2014年3月16日日曜日

レアアース市場で中国の影響力が低下:各国の新素材開発や供給元開拓で

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レコードチャイナ 配信日時:2014年3月16日 6時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84975&type=0

レアアース市場で中国の影響力が低下、
各国の新素材開発や供給元開拓で―ドイツ紙


●12日、レアアース市場における中国の占有率と影響力が低下している。資料写真。

 2014年3月12日、ドイツ紙ディ・ヴェルトによると、希土類(レアアース)市場における中国の占有率と影響力が低下している。
 14日付で新華網が伝えた。

 4年前、中国はレアアース市場で独占的な地位を占めていたが、輸出制限や採掘制限を実施。
 世界各国はレアアースに変わる素材の開発を進めてきた。
 11年にはレアアースの価格が大幅に上昇、各国は中国に代わる供給元を求め、
 世界で新たに440カ所以上の鉱脈が発見されている。

 ドイツ連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)のデータによると、世界のレアアース市場では、
 10年には中国産が97.6%を占めていたが、13年には92.1%にまで低下。
 米国産とロシア産のシェアは、13年にはそれぞれ4.3%と2.3%に上昇した。
 中国は依然としてレアアース市場で強大な市場コントロール力を維持しているものの、競合などによって徐々にその影響力とシェアを落としている。

 世界全体の採掘量は、09年には13万3500トンだったが、13年には9万500トンにまで減少。
 同研究所は、現在の生産レベルを維持すると、
 すでに確認されている「埋蔵量だけで285年分」に相当すると試算している。



レコードチャイナ 配信日時:2014年4月6日 5時51分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86085&type=0

中国はすでに負けていた!
日中レアアース戦争の真実―中国紙

 2014年4月4日、重慶青年報によると、中国WTO研究院院長はこのほど、日中レアアース戦争で中国は最初から負けていたと指摘した。

 2012年3月、日本経産省は中国のレアアース、タングステン、モリブデンの輸出制限が世界貿易機関(WTO)ルール違反だとして、米国、欧州連合(EU)とともに提訴した。
 「提訴の時点で中国の敗北は必至だった。
 なぜなら違反は事実だからだ」
と対外経貿大学中国WTO研究院の張漢林(ジャン・ハンリン)院長は語った。

 ポイントは2点。
 第一に中国の輸出規制関連法がWTOルールGATT第20条(g)項
 「有限天然資源の保存に関する措置。
 ただし、この措置が国内の生産又は消費に対する制限と関連して実施される場合に限る」
に合致しているか。
 第二には中国の輸出関税は例外と認められるかだった。

 第一の件に関しては、中国はレアアースが枯渇の恐れがある資源だと主張していたが、国内での生産及び消費を規制していると証明ができなかった。
 第二の件については、例外と認められるためには影響を受ける関連国と事前交渉の必要があったが、その段取りを踏んでいない。
 二点とも中国の瑕疵(かし)は明らかだという。

 経済学者の郎咸平(ラン・シエンピン)氏は2012年3月、
 「中国はWTO加盟後、ルール違反で26回提訴され、全敗している。
 われわれの専門家、官僚のWTOルールに対する無知には驚くばかりだ。
 敗訴した後は民族感情をあおるような声明を発表し、官僚の失敗を隠しているが、
 問題の根源は中国官僚と専門家の無知にある
と厳しく指摘している。



サーチナニュース 2014-04-07 11:26
http://news.searchina.net/id/1529091

レアアースでWTO敗訴
・・・中国で自国批判の声「そもそも、わが国がルール違反だった」

 中国で、レアアース(希土類)を巡る日本との争いなどで世界貿易機関(WTO)で敗訴したことについて、自国当局を批判する文章の発表され、転載が相次いだ。
 重慶青年報は3日付で、「中日レアアース戦争」と題する文章を掲載し、
「WTO提訴は負け続け」、
「主要は原因は関係する官僚と専門家がWTOの規則を理解していないこと」
などと、専門家の声を交えて、自国当局を批判した。
 資源・エネルギー情報の専門サイト国能網や中国有色網などが6日付で同文章を転載した。  

 WTOの紛争処理小委員会は3月26日までに、中国のレアアース輸出規制を巡る問題で日本や米国、欧州連合(EU)が中国の措置を不当として共同提訴した件で、日本などの訴えを認めた。
 同委員会は中国に是正を求める中間報告をまとめ、関係国に通知した。
 重慶青年報は同問題について、
 「日本の経済産業省が米国とEUに呼びかけた上で、2012年3月13日付でEUに提訴」
と紹介し、中国の対外経済貿易大学中国WTO研究院の張漢林院長の
 「日本が提訴したその最初の瞬間から、中国政府の負けは決まっていた。
 なぜなら規則違反は事実だったからだ」
との言葉を紹介した。

  記事は、法律問題の専門誌「法制晩報」が日本などによるWTO提訴の約1週間後の同年3月20日付で、
 「中国が資源保護の目的で輸出規制をするのに必要な、自国内の生産や消費を行っているかが問題」
などと指摘する記事を発表。
 結論として「国際的な協力や意思疎通も欠け、独自に関税を引き上げる方法が現行のWTOの枠組みのもとで正当性がないことは明らか」の専門家の見方を紹介した。
  重慶青年報は法制晩報の記事を紹介した上で、
 「それから2年後に、WTOの専門チームが出した結論は、法制晩報が掲載した中国人専門家の見方と『驚くほど一致』」
と表現。
 それだけでなく、「ボーキサイトやコークスなど工業原料9種類の輸出規制が提訴された件では09年にも敗訴した」と指摘し、
 「われわれがWTOに加盟して14年になるが、(将来への教訓のための)授業料を払わなくてすむようになるのは、いつになるかも分からない」
と論じた。

  記事は、「レアアース戦争敗訴」の予言として、歯に衣を着せない当局批判で知られる、経済学者の郎咸平氏の2012年3月21日の意見表明にも触れた。
 郎氏は日本などによるWTO提訴について、
 「関連組織の専門家や官僚の、WTO規則についての能力低下を意味する」
と主張し、同時点において、
 「中国はWTOに26回提訴されで、すべて敗訴」
と指摘した。
  郎氏はWTOを巡る理念と現実についても言及。
 例として旅客機開発を挙げ、まずWTOの
 「政府は研究開発のために(企業に)補助金を与えてはならない」
との規則を紹介し、
 「欧米でも政府がエアバスやボーイング機開発に補助金を与える場合もあるが、科学研究などの名目にして上手に隠している」
と指摘。
  中国では旅客機開発について「498億元の補助をおこなった」などと、
 政府側が産業育成に対する支持を誇示するように発表している
ことを取り上げ、WTO規則に違反している
 「銅鑼(どら)と太鼓を叩いて世界中に告知している」、
 「輸出した途端、WTOに提訴される」
と主張した。

 記事は、2012年時点で、
 「中国がレアアース紛争で必ず負ける」
との予測と共に、中国に偏っていたレアアース生産の全世界への分散と、代替素材の開発などで、
 「中国は経済面でも政策面でも敗北する可能性がある」
との見方が日本で出ていたことも紹介した。
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◆解説◆ 
 郎氏が示した「航空機開発」の例は、「欧米は事実上のWTO規則違反をしている」との主張が含まれるが、
 欧米批判というよりも「まず形式面だけでも規則に合致させねばならない」との意識すらない中国側の「ルール意識のレベルの低さ」を批判するもの
と解釈することができる。

  同記事は専門家やWTOを担当する官僚を批判したが、中国と国際ルールの不整合が発生する“根”は、さらに深いところにもある。
  中国社会における組織は「トップダウン」の傾向が相当に強く、上層部の意向に対しては、実情をよく知る専門家も批判的意見を言いにくくなってしまう。

 2012年のレアアース輸出規制は明らかに、
 尖閣諸島の問題で対立する日本を「追い詰めよう」との目的だったが、
 共産党上層部が「なにがなんでも日本を叩く」と考えた場合、
 WTOの規則を熟知する担当者らも、「これはまずい」と考えていても、極めて逆らいにくくなってしまう。

 中国でも、日本などがWTOに提訴した直後から複数の経済専門家が「敗訴を予言」していることから、当局内の担当者が輸出規制が規則に抵触する可能性に気づかなかったとは考えにくい。
 つまり、共産党上層部が「すべてを超えて」支配する体質が、国としての「悪手」に直結したとも理解することができる。
 重慶青年報が、直接言及したわけではないが、記事にはレアアース輸出規制を決めたと考えられる、
 共産党・政府上層部の対日強硬論者を牽制(けんせい)する意味合いが込められていた
と解釈することもできる。
  重慶青年報は中国共産主義青年団(共青団)重慶市委員会の事実上の機関紙。
 共青団幹部出身者は中国の政界で「団派」などと呼ばれる一大勢力を作っている。
 「団派」に属する政治家は一般的に、愛国主義の過度の発揚に警戒的とされる。



レコードチャイナ 配信日時:2014年4月21日 0時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86847&type=0

米中のレアアース貿易訴訟戦が白熱、中国は反撃準備―中国紙


●17日、レアアースの輸出政策をめぐって、中国と米国の貿易訴訟戦が熱を帯びている。資料写真。

 2014年4月17日、レアアース(希土類)の輸出政策をめぐって、中国と米国の貿易訴訟戦が熱を帯びている。
 ある確かなルートからの情報によると、米国側は勝利の果実を大きなものにし、中国側を受け身の状態にするため、世界貿易機関(WTO)に上訴を提出した。
 一方、中国側は応戦の準備を積極的に進め、近日中にも上訴を提出する見込みという。経済参考報が伝えた。

 WTOは本部があるスイス・ジュネーブで現地時間の3月26日、米国、欧州連合(EU)、日本が中国のレアアース、タングステン、モリブデンの関連製品の輸出管理措置を訴えた案件での専門家チームによる報告書を発表し、中国の対象製品の輸出管理措置がWTOルールに違反していると判定した。
 WTOルールに照らせば、同報告書が発表されてから60日以内であれば、原告側も被告側も上訴を提出することができる。

 業界関係者によると、最近、中国商務部が数回にわたって弁護士や業界の専門家を招集して内部会議を開き、上訴の可能性や具体的な戦略を検討した。
 業界ではこの専門家チームによる報告書の判定には差別的な側面があるという見方が一般的で、上訴を支持する声が圧倒的多数を占める。

 中国レアアース協会の関係者によると、レアアース案件で敗訴した後、同協会は企業と専門家を組織して、今回の判定が業界にもたらす可能性のある影響を評価すると同時に、商務部と何度も検討を重ね、対応措置を準備してきた。
 国内のある大手レアアース集団の上層部が電話取材に答える中で述べたところによると、
 企業の側からみて最も心配なことは、レアアースバブルが崩壊した後、業界全体が低迷し、輸出も落ち込むこと、また敗訴によってレアアースの輸出管理政策が取り消され、レアアース価格が継続的に値下がりし、業界にとっては「泣き面に蜂」の事態になる可能性があることだという。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)





【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】


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