2014年3月11日火曜日

IBM中国工場のスト、「強気の労働者」浮き彫り:ハイテク技術による中国の労働者の団結の怖さ

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●IBM中国工場のスト


International Business Times 2014年3月10日 13時41分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/55370/20140310/1394426511.htm

アングル:IBM中国工場のスト、「強気の労働者」浮き彫り

 中国・深セン市の米IBM(IBM.N)工場で発生したストライキは、中国の労働市場で起こっている構造変化を背景に、労働者が強気になっている現状をあらためて浮き彫りにした。
 安価な労働力に惹かれて中国に進出してきた多国籍企業にとっては、リスクになりかねない。

 中国のパソコン大手、レノボ・グループ(聯想集団)は今年1月、IBMの低価格サーバー事業をおよそ23億ドルで買収することで合意。
 深セン市のIBM工場では3月3日に、レノボの傘下に入るに際しての条件などが経営陣から発表された。
 この条件に不満を持つ1000人超の従業員が先週ストを決行、ストライキは9日になっても続いた。

 中国では、深刻な人手不足を背景に、労使関係における労働者側の力が増している。 
 また、スマートフォンやソーシャルメディアの普及を受けて、労働者の情報交換やストの組織が容易になっている面もある。

 労働問題に詳しい弁護士のデュアン・イ氏は
 「これまで長年にわたって搾取されてきた中国の労働者は、今や権利意識を高め、団結するようになっている。 
彼らは、集団行動という手段も持っている
と話す。

 中国労工通報が先月公表したリポートによると、2011年6月から13年12月末までに発生したストや抗議行動は1171件だった。

 現在ストに見舞われているIBM工場を抱える製造業の中心地・広東省では、ストの原因の多くは工場閉鎖や合併、移転への不満だという。

 ノキアの東莞工場では昨年11月、米マイクロソフトへの携帯電話端末事業売却に伴う労働条件変更を不満とするストが発生。
 8月には山東省で、アポロ・タイヤのクーパー・タイヤ&ラバー買収に反対して、5000人がストを行った。

 人手不足を受け、賃金は上昇傾向が鮮明。労働者確保に苦慮する経営側は、人員をつなぎとめるため労働条件改善を余儀なくされている。

 中国労工通報の中国労働問題専門家、ジェフリー・クロソール氏は
 「労働者も自分たちの力が強まっていることを知っている
と述べた。

 IBMは先週、深セン市の当該工場の労働者に提示した条件について「全体的に見て、現行の労働条件に匹敵する」ものであり、退職条件に関しても「公平」だと強調した。

レノボはコメントを拒否している。

■<スマホも一役>

 ハイテク技術も、中国の労働者の団結に一役買っている。

 ノキア工場のストのケースでは、労働者らはオンラインチャットシステムQQや、その他のソーシャルメディアを駆使して、ストを組織したという。

 ある労働者の話によると、IBM深セン工場の場合には、ノキアなど過去のストの事例について研究するなど、事前に準備を進めていた。

 専門家は、公的な労働組合の形骸化が、スト頻発の背景にあると指摘する。中国では独立系の労働組合は禁止されており、公的な労組である中華全国総工会は無力で、経営者側につくことも多いとされている。

 中国労工通報のクロソール氏は
 「職場に意思伝達経路がないため、労働者がとりうる唯一の手段はスト、ということになる
と指摘。
 「労組は役には立たず、マイナスの影響を及ぼすことすらある
と述べた。


 「強気の労働者」の存在は、いまは企業相手ではあるが、いっちょ何かが会った時はそれは政府当局相手に矛先を向ける可能性がある。
 スマホなどがストの連絡に使われ、労組の頭を通り越えてストライキが行われることになると、それはもう政府に対する反抗手段を持つことになる。
 おそらく当局は何らかの対策を考えないといけなくなるだろう。
 




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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