2014年3月14日金曜日

「戦地勤務手当」が付き始めた中国生態系汚染-①:中国は戦地同様の「困難な任務」の勤務地に

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●かすんでよく見えない青島(チンタオ)の開発地区。2014年2月25日撮影。


International Business Times 2014年3月14日 06時13分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/55488/20140314/394608.htm

パナソニックが中国駐在員の報酬アップ―「困難な任務」

 「困難な任務」といえば、普通は
 戦争で荒廃した国だったり、
 暴力的な反乱軍が政治を支配していたり、
というような状況を思い浮かべるだろう。
 中国は(少なくともまだ)そういう「戦争」状態ではないのだが、
 パナソニックは
 中国を「困難な任務(hardship posting)」の勤務地に分類した。
 大気汚染問題のためだ。

 パナソニックは中国の大都市の多くでPM2.5(微小粒子状物質)が高レベルで検出されていることを踏まえ、中国駐在員の手当を増額すると発表した。
 中国の大気汚染問題のため手当を増額すると明らかにした外国企業は初めてだ。

 AFP通信によると、パナソニックの中国駐在員はこれまでも、他国・地域の駐在員より多額の手当を受け取っていたが、その理由は明らかにされていなかった。
 しかし今回、初めて大気汚染問題が背景にあると明らかにされた。
 ただし、その手当の金額や、受け取る人数等については明らかにされていない。

 中国当局も、「公害手当」のアイデアに同意しているようだ。
 地元の北京ニュースによると、北京市役所のXie Chaohuaさんは、屋外で働く人々向けに「スモッグ手当」を呼びかけている。

 報道によると、Xieさんは共産党中央委員会の会議で「スモッグの影響から肺を守る」ことを訴えた声明を発表。
 建設労働者や公衆衛生従事者、交通警察官、宅配便業者など大気汚染の被害に直接遭う人々を守るべきだと提案した。
 Xieさんは、いわゆるスモッグ手当によって労働者が「肺を保護するために必要な品」を買えるようになると述べている。

 なお、Xieさんはスモッグ手当てのみならず、「スモッグ休暇」システムも提案している。

 中国国営メディアの新華社によると、中国の主な都市74のうち、国定の大気環境基準をクリアしたのは3都市だけだったという。


 いつかはそうなるだろうと多くの人が思っていたことが現実になった。
 もはや北京や上海はまともに勤務できるところではなくなっている、ということである。
★.まず単身赴任を原則とし、家族、特に小さなこどもは日本に残す。
  妊婦は絶対に渡中してはならない
★.次に勤務期間は1年として已む得ない場合にあっても1年半を超えてはならない
★.赴任に際しては入念な健康診断を行い、帰国したら数日の人間ドックを義務付け体内洗浄を行う
てなことが常識化するだろう。
 もはや中国は戦地的状況であって、平常な勤務のできるところではない。
 もし、十分な対策がとられずに赴任が行われるようならな、裁判沙汰にでもなりかねないだろう。
 つまり「危険な戦地に安全対策もなしに社員を送り込んだ罪」によって会社が断罪されることもありえる、ということでもある。
 中国とは戦地に準ずる危険な地域ということである。


AFP BBニュース 2014年03月13日 18:38 発信地:東京
http://www.afpbb.com/articles/-/3010269

パナソニック、中国駐在員の手当増額へ PM2.5問題踏まえ


●中国・北京(Beijing)で、マスクをつけて紫禁城(Forbidden City)近くの景山(Jingshan)公園を観光する男性(2014年2月26日撮影)。(c)AFP/Mark RALSTON


【3月13日 AFP】電機大手パナソニック(Panasonic)は13日、中国で深刻化しているPM2.5(微小粒子状物質)の問題を踏まえ、同国駐在員に対する生活環境差手当を増額すると発表した。
 中国で操業する外国企業では初の措置とみられる。

 この手当増額は、2014年春季労使交渉(春闘)における幅広い合意の中の1つ。
 今年の春闘では、4月からの増税による景気失速が懸念される中で、パナソニックやトヨタ自動車(Toyota Motors)などの大手企業が数年ぶりに基本給を引き上げるベースアップ回答を発表している。

 パナソニックの広報担当者は、PM2.5問題を踏まえた生活環境差手当の拡充については認めたが、その詳細や、中国で勤務する駐在員数を公表することは避けた。

 パナソニックの労使交渉文書は、日本とは異なる生活環境での任務を考慮し、中国の各都市に派遣される社員に対する特別手当を増額すると記し、PM2.5にも言及している。

 北京(Beijing)の米国大使館の発表によれば、同市のPM2.5濃度は1立方メートル当たり400マイクログラムをたびたび超えている。
 これは世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の安全ガイドライン基準(同25マイクログラム)の16倍以上に当たる。
(c)AFP


 「準戦地」に駐在員を送り込めるのは大企業のみだろう。
 それ以外の企業は中国への進出は出来ない。
 これまで進出していた企業は自然環境の悪化とともに日本人社員を引き上げざるを得なくなる。
 このことからも企業の中国撤退がここ数年で相当なスピードで進行すると思われる。
 特に中小レベルの企業は積極的に撤退に動かざるをえなくなる。
 このパナソニックの決定はその動きに名分をつけ後押しすることになる。
 「パナソニックがこういう決定を下しているのに、我が社はどうなのか」
という判断に迫られてくる。
 つまり中国の環境問題が今後の経済を左右することになる。
 中国とは砲弾の代わりに生態系汚染が飛び交う戦場、
だということである。
 そこで
 社員を派遣するに万全の対策のとれる企業しか進出できない場所
だということにもなる。

 国を強化するにはまず経済発展を実行し、そして軍事力をつけていく。
 この2つがマッチングしたとき、世界に強国として進出できる。
 中国もその道を着実に歩んでいる。
 しかし、その経済発展は予想を超えてあまりに急激であった。
 一般国家ならできないことをやってのけた。
 なぜそんなことができたのか。
 禁じ手を使ったからである。
 それは、経済発展の見返りに国土、すなわち生態系環境を人身御供にさしだした
のである。
 国土を「産業汚染廃棄物捨て場」にすることによって経済成長の期間を短縮した
のである。
 すなわち生態系環境を犠牲にすることによって圧縮経済を成功させた
のである。
 その結果、確かに経済は発展した。
 軍事化の道も開かれてきた。
 だがしかし、そこには「無理」というものが残ってしまった
 これからその溜まったツケがどんどん表面に浮き上がってくる。
 生態系環境を破壊された自然は生物をまかないきれなくなる。
 中国はプラスの発展を終え、これからはそのことによって生じたマイナス発展の道を歩むことになる。
 おそらく悲しいがその現実がもう目の前に姿を見せている。
 破壊された生態系環境を修復するのは容易なことではない。
 もう中国に輝ける発展は見込めないだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2014年3月15日 22時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84958&type=0

中国初!パナソニックが大気汚染手当を導入―米華字メディア


●13日、パナソニックが中国駐在員に大気汚染手当を支給する。大気汚染を名目とした手当は中国でも初。写真は上海の大気汚染。

  2014年3月13日、米華字ニュースサイト・多維新聞によると、パナソニックが中国駐在員を対象に大気汚染手当を支給する。ことを決定した。
 現地採用の従業員には支給されず、中国に駐在する外国人従業員だけが対象となる。

 PM2.5問題を筆頭に中国の大気汚染、環境汚染は世界的な注目を集めているが、環境汚染を名目とした補助金の支給はパナソニックが初。
 中国でも汚染に対する注目は高く、先日閉幕した全国人民代表大会では李克強(リー・カーチアン)首相が汚染との闘いを宣言している。



レコードチャイナ 配信日時:2014年3月16日 17時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84994&type=0

パナソニックが中国駐在員に汚染手当を支給、中国人は対象外―英紙


●14日、パナソニックはこのほど、中国の一部都市の高濃度PM2.5の測定値を基準とし、深刻な汚染による中国駐在員の損失を補償するため手当を支給することを発表し、グローバル企業の中では先例となった。写真は空気清浄機の広告。

 2014年3月14日、パナソニックは中国の一部都市の高濃度PM2.5の測定値を基準とし、深刻な汚染による中国駐在員の損失を補償するため手当を支給することを発表し、グローバル企業の中では先例となった。
 英フィナンシャル・タイムズ紙が伝えた。

 パナソニックは上述した手当を支給される中国駐在員の人数と具体的な金額については明らかにしなかった。
 中国人社員は手当の支給対象外となる。
 その他の企業は最近になり、中国駐在員の福利厚生費をひそかに引き上げているが、
 パナソニックは同問題を公式に認めた初の企業となった。

 調査会社RMG Selectionのロバート・パーキンソン氏は、
 「同問題でこれほど率直に表明した企業は初めてだ。
 通常は開発途上国手当と粉飾する」
と指摘。
 「これはまるで、企業が社員を命の危険がある環境に送り込んでおり、
 これを認めるから手当を支給すると言っているかのようだ
と語った。

(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF)


サーチナニュース  2014/03/16(日) 10:21
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2014&d=0316&f=business_0316_002.shtml

パナソニックの「大気汚染手当」に見解分かれる、
「良心的な企業」「中国人従業員も主張すべき」=中国版ツイッター


●.パナソニックが13日、2014年春季労使交渉における合意のひとつとして、中国駐在員に対する生活環境差手当の増額を発表したと中国メディア・環球網が報じた。

 環球網は、パナソニックが一部の都市で高い数値となっているPM2.5のデータを根拠に、中国に駐在する従業員へ大気の重度汚染の危害を補償するための「(大気)汚染手当」と伝えている。
 中国で操業する日本企業では初めてとされるが、中国人従業員には支給されないという。
 手当の対象になる従業員数や具体的な金額については明らかにされていない。

 中国の簡易投稿サイト・微博で経済情報を伝える専門アカウント新浪財経は
 「パナソニックが日本人社員には大気汚染手当を支給する一方、中国人社員には支給しない方針」
であることを紹介し、
 日本人が深刻な大気汚染に見舞われる中国に赴任することは
 「苦労ばかりで得るものの少ない仕事
であるためと論じたところ、微博ユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
 
 微博ユーザーらの反応は、大半が“中国人従業員に手当が支払われない”ことに対する反発で、★.「中国人従業員はこの空気を吸っていろということか」、
★.「小日本は中国人をイジメている! なんて憎らしいんだ!」
など、不公平だとの意見が多く寄せられた。

 そのため
★.「手当をもらえない従業員はみんなで1週間ストライキをしたらいい。
 そうすればパナソニックは誰に手当を支給すべきかが分かる」
というユーザーもいて、中国人従業員に「手当を主張すべき」との意見が並んだ。

 しかし、
★.「日本人に手当が出るのは“汚いところに行かなければならない”からだ。
 中国人はもともと汚いところに住んでいるのだから仕方ない。
 これは事実だから罵(ののし)ってもどうしようもないさ」
と、道理にかなったコメントを寄せるユーザーや、
★.「パナソニックは良心的な企業だな」、
★.「何も間違っていない」
と、パナソニックの対応を評価するユーザーもおり、冷静な見方のできる中国人も少数ながらいるようだ。

 結局のところ、
 パナソニックが「大気汚染手当」を支給せざるを得ないということは
 日本人社員が“大気汚染が深刻な中国”に赴任したがらない
からではないだろうか。
 ネットユーザーからも
★.「今回の件は中国の恥であると同時に、自分でまいた種でもある」
というコメントがあり、中国には早急に大気汚染を改善すべく取り組みをしてもらいたいものだ。



レコードチャイナ 配信日時:2014年4月12日 20時58分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86402&type=0

パナソニック「大気汚染手当ではない」と否定
=「差別だ」の声に回答―中国メディア


●11日、人民網によると、先月、パナソニックが中国駐在員を対象に大気汚染手当を支給すると報じられた件について、パナソニックが「大気汚染手当ではない」と説明している。写真は上海。

 2014年4月11日、人民網によると、先月、パナソニックが中国駐在員を対象に大気汚染手当を支給すると報じられた件について、パナソニックが「大気汚染手当ではない」と説明している。

 一部メディアは、パナソニックが日本から中国に赴任する社員にPM2.5などが体に及ぼす影響の保障として「大気汚染手当」を支給すると報道し、中国人は対象から外れるとされたことから、「差別だ」などの不満の声が上がっていた。

 これについてパナソニックの広報担当者は9日、人民網の記者に対して「今回計画している手当は、中国の大気汚染と公害のためだけに支給するものではなく、海外駐在社員の『生活環境補助』の一部だ」と説明した。

 また、
 「この手当増額は、2014年春季労使交渉(春闘)における幅広い合意の中の1つ。会社の規定により、海外常駐社員の手当は2年ごとに居住国の環境、治安などの変化によって調整される。
 中国の“PM2.5”や“スモッグ”も手当増額の根拠として報告書に記載しているが、手当の支給はまだ確定していない」
とした。

 多国籍企業において、海外支店の職員の待遇はその支店が置かれる国の関連規定をもとに決定される。
 パナソニックが手当の支給を日本から中国に派遣された社員に限っているのは、日本国内の労働法規に基づいているからであり、中国で採用された職員は含まれないのである。


 戦地手当は戦場外地に赴任した時に生じる。
 自国が戦地なら手当なない、というのが妥当だろう。
 このやりとりをみると、やはり日本企業が中国に進出できる条件は「大企業に絞られる」ということになる。
 もはや、中国は日本の中小企業が業務できる場所ではなくなりつつある
ということである。
 これまで猫も杓子もと中国にはゼニが転がっていると出ていった企業が、これで淘汰される。
 よほど中国が欲していて優遇される産業か、あるいはあらゆるイヤガラセに耐えて利益を出せる企業か、この2つしか中国には残れない。
 その結果として日本の中国への企業進出は巨大な壁に阻まれる場所への動きになる。


 それを覚悟で出て行かれる体力のあるものしか展開出来ない市場に変貌するということである。


レコードチャイナ 配信日時:2014年3月22日 18時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85364&type=0

中国の大気汚染は新生児に影響、学習能力や記憶能力の遅れも―米メディア


●20日、中国で10年前に閉鎖された石炭火力発電所の影響を受けた女性が生んだ子供たちに、学習能力の遅れなどの障害が多く見られることが研究の結果、明らかになった。資料写真。

  2014年3月20日、米ブルームバーグによると、中国で10年前に閉鎖された石炭火力発電所による大気汚染の影響を受けた女性が生んだ子供たちに、学習能力の遅れなどの障害が多く見られることが研究の結果、明らかになった。
 21日付で人民日報(電子版)が伝えた。

 2004年、重慶市銅梁県の石炭火力発電所が閉鎖された。米科学誌プロスワンに掲載された米コロンビア大学と重慶医科大学の共同研究報告によると、同発電所の閉鎖直前に生まれた新生児の臍帯(さいたい)血中のたんぱく質が、閉鎖後に生まれた新生児に比べて極めて少なかった。
 このたんぱく質は大脳の発達に不可欠だという。

 さらに、閉鎖直前に生まれた子供が2歳になった時点で調査すると、学習能力と記憶能力に遅れが見られた。
 この報告の中心的執筆者であるコロンビア大学の唐徳良(タン・ダーリアン)氏は、
 「これほど明確な差があるとは予想外だった。
 有効な政策が地域住民にどれほど大きな影響を与えることができるかを示している」
と語った。

 この研究報告は中国の大気汚染が住民に与える深刻な影響を裏付ける形となった。
 昨年10月、世界保健機関(WHO)は大気汚染物質に発がん性があることを認定している。



【参考】

2013/12/05 19:14   【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201312/CN2013120501002043.html

外務省、北京大使館の手当増額へ 大気汚染で

 外務省は中国・北京での微小粒子状物質「PM2・5」による大気汚染深刻化を踏まえ、北京の日本大使館員に支給される一部の手当を2014年度から増額する調整に入った。
 14年度予算案計上へ向け、財務省と具体額を折衝している。
 認められれば、大気汚染を理由にした引き上げは初めてという。
 外務省筋が5日明らかにした。

 増額が検討されているのは、勤務地のインフラや治安など勤務条件を評価した「特勤度」に基づく手当。
 この手当は9ランクに分かれ、勤務条件が厳しいほど手厚くなる仕組みとなっている。




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】




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