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レコードチャイナ 配信日時:2014年5月4日 7時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87538&type=0
<書評>「日中対立を超える『発信力』
―中国報道最前線 総局長・特派員たちの声」―段躍中・編
●本書は中国報道の最前線で取材し報道する日本のメディア特派員の率直な告白集。すべて実名による執筆だ。自省し悩みながら中国の真実を追求している記者たちの真摯な姿勢が浮かび上がる。
日本と中国の関係は1972年の国交正常化以来最大の危機的状態にあり、日本国民の「嫌中感情」が高まっている。
反日デモ、共産党独裁、深刻な公害、経済崩壊論、格差・腐敗などが大げさに報じられる。
断片的に切り取られたニュース記事や映像が派手に伝えられ日本国民の嫌中感情を煽っているのではないか、ことさら日本国民に「中国脅威論」を植え付けているのでないか、との声もある。
本書は中国報道の最前線で取材し報道する日本のメディア特派員の率直な告白集。
すべて実名による執筆だ。
自省し悩みながら中国の真実を追求している記者たちの真摯な姿勢が浮かび上がる。
●.「反日デモや大気汚染など注目されるテーマでは衝撃的な場面や深刻な内容について詳しく報じている。
だが、ストレートなニュースにならない等身大の中国、そして中国人の姿を伝える機会は非常に限られている」(大手新聞社元特派員)。
●. 「尖閣諸島の問題について、日本メディアは『歴史的にも国際法的にも日本固有の領土で領有権問題は存在しない』との日本政府の立場に立っている。
しかし日本政府の対応が硬直化した時、メディアが政府の立場に立つだけでは、解決の糸口は見えてこない。
政府の立場に立つだけでは、解決の糸口は見えてこない。
政府の立場に縛られない多様な歴史的、戦略的視野を提供することにより解決の選択肢も広がる。もちろんそれは、中国側も同様である」(通信社元特派員)」
ある全国紙記者は「中国崩壊論」がこの10年余り日本のメディアに浮上しては消えている現実を紹介した上でこう著述する。
●.「こうした中国崩壊論はどうしてたびたび浮上してくるのか。
自分ではよく分からないが、恐らく『中国が崩壊したら嬉しい』という日本国民のニーズがあるからではないか、と最近では思っている。
そんな記事や本を読みたいという欲求が日本人の潜在意識の中にあるのかもしれない」。
◆中国経済「好調」は短く「不調」は長く書け!
こうした日本の読者・視聴者の「ニーズ」を受けて、最前線の経済記者は本書の中で、東京のデスクの「中国経済好調の記事は短く、不調の記事は長く書け」との要求に悩まされると明かす。
その結果として、紙面を飾る中国関連記事のほとんどは「中国経済不調」のトーンになりがちという。
確かにGDP7%台の伸びを「中国7%台に減速、外需低迷響く」「力強さ欠く」といった見出しが躍る。
ちなみに日本は1%前後に低迷しているにもかかわらず、である。
昨年春には「シャドーバンキング(影の銀行)崩壊」を理由とした「7月危機説」日本の各紙に大見出しが繰り返し躍ったが、結局杞憂に終わった。
こうした中でも、
●.「矛盾だらけの中国という国家と、文化や知恵に富み義理人情に厚い中国人とを混同しない」(新聞社特派員)、
●.「善悪二元論的報道を避け、領土問題も政府の立場に縛られない多様な視野を提供する」(通信社特派員)、
●.「インタビューで中国人の率直な意見を紹介する」(新聞社特派員)
など、公正・客観報道に向け懸命に努力している姿も浮かび上がる。
ここに登場する記者たちは中国報道のプロだけに、どの論考も示唆に富み参考になるが、第3章にある「中国に傾斜するアメリカ」(通信社現ニューヨーク総局長、元中国総局長)は特筆に値する。
●.「米中はつくづく似ていると思う。(中略)自己主張が強く、それを押し通そうとする。
通らなければ別の方法を考える。
一度や二度失敗しても失敗しても決してめげない。
こうした中国人の行動パターンはアメリカ人にはとても理解しやすいかもしれない」
との分析は、米中事情に精通したベテラン記者ならではの卓見だ。
さらに同論考は
「中国は世界最大のスーパーパワーとしてアメリカにとって代わるか」
との質問に対する米世論調査結果を紹介。
それによると、日本人の回答は
★.「そうはならない」が72%。
★.ところがアメリカでは「取って代わった」「取って代わる」が47%と約過半数
に達した。
「アメリカは中国の超大国化をいずれ避けられない現実として、既に受け入れているのだ。
日本はそうではない」
というわけである。
「日米が結束して中国に対抗する」
という構図は揺るぎないという思い込みが、日本で強いように感じられる」と断じ、
「アメリカは日中関係における巨大なファクター。
その動向は日中の将来に決定的作用を及ぼすだろう。
国益を守るため中国といかにうまくやっていくか。
アメリカの徹底した現実主義は参考になると思われる」
と指摘している。
◆「見たくない現実」にどう向き合うか
折から、世界銀行国際比較プログラムが5月初め、最新の購買力平価換算(モノやサービスのコストで換算する、実態に近い数値)GDP(国内総生産)で、中国が今年、米国を抜いて世界最大の経済大国になる見通しを示した。
多くのエコノミストは中国が米国を抜くのは2019年になるとみていたが、大幅に前倒しとなった。
欧米では「中国の経済規模、米国を上回る」と大々的に報じられているが日本メディアではほとんど触れられていない。
日本の読者にとって、「見たくない現実」「不都合な真実」でも正確に伝えることが必要だろう。
本書を読み進むうちに、中国報道に携わる記者たちの、熱い思いがひしひしと伝わってきた。
国内に難題を多く抱える中国政府も、うっ積する民衆の不満をメディアによる「反日」報道を利用して抑え込んでいるとの見方も多い。
多くの中国メディア関係者の本音も聞いてみたいものだ。
(評・八牧浩行)
<日本僑報社刊、税抜1350円>
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ウォールストリートジャーナル 2014年 5月 07日 12:38 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304555804579546792202936078.html?mod=WSJJP_hpp_MIDDLE_Video_First
中国の不動産バブルは既に破裂=野村リポート
●吉林省(黒)と黒竜江省(赤)の第1四半期の不動産投資額の推移
これによると、住宅の供給過剰と不動産業者向け融資資金の不足が相まって、住宅市場の崩れを引き起こし、中国の国内総生産(GDP)の伸びが6%を下回ることもあり得るという。
野村の3人のアナリストは、既に不動産市場の下方修正は
「もし起きたら」ではなく「どれだけ厳しくなるか」
の問題になっているとした。
そして政府がこの問題を回避する手立てはあまりないと指摘、
アナリストの1人、ツィウェイ・ツァング氏は
「(この問題に)世界共通に対処できる正しい政策はない」
とした。
★.野村は中国について、世界の大手機関投資家の中でも最も弱気の見方をしており、
これまでも大胆な予測をしてきた。
たとえば4月初めには、中国の第1四半期の経常収支が赤字になると予想した。
最近発表された実際の数字は、黒字を保っていたもののここ3年の四半期ベースで最も小さい70億ドル(約7100億円)にとどまった。
こうした経緯もあり、野村の今回の不動産バブルに関する見立てが正しいのか、それとも空騒ぎに終わるのかはまだ分からない。
野村の見方の根拠は、中国の26省のうち4省で第1四半期の不動産投資がマイナスに転じ、その4省のうち黒竜江省と吉林省ではマイナス幅が25%を超えている、というところにある。
野村にとっては、これが他の省にも同様の問題が発生する警告と映っているわけだ。
不動産投資の落ち込みは、建設と販売の落ち込みにつながる。
そして不動産市場の中国経済に占める巨大な役割を考えれば、不動産市場の減速は中国のGDP成長率の減速を意味する。
★.ただ、野村が控えめに見立てている側面が1つある。
不動産と、鉄鋼やセメントなどの関連産業の中国GDPに占める比率を16%としている点だ、他のエコノミストはその比率を25%程度と試算している。
★.この野村リポートの発表後間もなく、スイス大手銀行のUBSが中国不動産市場のリポートを発表したが、弱気にみているものの、野村ほどではなかった。
「中国政府は不動産市場の下落に対しまだその軽減策や対処する意思も持っている」
とUBSレポートは分析した。
その対策は社会インフラ投資や不動産市場の規制緩和などを含んでいるが、それでも不動産市場に対する懸念を反映させて、 GDP成長率予測を
★.2014年について7.5%から7.3%へ、
★.2015年は7%から6.8%
へそれぞれ下方修正した。
実際、不動産市場に関して今年発表された指標は芳しくない。
中国の不動産についての民間データ会社のチャイナ・リアル・エステート・インデックス・システムは、同社が調査を続けている44都市で売上物件数ベースでは4月に前月比9%減となった、と発表した。
一方、4月の住宅の平均価格は前月比0.1%、前年同月比9.1%それぞれ上昇したとしている。
この伸び幅は、住宅市場が前回の下降局面から上昇に転じた12年半ば以降で最低となった。
ただ、この統計は10年から取り始めたもので歴史が浅い。
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ロイター 2014年 04月 30日 11:13 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0DG04T20140430
中国の富裕都市に忍び寄る「デフォルト連鎖」
[上海 28日 ロイター] - 中国・上海から南に約175キロに位置する浙江省杭州市。
主要工業地帯の長江デルタにあり、経済の成長エンジンの役割を担ってきた。
しかし今では、同国の不良債権の3分の1の発生源にもなっている。
中国メディアの報道によれば、杭州市の鉄鋼および繊維メーカーの間では、一部会社の債務不履行によって健全な企業にしわ寄せが及びつつあり、信用危機が起きつつあるという。
中国政府は、杭州市の萧山区を同国で7番目に裕福な地区と位置付けているが、繁栄の原動力の1つだった中小企業は、今や同市の足かせとなっている。
企業の借り入れを容易にするための相互の融資保証ネットワークが、新たなデフォルト(債務不履行)危機を引き起こしつつある。
中国紡織工業協会のロバート・ヤン氏は
「繊維業界は銀行にとって大きな借り手ではない。
相互保証が悪化し、繊維メーカーが引きずり込まれているというのが現状だ」
と語る。
中国企業の債務拡大は世界的な金融危機発生後から懸念されていたが、
当局が市場の役割を拡大させる方向に舵を切ったことで、
今年に入ってから一層問題視されるようになった。
中国では、民間企業が国有銀行からの融資に苦労することは珍しくない。
こうした傾向は、経済減速や信用状況の悪化、当局による過剰設備解消への取り組みによって一段と強まっている。
萧山区の鉄鋼・繊維メーカーは長江デルタの他の民間企業と同様、こうしたハードルを乗り越えるため、銀行から融資を受けるために相互に債務保証を行ってきた。
こうした相互保証により、一部企業の債務不履行が黒字企業をも巻き込む連鎖反応につながる恐れがある。
浙江省の銀行業監督管理委員会は今年2月、同省の経済構造調整は危機的な段階にあり、相互保証によって引き起こされるリスクはかなり大きいと警告した。
■<相互保証>
第一財経日報は、非上場のポリエステル糸メーカーのHangzhou Jianjie Chemical Fiberが最近、同社が債務保証した別の繊維メーカーがデフォルトしたことで破産を余儀なくされたと伝えた。
報道によると、Jianjieの破綻は別の繊維メーカー5社に影響を及ぼし、合計で30億元(約490億円)の融資が危機にさらされているという。
萧山区の銀行と企業の仲介役を務める団体のディレクター、Zhu Rujiang氏は同紙に対し、Jianjieが破綻した後、相互保証をしていた企業はさらに債務を引き受けざるを得なくなったと指摘。
「まだ債務に対処でき、会社の存続に影響はないだろうが、銀行が融資を引き上げないことが主な前提条件だ」
と述べた。
Zhu氏はロイターの電話取材に対し、コメントを差し控えた。
また同紙は、鉄鋼メーカーのHangzhou Zhongxin Steel Structure Manufactureが廃業し、12億元の銀行融資を他の4社が背負う可能性があると伝えている。
Zhongxinのウェブサイトはすでにアクセス不能になっている。
浙江省のもう1つの富裕都市である温州で中小企業連合の副会長を務めるZhou Dewen氏は、
「相互保証がもたらす危機は非常に深刻。
良い解決策が見当たらない」
と語った。
(Gabriel Wildau記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)
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【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】
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