場レートで他通貨と自由に交換できるようにするための中国の資本勘定の自由化という側面は、やっと始まったかどうかという状況だ。
3].この兌換性と、今よりずっと奥行きのある国内金融市場、そして変動為替相場なくしては、人民元はドル、ユーロ、円、ポンド、スイスフランのような世界的な準備通貨になるという3番目の必須条件を達成できない。

 今のところ、人民元の為替レートは厳重に管理されており、中国が人為的に元安を維持していると考えている貿易相手国にとって苛立ちの要因となっている。

■「功罪相半ば」でも推進を求める声が上がる理由

 プラサド氏によれば、中国の政策立案者は人民元が本格的な準備通貨の地位を得る可能性を、よくても「功罪相半ば」するものと見なしているという。
 しかし様々な理由から、中国の影響力を持つ圧力団体は、この構想を強く推している。

 1つの動機は、単純な話、名声である。
 北京にある人民大学の翟東升氏が別の新著『The Power of Currencies and Currencies of Power(通貨の力と力の通貨)』の章で記した通り、「偉大な国は偉大な通貨を持っており、強固な通貨は勢力を築き上げる一助となる」からだ。

 2008~09年の世界金融危機は中国に、現行制度の脆弱さと、自国財政が米国に依存している度合いを思い知らせた。
 ほぼ4兆ドル相当の中国の外貨準備高のうち、恐らく3分の2がドル建てだ。
 中国のエコノミストらは、米国がいずれインフレを通じて債務負担を軽減し、それによってドル安を招き、中国に多大な損失を負わせると主張している。

 さらに、米国債への投資を通じて、中国は事実上、連綿と続く米国の軍事的優位性の資金を賄っている。
 そして改革主義者たちは通貨の自由化を、1990年代末の中国の世界貿易機関(WTO)加盟と同じように見ている。
 つまり、外部からの圧力を利用し、国内の強力なロビー団体に改革を強いる方法と見なしているのだ。

 改革派は、通貨の自由化は、奥行きに欠け、尊敬される規制当局が存在しない中国の金融システムを改善できると期待している。
 特に、銀行に預金獲得競争を迫りたいと思っている。
 何しろ現状では、銀行システムは預金金利を低く保つことで、大手国営企業に有利になるよう小口預金者を罰しており、不動産バブルを煽る結果になった。

 また、資本規制を撤廃する短期的なインセンティブがあると考えるエコノミストもいる。
 彼らは、10年近く続く着実な人民元上昇が、米国よりも中国の方が物価上昇率が高い状態と相まって、人民元が対ドルで過大評価されることになったと考えている。

 このため、資本規制を緩和すれば、どのみち外国に避難先を求めている中国資本が流出するようになるという。
 そうなれば、中国が折しも2012年以降最も低い四半期の経済成長を記録した時に、人民元が安くなり、中国経済を後押しするというわけだ。

■自由化への不安

 しかし、この議論は、資本勘定の自由化という概念が共産党の政策立案者にとって、どれだけ危険で恐ろしいものかを説明する助けにもなる。

★.エコノミストたちは、人民元が安過ぎるのか(つまり、自由化は資本流入の急増を招くということ)、あるいは高過ぎるのか(それゆえ、人民元の為替レートが自由化された場合、資金は中国から流出するということ)という、ごくごく基本的な問題についてさえ合意できない。
 もし資本規制が撤廃されたら、
 中国は一体あとどれほどの不確実性に見舞われる
のだろうか?

 また、中国のエコノミストは、短期的な道のりはどうあれ、長期的な傾向としては人民元が上昇すると考えている。
 人民元の値上がりを管理する能力を失うことは、
重要な政策手段だったものを犠牲にすることを意味する。

★.警戒すべきもう1つの理由は、国内では説明責任がなく、近隣諸国ではイジメっ子としての評判を築きつつある政府が裏打ちする通貨の台頭に対する他国の態度である。
 前述の新刊本『The Power of Currencies and Currencies of Power』の別章で、日本の元防衛相、小池百合子氏は、中国がいかにその資金力を悪用し得るか憂慮している。

 同氏の不安は一般の人々にも共有されている。
 例えば、ミャンマーでは華為(ファーウェイ)の携帯とKenbo(ケンボ)のバイクが大人気だが、ミャンマー人はまだ、中国の存在感の拡大について不満を述べている。
 こうした理由などから、彼らが欲しがる紙幣にはベンジャミン・フランクリンの肖像画が描かれているのだ。

© 2014 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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』

 世界の基軸通貨になるには単に経済規模だけでは無理がある。
 その通貨国が経済的に安定していなければならない。
 その条件に見合うものが
①.経済規模が十分大きいこと
②.食料を自給できること
③.エネルギーを自給できること
の3つである。
 この要件を満たさない限り安心できる基軸通貨にはならない。
 中国が満たしているのは最初の1つだけで、後ろの2つは絶望的に不可になる。
 今は規模の躍進に目を奪われている。
 ために通貨国としての他の条件が見過ごされている。
 今中国の経済は上昇期から下降期に入り始めている。
 一時の熱がさめて穏やかに冷えつつある。
 国土の環境劣化からして、再度の経済成長は見込めない。
 このとき、その国を賄う食料とエネルギーが重要な問題になってくる。
 その大半を輸入で賄うようになったら、もはやその国の通貨は世界の基軸にはなりえなくなる。
 通貨価値は下落する。 

『
レコードチャイナ 配信日時:2014年5月2日 8時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87452&type=0

中国、今年米国抜き世界最大の経済大国となる勢い
―国際比較プログラム(ICP)


●.30日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語電子版は、国連などの国際比較プログラム(ICP)が公表した資料から、中国が米国を抜き、世界1位の経済大国になる勢いだと伝えた。写真は上海。

 2014年4月30日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語電子版は、国連などの国際比較プログラム(ICP)が公表した資料から、中国が米国を抜き、世界1位の経済大国になる勢いだと伝えた。

 ICPの調査は各国通貨の購買力平価を算定して、各国の国内総生産(GDP)の実質比較を行うもの。
 現地時間29日に発表された資料によると、2011年の中国の経済規模は05年時点から20%拡大した。

 英誌エコノミストは30日、「巨龍が戴冠する」と題した記事で、
 中国は2014年末に「世界で最も突出した国」になる
とした上で、
 「米国の時代が終わり、太平洋の時代が到来する」
と指摘した。
』

『
ウォールストリートジャーナル     2014年 5月 01日 19:11 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303493804579535282408672494.html

中国の経済規模は本当に米国を追い越すのか?


●左)2011年の各国の米ドル換算GDP(単位:兆ドル)/右)2011年の各国の購買力平価換算GDPの世界のGDPに占める割合

 中国の経済規模が今年、少なくとも1つの基準で米国を追い抜く見通しだ。
 4月30日にあちこちでこう報じられた。

 この見出しに驚く人は多いだろう。
 これまで中国の経済規模が米国を上回るのは2020年代か、それ以降だと言われていた。

 世界銀行と連携して統計事業を行っている国際比較プログラム(ICP)は先月30日、購買力平価換算の国内総生産(GDP)に関する新しいデータを発表した。
 そのデータは、中国の経済規模がこれまで考えられていたよりも大きいことを示している。

 しかし、これは決して意外なことではない。

 各国の経済力を示す通常のGDPランキングは、GDPを市場の為替レートで米ドルに換算したデータをまとめたものだ。
 世銀のデータによると、12年の米国のGDPは16兆ドル(約1640兆円)強と中国のGDPの2倍。
 この基準では中国が10年かそこらで米国を追い抜くことはありそうにない。

 一部エコノミストは、この比較方法は為替レートの変動を加味していないため、誤解を招く恐れがあると指摘する。
 米財務省が考えるように人民元が過小評価されているとすれば、米ドル換算のGDPは実際の経済規模を控え目にみせている可能性がある。だとすれば、一国の通貨が対ドルで10%下落するからと言って、相対的な経済規模が10%縮小するわけではない。

 そこでICPが比較基準として採用したのが購買力平価だ。
 購買力平価は国ごとに異なる財とサービスのコストを調整するもので、同じ商品群をどの国で買っても同じ値段になるよう調整するための為替レート。

 非貿易財を中心に、コストは先進国のほうがはるかに高いため、購買力平価換算のGDPを比較した場合、新興国の経済規模は拡大する傾向がある。
 基本的に新興諸国では同じ金額で購入できるものが多いためだ。

 購買力平価は新興国の隠れた優位性を明確化するのに役に立つ。
 例えば、中国政府が人民軍兵士に支払う賃金の方が米政府が米軍兵士に支払う賃金よりもはるかに安い。
 また、貧しい国を訪れた裕福な国の観光客は本能的に購買力平価について考えるものだ。
 夕食の支払いをしたときに「何と、ここでは同じ金額でこんなに食べられるのか」と思ったことはあるだろう。

 IMFのアジア太平洋部門のデピュティ・ディレクター、Markus Rodlauer氏は電子メールで
 「購買力平価換算GDPを使用するメリットは各国の暮らし向きをより正確に反映できることだ。
 また、購買力平価は比較的安定しているため、(国際比較などに使用される)ドル換算のGDPはさほど変動しない」
と指摘した。

 しかし、購買力平価にも大きな限界がある。
 中国はミサイルや船舶、iPhone(アイフォーン)、ドイツ製自動車などを生産者物価指数(PPI)に用いる通貨では購入できず、広く使用されている為替レートで支払わなければならない。
 各国の経済力を比較するときに、為替レート換算値の方が重要視されているのはそのためだ。

 入手可能な最新の数字であるICPの11年の購買力平価換算データによると、米国の購買力平価換算GDPは依然世界1位だ。
 しかし、中国の購買力平価換算GDPは11年の米国の購買力平価換算GDPの87%と、
 前回調査が行われた05年の同43%から大幅に上昇している。

 購買力平価換算GDPで中国は今年米国を追い抜くという予測は、
 中国経済が過去3年のように比較的急速に成長することを前提としている。

 これらはいずれも驚くべきことではない。
 中国のGDPが10年に日本を抜いて世界第2位になったときの方がはるかに大騒ぎされた。
 しかし、購買力平価換算では、10年前に既にその節目を迎えている。
 ICPのデータでは、今日世界第3位の経済力を誇るのはインドだが、名目GDPではインドは10位に過ぎない。

 中国経済の地位が世界水準で上昇しているのは間違いない。
 それは何年も前から続いている。中国をはじめとする新興国がIMFなどの国際金融機関でより大きな意思決定権を得るために、購買力平価データを利用して欧米に迫るのは必至だ。

 しかし、どのデータもそうだが、購買力平価換算データを慎重に扱うべき理由がある。
1].1つは、それが多くの国の複数の商品を対象にした複雑な調査に基づく統計で構成されたものだということだ。
 IMFはこの点について統計上の誤差が生じる可能性を指摘している。
 また、ICPも1日に発表した報告書で、このデータを経済規模の異なる国の比較に使用した場合、
 プラスマイナス15%の許容誤差が生じる可能性があるとしている。

 一部エコノミストは、市場為替レートを使用した名目GDPの方が、各国の人々や企業の国際市場での購買力をより正確に測定できるとみている。

2].そこで問題になってくるのが各国の相対人口だ。
 多くの意味で、人口13億の中国がその約4分の1の人口の米国に追いつきつつあることは意外ではない。

 元IMF職員で現在はムーディーズ・インベスターズ・サービスの香港在勤エコノミストのスティーブン・シュワルツ氏は
 「人口が多い国ほど生産高が高いと思いがちだ」
とし、
 「1人当たりの生産高で言えば、中国は依然非常に貧しい」
と指摘した。

 確かにそうだ。
 1人当たりの購買力平価換算GDPでは中国は99位で、インドは127位。
 一方、米国は12位だ。
 これは中国やインドよりも生産性がはるかに高く、裕福であることを示している。

  By     TOM WRIGHT
』

『
2014.05.02(金)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40594

米国を追い抜く中国経済
(2014年5月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 本紙(英フィナンシャル・タイムズ)は4月30日、中国が今年、米国を抜いて世界最大の経済大国になると報じた。
 これは歴史的な瞬間だ。
 何しろ1872年以来、米国が世界一の経済大国だったからだ。

 この時が来ることは誰もが知っていた――国際通貨基金(IMF)の予想は2019年が重要なポイントになると示唆していた――が、国際比較プログラム(ICP)の報告書は意外だった。
 同報告書は、中国経済が2011年に既に米国の規模の87%に達していたと述べていたためだ。

 この数字は購買力平価(PPP)の新たな試算に基づくもので、必然的に多くの疑問を提起する。

■国際比較プログラム(ICP)とは何か?

 ICPはワシントンの世界銀行が主催する、世界の主要統計機関の緩やかな共同事業だ。
 欧州連合(EU)統計局ユーロスタットと経済協力開発機構(OECD)が先進国のデータを提供する一方、多くの地域支部、大抵は各国の統計機関がユーロスタットなどの数字に相当するその他の国々のデータを提供する。

 全体として世界199カ国がカバーされている。
 このためICPの結果は、その他の類似研究よりもはるかに包括的だ。

■購買力平価(PPP)とは何か?

 PPPは、お金が買えるものを示す指標だ。
 国内総生産(GDP)などの各国の経済指標を比較のために共通通貨に換算する時、すべての経済においてお金が買える財とサービスの量を知りたければ、利用すべき為替レートはPPPだ。

 これは特に非貿易財であるサービス産業にとって重要だ。
 基本的な中国の散髪は基本的な米国の散髪より安いが、米国人は荷物をまとめて中国の地方部に行くことができないため、市場為替レートには、この2つの価格を均一化する圧力がかからないからだ。

■我々はICPの数字を信頼すべきなのか?

 PPPの算出方法が修正された結果、中国とその他アジア諸国が従来思われていたよりも大きく見えるようになったのは確かだ。
 このことはデータの正確性に疑問を投げかけるだろう。
 中国当局が研究に参加しなかったため、特にそうだ。

 ICPは周期的にPPPの新しい試算を弾き出す。
 直近の2011年の数字の前には、2005年、1993年に改訂され、さらにさかのぼると、1985年、1980年、1975年、1973年、1970年に改訂されている。

 新しい数字を認めたくないと思う米国の人々は、中国経済の規模を40%削減し、それにより世界経済の成長率の測定値を下方修正した2005年のICPの報告書をなぜ受け入れたのか自問すべきだ。

■計算の仕組みは?

 非常に単純に、本紙は中国経済が2011年に米国の規模の86.9%だったというICPの試算を使い、IMFの最新の「世界経済見通し(WEO)」から得られる2012年、2013年、2014年、2015年の直近の成長率をこの数字に当てはめた。
 その結果は、もしPPPが一定であり(通常の仮定)、成長率がIMFの予測と合致するとすれば、中国が今年米国を僅差で抜き、来年ははるか先を行くことを示している。

■GDPが正しい指標なのか?

 GDPは各国経済の産出量を表す1つの指標だが、もちろん、完璧ではない。ICPの報告書はほかにも多くの指標を算出しており、消費により大きな重点を置いた指標では、高所得国が世界全体に占めるシェアが高まる。

 これは、先進国経済は比較的貧しい国よりも家計消費の割合が高いことを反映している。

■生活水準はどうか?

 明らかに、経済規模は決してすべてではない。
 米国の人口が3億人程度なのに対し、中国の人口は13億人に上るため、米国や日本、そして大半の欧州諸国の生活水準はまだ、中国、インドのそれよりはるかに高い。

■生活するのにお金がかかる場所はどこか?

 一般的に豊かな先進国では、国全体の生産性のレベルに見合うよう、サービス業の賃金により多くのお金を払わなければならない。

■そうなると、世界のランキングはどうなるのか?

 世界の主要12カ国については、各国経済が2011年に米国と比較してどうだったのかというICPの試算と2005年の結果は下記の図に示されている。



By Chris Giles
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『
レコードチャイナ 配信日時:2014年5月7日 8時7分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87649&type=0

インドネシアが韓国・シンガポール抜く、購買力平価GDP10位に躍進―中国メディア

 2014年5月6日、北京商報によると、世界銀行がこのほど発表した国際比較プログラム(ICP)による2011年の購買力平価(PPP)に関する調査で、インドネシアが韓国やシンガポールを抜き、世界トップ10入りを果たした。

上位10カ国は
 米国、
 中国、
 インド、
 日本、
 ドイツ、
 ロシア、
 ブラジル、
 フランス、
 英国
 インドネシア。

 インドネシアのスシロ大統領は
 「経済の急成長を維持しており、輝かしい成果を再び収めようとしている」
とした上で、
 「中所得国として、失業者数と貧困人口率を今後も減少させていかなければならない」
と指摘した。

 一方、同国の今年第1四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増で、2009年以降で最も低い伸びとなった。
 専門家の予測値5.6%も下回った。

 バスリ財務相は先日、
 「(最大の貿易相手国である)中国経済の減速により、わが国の輸出は最大の危機に直面する」
と指摘している。
』



【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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