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サーチナニュース 2014-05-09 10:47
http://news.searchina.net/id/1531845
高速鉄道事故、生存者いた車両「埋めよ」と指示した責任者が栄転
上海鉄道局の王峰副局長が4月24日付で、蘭州鉄道局の局長に異動していたことが分かった。
王副局長(以下、役職はすべて異動前のもの)は2011年7月23日に発生した高速鉄道列車の追突事故で、生存者の捜索が完全に終わっていなかったにも関わらず、現場の整理のために破壊された車両を「埋めよ」と指示した。
中国新聞社が報じた。
同事故では40人が死亡、172人が負傷したとされる。
王副局長は事故発生翌日の24日は、事故現場近くに穴を掘って、破壊された車両などを埋めるよう指示した。
車両は押しつぶされてへしゃげ、内部に取り残された人の捜索は難航していた。
記事は、
「現場にいた別の指導者が制止したので、王副局長の命令は実行されなかった」
と紹介した。
その後、車内で2歳8カ月の女児が生存していることが確認され、事故発生から約20時間後の24日午後5時ごろに救出された。
救出された女児は同年12月下旬にいったん治療を終え、退院した。
さらに長期に渡るリハビリが必要だが、当初は懸念されていた足の切断は避けることができたという(解説参照)。
11年12月25日に政府が発表したリポートは、事故発生と事故処理などについて54人が処分の対象になったと説明。
王副局長も処分の対象となった。
リポートは、「整地のために、救援現場で穴を掘るチームをつくり」などと、生存者の可能性がある車両を埋めようとしただけでなく、王副局長の支持が「救援のための資材や人力を割く」結果となったことを示唆している。
王副局長の異動先は、それまでの勤務地の上海鉄道局に比べれば“僻地”ということになるが、資源の輸送などでは重要な地域であり、「副局長」から「局長」と地位が上昇しているので「栄転」ということになる。
王副局長が上海鉄道局の副局長に就任したのは2006年で、長期にわたって「安全」と「インフラ建設」の責任者だった。
中国の高速鉄道については、追突事件の前にも技術的問題で運転ができなくなる事態が多発していた。
建設に携わった技術者からの「自分は絶対に乗らない(乗る勇気がない)。
親友にも乗らないように勧める」との声が出ていた。
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◆解説◆
4月24日付の記事で、王副局長の「車両を埋めよ」との命令を制止した「別の指導者」の名は明らかにされていない。
事故当時の報道によると、温州特殊警察支隊の邵曳戎支隊長が「埋めよ」との命令を承服できず、同支隊が命令を無視して生存者を捜索していたところ、女児を発見したという。
同事故では、王副局長だけでなく政府・鉄道部の報道官も世論の強い批判の対象になった。
●.女児救出に対しては「生命の奇跡」、
●.信頼が失墜した中国の高速鉄道について「それでも世界一」、
●.事故車両を埋めたことについては「救援作業の便宜を図るため。
●.信じるか信じないかはあなたの自由だ」
などと、他人事のような無責任なコメントを続けたからだ。
一方で、厳しい処罰を覚悟した上でとみられる警察関係者の「捜索続行」や衝突の瞬間まで運転台にとどまり急ブレーキをかけつづけて死亡した追突列車の運転士など、組織の上部における無定見・無責任な人物と、現場で職務に励む人のプロとしての責任感の対比が目立った事故でもあった。
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【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】
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