2014年3月31日月曜日

だんだん似てくる「悪口おじさん(習近平)」と「告げ口おばさん(朴槿恵)」の袋小路外交

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朝鮮日報 記事入力 : 2014/03/31 09:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/31/2014033100709.html

習近平主席の日本たたき、ドイツで本格化

 中国の習近平国家主席は29日、ドイツで
 「日本軍国主義は第2次世界大戦で南京を侵略し、30万人以上の軍人や市民を殺害する前代未聞の惨状を引き起こした」
と述べた。
 習主席は21日から4月1日までの日程でオランダ、フランス、ドイツ、ベルギーを歴訪している。

 習主席はベルリンのケルバー財団で行った講演で
 「中国には『前事を忘れず、後事の師とする(前事不忘、後事之師)』という言葉がある」
と続けた。
 この言葉は南京大虐殺紀念館に掲げられている。
 中国の最高指導者が海外で日本の歴史問題を公に批判するのは前例があまりない。
 習主席が中日の「歴史戦争」に直接乗り出した
のではないかとの分析も聞かれる。

 日本の外務省は30日、在日中国大使館の公使を呼び、習主席の発言について抗議した。
 菅義偉官房長官は
 「人数についてはさまざまな意見がある。
 極めて遺憾だ。
 第三国で中国の指導者が日本の歴史に対してあのような発言をしたのは極めて非生産的だ」
と述べた。

 ドイツのDPA通信は、日本が高官クラスの代表団を欧州に派遣し、日本の立場を説明することになると伝えた。
 歴史と領土をめぐる中日間の対立はますます深まる様相を見せている。

 習主席は同日、
 「日本の軍国主義が起こした中国侵略戦争で、中国の軍人や市民3500万人が死傷する惨劇が起きた。
 中国人民はそうした惨劇の歴史を骨身にしみて生々しく記憶している」
と述べた。
 習主席はまた、中国の国防予算について質問を受け
 「中国はアヘン戦争以降、列強の艦船や大砲の奴隷になった歴史的な悲劇を繰り返さない。
 中国は自らを防衛するための国防力を必ずや備える」
と語った。

  習主席がドイツを「日本たたき」の場所に選んだのは「ドイツのように過去の歴史を反省しろ」というメッセージを日本に送る狙いがあるとの分析が有力だ。

 ブラント元西ドイツ首相は1970年12月、ポーランド・ワルシャワのユダヤ人犠牲者慰霊碑を訪れてひざまずいた。
 これに対し、日本の安倍晋三首相は第2次世界大戦の戦犯を合祀(ごうし)した靖国神社を参拝した。

 習主席が同日の講演でブラント元首相の「歴史を忘れた者は同じわだちを踏む」という発言を引用したことも、日本の歴史に対する反省を求めるためだった。
 習主席はまた「この瞬間、思わず中国人民が尊敬するドイツ人の友人を思い出す。
 ジョン・ラーベは南京で他の外国人10万人と共に、中国人約20万人が滞在できる安全区を設けた」と述べた。
 その上で「ラーベは日記に大虐殺の内幕を詳細に書いており、これは当時の歴史の重要な証拠になった」とも指摘した。
 「中国版シンドラー」と呼ばれるラーベを登場させ、日本たたきの素材として活用した格好だ。

 北京駐在外交筋は同日
 「習主席が直接『歴史戦争』に乗り出したのは、安倍首相に期待するのをやめたことを意味する。
 中国が対日批判を強めるほど、民族主義傾向が強い中国人民は習近平指導部を支持するようになる」
と指摘した。

 一方、ドイツのクラウス駐日大使は29日、香港紙サウチャイナ・モーニング・ポストのインタビューで、
 「ドイツの歴史に対するアプローチが中国と日本の緊張を高める上で利用されるのを目にしたくはない」
と述べた。

 ドイツは習主席によるホロコースト記念館訪問を拒否するなど、中日間の歴史紛争に巻き込まれない立場を取っている。


 尖閣問題では日本の歴史論理性を打ち破ることができなかった。
 領有権は単に「固有の領土」というだけではダメで、
 周囲を納得させるだけの法的な合理性・論理性
が求められる。
 しかし中国はそれを示すことできなかった。
 日本の論理の方がはるかに合理性があり、法に則っていると思わせるものをもっている。
  そのために、
 中国は打つ手を失って袋小路外交に陥ってしまった
という感がする。

 最近の習近平は韓国の朴おばさんに限りなく似てきたようである。
 悪口では外交にならない。
 溜飲を下げるだけなら政治家はいらない。
 小国が大国に歴史を持ちだして噛み付くことは許される。
 韓国が日本につっかかってくることは已む得ないことだろう。
 しかし、大国が小国におなじことをすることはできない。
 それは大国というものの有り用にかかわる問題になってくる。
 大国の品性品位になる。
 中国がそれをやるということは、もう
 手駒がなくなってしまっているということを宣言している
ということにもなる。
 破れかぶれでなんでもかんでも
ということである。
 そういう動きは大国のあり方にはそぐわない。
 大国は破れかぶれで動いてはいけない。
 それは大国がやってはいけないことの重要なひとつでもある。
 周りは中国という大国のあり方に疑念を抱くようになる。
 大国はどこまでも理性的であることで価値を生み出している。
 その理性を失ったら
 小国のジェラシーと何らかわらなくなる


レコードチャイナ 配信日時:2014年4月1日 6時33分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85805&type=0

習近平主席がドイツ訪問で手に入れたい5つのものとは?―ドイツ紙


●28日、中国の習近平国家主席はこのほどドイツを訪問したが、中国がドイツに求めているものは何だろうか。写真はドイツ・ベルリンの国会議事堂。

 2014年3月28日、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングは、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席がドイツを訪問し、ガウク大統領やメルケル首相と会談したことに関連し、中国がドイツに求めているものを指摘した。
 30日付で中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 中国との交流で、
★.ドイツ経済界が求めるものは新たなマーケットであり、
★.ドイツ政界が求めるものは北朝鮮やシリア、イラン、ロシアなど“不安定な行動”を起こす国とのコミュニケーション
★.それに地球温暖化問題など大国としての国際的な責任だ。

★.一方、中国は何を求めているのか?
それは次の5つである。

1.技術
 中国はドイツの先進的なテクノロジーに興味を示しており、その見返りとして巨大なマーケットを提供しようとしている。

2.高付加価値を生みだす機器・設備
 中国は自国製品をより優れたものにしようとしており、そのための機器・設備を必要としている。
 中国は世界最大の機器・設備生産国ではあるものの、品質という観点から見ればドイツとは比べ物にならず、中国がドイツから輸入する専門機器・設備はますます増加している。

3.超一流のブランド
 中国はドイツ自動車産業にとって最も重要な市場だ。
 フォルクスワーゲンが販売する自動車は4台のうち1台は中国市場で売れている。
 中国人はドイツの品質や技術、特にドイツのブランドイメージに大金を使う意向を持っている。

4.クリーンな環境
 中国人は悪化する環境汚染に大きな不満を抱いており、中国はドイツの経験と技術を必要としている。

5.尊重
 習主席は
 「友好は尊重、信頼、寛容の基礎の上に成立するが、国家の交流もまたしかりだ」
と語っている。


 5番目の「尊重」というのは儀礼的「ヨイショ」だと思うが、
 それ以外は的確に状況を見ているように思われる。
 日本に代わる国として様々な技術をドイツに求めている
ことがよく伺える。


AFP BB ニュース 2014年04月05日 15:54 発信地:フランクフルト/ドイツ
http://www.afpbb.com/articles/-/3011824?ctm_campaign=topstory

中国とドイツを結ぶ渝新欧鉄道、将来性に期待高まる

 
● ドイツ西部デュイスブルク(Duisburg)で、渝新欧鉄道(Yuxinou Railway)の路線図の前に座る(左から)ジグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)独副首相、習近平(Xi Jinping)中国国家主席、ハンネローレ・クラフト(Hannelore Kraft)独ノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州首相(2014年3月29日撮影)。
(c)AFP/DPA/FEDERICO GAMBARINI

【4月5日 AFP】「渝新欧鉄道(Yuxinou Railway)」は中国内陸部の大都市、重慶(Chongqing)とドイツ西部の工業都市デュイスブルク(Duisburg)を結ぶ貨物鉄道だ。
 「現代のシルクロード」と呼ばれ、欧州―アジア間の輸送を大きく変えると期待されている。

 2011年に全線開通した渝新欧鉄道は全長約1万1000キロ。
 中央アジア、ロシア、ベラルーシ、ポーランドを経由する。

 ライン(Rhine)川とルール(Ruhr)川の合流点に位置するデュイスブルクは、世界最大級の内陸港を有するドイツ有数の輸送中継拠点。
 一方、重慶には、米アップル(Apple)製品を製造する台湾の大手電子機器メーカー、富士康集団(フォックスコン、Foxconn)や台湾パソコン大手エイサー(Acer)、自動車部品メーカーなどの工場が集積する。

 重慶―デュイスブルク間の輸送所要日数はわずか16日で、海上輸送よりも20日以上短縮できる。
 中国の主要海港から1500キロ離れている重慶にとって、この鉄道の役割は特に大きい。
 デュイスブルク港の広報を担当するユリアン・ベッカー(Julian Boecker)氏はAFPに「この鉄道には単なる象徴的な意味合い以上の価値がある」と話す。

■速さは海上輸送の2倍、コストは航空輸送の半分

 採算性を向上させるため、欧州行きと中国行きの両方向で貨物量を増やすことが課題だ。
 渝新欧鉄道は最大でコンテナ50個分の積載能力を持つが、デュイスブルクに向かう際は貨物がいっぱいで中国へ戻る時は空っぽということも珍しくない。
 ドイツの鉄道コンサルティング会社SCIフェアケーア(SCI Verkehr)のマリア・レーネン(Maria Leenen)ディレクターは
 「現段階では中国から欧州に向かう貨物の方がはるかに多い
 これは問題だ」
と話した。

 数百年前に、アジアと欧州をつなぐ交易路シルクロードに徐々に取って代わっていったのは海上輸送だ。
 物流コンサルタント会社ISLのブルクハルト・レンパー(Burkhard Lemper)氏によると、
 アジアと欧州との間の貿易量の95%以上は船による輸送だという。

 貨物輸送市場における鉄道のシェアはまだ小さく、渝新欧鉄道は現在の輸送システムを補完しているに過ぎないが、デュイスブルク港の運営会社のエリッヒ・シュターケ(Erich Staake)社長は
 「鉄道は、速さは海上輸送の2倍でコストは航空輸送の半分」
と話した。

 SCIフェアケーアのレーネン氏は
 「鉄道輸送の歴史はまだ浅い。
 安全や定刻運行、関係国の政情などの面で問題がなければ将来性はある」
と話した。

(c)AFP/Estelle PEARD



レコードチャイナ 配信日時:2014年4月6日 19時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86108&type=0

メルケル独首相、習近平主席に“毒入り”プレゼントを贈る―中国


●4日、RFI中国語版は記事 「メルケル独首相が習近平主席に贈った中国の古地図が議論招く」
を掲載した。 メルケル首相が習主席に贈ったプレゼントが“毒入り”だと話題になっている。 写真はメルケル首相。

 2014年4月4日、RFI中国語版は記事
 「メルケル独首相が習近平主席に贈った中国の古地図が議論招く」
を掲載した。

 3月末、習近平(シー・ジンピン)国家主席はドイツを訪問し、メルケル首相と会談。独中両国は緊密なパートナーシップをアピールした。
 一見すると、良好な関係を築いているかのように見える。
 しかしメルケル首相が習主席に贈ったプレゼントが“毒入り”だと話題になっている。

 贈られたのは中国の古地図。
 宣教師がもたらした情報をもとにフランス人が描いたもので、1735年時点での清朝の領域を示している。
 しかし地図では新疆、チベット、内モンゴル、尖閣諸島は清朝の領域外とされている
 表向きは中国との関係強化をうたいながら、領土問題や人権問題できついお灸をすえたとの見方が広がっている。

 さすがにこの地図は問題ありと中国側は判断したのだろうか、一部中国メディアは贈呈されたものとは違う古地図を掲載した。
 すげ替えられた地図を見たネットユーザーが「メルケル首相は中国のチベット、尖閣領有を支持している」
と喜ぶ一幕もあった。




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】




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2014年3月30日日曜日

案外弱い中国の戦闘力と軍の士気:兵器の数は増大するが、兵士のモチベーションは低下

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●「世界の軍隊ランキング トップ10」 赤い方が1位に近く、薄い黄色に近づくほど下位となる。 (IBTImes)


International Business Times 2014年3月26日 05時54分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/55922/20140326/980321.htm

世界の軍事力ランキング:米国とロシアはどちらが強い?

グローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)が「世界の軍事力ランキング2014年版」を発表した。
 世界の軍隊のトップ10内には、米国やロシア、日本が入っていることがわかった。

 世界の軍事力の強さは1位から順に、
1].米国、
2].ロシア、
3].中国、
4].インド、
5].英国、

6].フランス、
7].ドイツ、
8].トルコ、
9].韓国、
10].日本
となっている。

 日本については、
 「西側で中国が勢力を伸ばしている中、日本は自国の権力の構築に懸命である」
と評価されている。
 日本の防衛予算は491億米ドルで、ランキング3位の中国の1260億米ドルの40%ほどの規模だ。
 また予備軍人を含めた人員数は、日本が約30万人である一方、中国は450万人と、およそ15倍となっている。
 ただ、総人口に10倍以上の開きがあることは考慮すべきだろう。

 グローバル・ファイヤーパワーのランク付けでは、世界106か国の軍事力を50以上の指標から総合的に評価している。
 ゼロに近づくほど、強い軍事力を持った国としてランク付けしており、
 3位の中国は0.2594
 10位の日本は0.5581、
となっている。

 指標には、軍人数や兵器の装備、予算額、地理的要因などが含まれる。
 しかし、核保有力については評価対象に入っていない
 GFPは「各国の陸上、海上、空中での戦争を行う能力」のみを考慮したとしている。

 また、天然資源への依存度も加味したほか、海防の必要のない国に海軍力がないことなども考慮して、ランク付けをしているという。

 ランキング1位の米国は、防衛予算が6125億米ドルで、同2位のロシアは766億米ドル。
 予算額だけを見れば、8倍近い開きがある。
 ところが、兵士の人数はロシアが310万人で、米国が220万人となっており、米国の方が若干少ない。
 総人口はアメリカの方が2倍ほど大きいのにである。
 GFPのランク付けを見ると、
 1位:米国が0.2208、
 2位:ロシアが0.2355
 3位:中国は0.2594
と、僅差になっている。

 なお、GFPは、現在の政治的・軍事的なリーダーシップは、ランクには反映されていないと明言している。



レコードチャイナ 配信日時:2014年3月31日 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85800&type=0

案外弱い中国の戦闘力と軍の士気――対日強硬路線は戦意高揚のためか


●中共中央軍事委員会は「中央軍事委員会深化国防和軍隊改革領導小組」(国防と軍隊改革を深化させる中共中央軍事委員会指導グループ)なる、非常に長い名前の領導小組(指導グループ)を設立した。写真は中国空軍機。

◆中共中央軍事委員会が新指導グループを設立

 2014年3月15日、中共中央軍事委員会は「中央軍事委員会深化国防和軍隊改革領導小組」(国防と軍隊改革を深化させる中共中央軍事委員会指導グループ)なる、非常に長い名前の領導小組(指導グループ)を設立した。
 組長は習近平、副組長は軍事委員会副主席の範長龍(陸軍)、常務副組長は軍事委員会副主席・許其亮(空軍)だ。

 同日開催された第一次全体会議で、習近平は中共中央軍事委員会主席として「重要講話」を行った。
 その内容は
●. 「国防と軍隊改革を深化させよ」
●. 「思想と行動を党中央と中央軍事委員会の決定に統一させよ」
●. 「強軍目標を軸として改革を促進せよ」
●. 「強固な国防と強大な軍隊を目指す」
など抽象的なものが多い。

 それがいくらか具体的に見え始めたのは、3月17日に全軍と武装警察部隊の各地域各レベルの中国共産党委員会に出された司令だ。
 中共中央軍事委員会は各支部の会議室に
 「毛沢東、トウ小平、江沢民、胡錦濤、習近平の標語を掲げること」
という奇妙な命令を出したのである。

 たとえば毛沢東の「正確な政治的方向と、質素で艱難辛苦に耐える気風および機動的な戦略戦術を指し示せ」とか、胡錦濤の「党への忠誠、国に報いる崇高な使命感」あるいは習近平の「党の指揮に従い、戦勝を収める」といった具合に、標語の文言まで指示している。
ここからは以下のことが読み取れる。
1. 軍隊に政治性をしっかり持たせること。
2. 軍隊が腐敗の温床となって軍規律が乱れており、党への忠誠に欠けている(特に中年以上の兵士や幹部は贅沢に慣れ、私腹を肥やすことに専念している)。
3. 若い兵士には艱難辛苦に耐えるガッツはない。

◆戦意がない「一人っ子世代」の兵士たち――薄弱な戦闘力

 この視点の正当性をさらに裏付ける通達が3月20日に発布された。
 題して「軍事訓練実戦化のレベルアップに関する意見」。
 「いつでも戦える準備をし、戦ったら必ず勝利すること」という習近平政権発足以来のスローガンを前提として、「本当に戦うんだ、ということを兵士に学ばせろ」ということを中心に、「教育」とか「使命感・緊迫感を持て」といった言葉が目立つ。
 筆者はこの「教育」という言葉に注目した。
 よくよく見れば、3月15日の新指導グループ第一次会議における習近平の重要講話の中には
 「戦闘力の薄弱さを認識して、改革の方向を定め、問題点を明確にせよ
という趣旨の文言までがある。
 これでようやく分かった。
 つまり、これら一連の動きから見えて来るのは
 「戦争を知らない若い解放軍世代に、
 戦争の実感をたたき込み、実践力を学ばせろ
という、
 中国の戦闘力の「思わぬ落とし穴」
だ。
★.中国の軍事費増加は前年比12.2%増(2013年)と大きいものの、
★.戦意となると、一人っ子世代が大勢を占めているため、意識高揚でもしない限り上がらない。

◆対日強硬批判は戦意高揚のため?

 中央テレビ局CCTVでは毎日のように日本がいかに右傾化しており、「日本軍国主義」への道を歩もうとしているかを、これでもかこれでもかと報道し続けている。
 この先鋭化する対日批判は、歴史カードを用いてアメリカを弱体化させ日米分断を謀るためだと筆者は論じてきた(詳細は拙著『完全解読 「中国外交戦略」の狙い』に書いた)。  
 しかし中国が展開する「日本軍国主義化」を中心とする「日本脅威論」は、案外、この「教育」を目的の一つとしているという確信を、軍事委員会新指導グループ設立と新しい通達により得ることができた。

 もっとも重要講話の中には「軍隊組織形態の現代化」という言葉があり、従来の陸海空軍以外に第二砲兵部隊(情報、偵察、核ミサイル迎撃を含む戦略ミサイル部隊)を重視した再編成が成され強軍に向かうのも事実だ。
 しかし中共中央政治局会議は「戦争はしない」という意思を示唆している。
 強軍目標は日米に対する防衛的な威嚇のための軍事力作り
とみなすべきだろう。
 武力から見た戦闘力においても、中国はとてもアメリカの武力には及ばない。
 それは命令指揮系統が「純粋な軍」ではなく、軍は「党の軍」であり、軍事委員会の「総政治部」が大きな力を持っているからだ。

 そのことは3月17日の命令である「毛沢東の標語」(政治方向性を定めよ)にも如実に表れており、また胡錦濤や習近平の「党への忠誠」とか「党の指揮に従う」にも表れている。
 それ故に戦闘指揮系統や作戦戦略に関しても、脆弱さを本質的に抱えているのである。

<遠藤誉が斬る>第28回)

遠藤誉(えんどう・ほまれ)
筑波大学名誉教授、東京福祉大学国際交流センター長。1941年に中国で生まれ、53年、日本帰国。著書に『ネット大国中国―言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン―中国を動 かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ毛沢東になれなかった男』『チャイナ・ギャップ―噛み合わない日中の歯車』、『●(上下を縦に重ねる)子チャーズ―中国建国の残火』『完全解読「中国外交戦略」の狙い』、『中国人が選んだワースト中国人番付』(4月1日発売)など多数。


 単純にいうと、
 中国兵士は「中国共産党バンザイ!」で死ねるか、その覚悟が作れるか、
であろう。
 拝金主義を唯一の社会思想にしてしまった現在において、
 財を捨てても可とする行動がとれるか
である。


JB Press 2014.04.03(木)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40341

あなどってはいけない、
本当の強さを身につけつつある中国海軍
アメリカ国防産業協会が伝える中国海軍増強の現状


 アメリカ海軍はマレーシア航空370便捜索活動に新型海洋哨戒機P-8ポセイドンを投入しているものの、漂流物発見回収用の艦艇を派遣していない。
 というよりは派遣する余裕がないと言った方が的確かもしれない。

 そんなアメリカ海軍とは対照的に、中国は海軍艦艇や海洋監視船など合わせて5隻を南インド洋に向かわせている。
 うち1隻は、3月30日現在、すでに捜索現場海域で活動中である。

 そのように、目に見えて質・両共に充実しつつある中国海洋軍事力に対して、アメリカ海軍をはじめとする国防当局はもとより防衛産業界でも、その強大化のスピードに警鐘を鳴らしている。
 アメリカ海軍としても海軍関連防衛産業界としても、オバマ政権による大幅な国防予算削減(海軍関連予算も大幅カット)に対して、中国海軍の飛躍的増強を繰り返し指摘することによりアメリカ海軍予算の復活を図ろうとしているものと思われる。

 例えば、アメリカ国防当局と防衛関連企業(およそ1500社)による米国国防に関する軍産複合団体であるNDIA(国防産業協会)の4月版リポートでは、中国海軍の飛躍的増強ぶりに関して改めて警鐘を鳴らす論文が掲載されている。
 その内容は、日本の防衛にとってもアメリカ以上に認識しておかねばならないものであることは言うまでもない。
 そこで、以下に要点のみを抜き出してみる。

■東アジア海域に限れば現在建造中の航空母艦で十分

 アメリカ連邦議会調査部(CRS)の報告書、「中国海軍の近代化」(2014年2月28日発行)によると、現在就役している中国海軍航空母艦「遼寧」は「そもそも航空母艦と呼ぶこと自体が若干寛大である」と言えるシロモノであり、あくまでも「入門レベル空母」である。
 もちろんこのような評価は、アメリカ海軍の現役航空母艦を標準にしての話であり、空母としての価値がないというわけではない。

 報告書が問題にしているのは、ウクライナ製の中古練習空母「遼寧」ではなく、それに引き続き中国自身が建造しており2018年ごろにはその姿を見せることになる
 “本物の”航空母艦を「中国がどのような目的で建造しているのか?」
という点である。

 もし中国海軍が現在のアメリカ海軍のような地球規模の海軍を目指すのならば、
 「おそらく、そのような目的に到達するには、さらに数十年の時間を要するであろう」。
 なぜならば、そのためには、現在建造中の空母ではいまだに能力不足と言わざるをえないからである。

 しかしながら、中国海軍の目的が東アジア海域、すなわち東シナ海・南シナ海・西太平洋の一部で「アメリカ海軍が実施できるのと同じことを実施する」というのならば、中国国産の比較的小型の非原子力動力航空母艦でも十二分に目的を達成することができる。
 すなわち、中国海軍はアメリカ海軍同様に、東アジア海域で確固たるプレゼンスを示し戦力投射能力を維持することができるのである。

 アメリカ海軍は前方展開配置がアメリカの国防に決定的に寄与していると考えているのと同様に、中国も空母を用いた前方展開を国防の決め手にしようと考えていると思われる。

■新型原子力潜水艦も実戦配備へ

 上記報告書のみならず米海軍関係者なども、航空母艦以上に警戒しなければならないのは中国海軍の潜水艦戦力である、と繰り返し強調している。

 アメリカ太平洋軍司令官ロックラー提督(海軍大将)は
 「中国海軍は極めて多数の潜水艦を建造している。
 このような潜水艦戦力は、中国自身の本土防衛が目的なのか? 
 あるいは他の目的があるのか?
と疑問を呈している。

 連邦議会に対する海軍情報局は、
 「中国は潜水艦戦力を、高度に武装した近代的敵海軍による介入阻止のための重要なる抑止力と考えている」
と証言している。
 また、かつてのような旧式で武装も貧弱であった潜水艦は姿を消して、現在の中国潜水艦戦力は近代化を成し遂げている、とも指摘した。

 実際に“近代的”潜水艦だけに限ってみると、中国はロシアからキロ級潜水艦を購入しただけでなく、039G型と041型という2タイプの通常動力攻撃潜水艦を国産している。

 また、旧式原潜を退役させて新型の093型攻撃原潜が就役しており、さらに最先端の095型攻撃原潜もまもなく実戦配備がなされる。
 これらに加えて、旧式で使い物にならなかった戦略原潜に取って代わって新鋭の094型戦略原潜も配備されており、さらに強力な096型戦略原潜も開発中である。

 海軍情報局は、以下のように結論している。

 中国潜水艦戦力は東アジア海域に限定されるものの、十二分な対水上艦戦能力とシーレーン破壊能力を保有している。
 対潜水艦作戦は常に大変困難な作戦である。
 そして中国潜水艦は実力を向上させている。海上自衛隊とアメリカ海軍はより一層対潜水艦戦能力の強化維持に努めなければならない。

■10年で見違えるほど進化した水上戦闘艦の能力

 新規事業である航空母艦や、強力な潜水艦戦力だけでなく、駆逐艦をはじめとする水上戦闘艦戦力の近代化も目覚ましい。

 ほんの10年ほど前までは、中国海軍水上艦戦力といえば老朽艦艇、旧式艦艇、少数の近代的艦艇が入り乱れており、センサーや兵装も新・旧それに国産・輸入とばらばらで、とてもバランスの取れた近代的海軍部隊とは言えないシロモノであった。
 ところが、今や中国海軍水上戦闘艦戦力は面目を一新させるに至った。

 例えば最新鋭の中国海軍052D型駆逐艦には、新たに開発された多目的垂直発射システムが搭載され、対空ミサイルや対艦ミサイルそれに対潜水艦ロケットのほか対地攻撃用長距離巡航ミサイル(LACM)も装備可能になった。

 そして中国国産のフェーズドアレイレーダーをはじめとする最新のセンサー類を装備し、アメリカ海軍・海上自衛隊やNATO海軍が使用している戦術データリンクシステム(リンク11、アップグレード予定)の性能をはるかに上回る「全軍総合データリンクシステム」を搭載している。

 かつては1つのクラスの駆逐艦を2~3隻程度建造して新しい設計に移行していた中国海軍は、同一クラスの駆逐艦やフリゲートを多数建造する方針へと転換した。
 要するに、軍艦建造能力を身につける試行錯誤の段階を乗り越えて、海軍戦略に基づき、それを達成させるべく計画された軍艦をより短期間で大量に建造する段階に移行したものと考えられる。

 例えば、上記の新鋭052D型駆逐艦は2018年までに少なくとも12隻が建造されることになっている。
 駆逐艦以外でも、2015年までに近代化されたフリゲートの保有数は56隻、新鋭コルベットは25隻、それに最新鋭ステルスミサイル艇は60隻に達すると、米海軍情報局は見積もっている。


●中国海軍022型ミサイル艇(写真:中国海軍)

■貿易依存国が強盛な海軍を持つのは当然

 ホノルルで中国海軍に対峙するロックラー提督や海軍情報局、それに多くの海軍アナリストたちは、中国海軍が、艦艇や兵器の性能を飛躍的に向上させたり保有数を増加させたりしているだけではなく、艦艇のメンテナンスやロジスティックス面での改良も進めている点を指摘している。

 それに加えて、
 「海軍ドクトリンの21世紀化や海軍将兵、教育訓練ならびに演習などの質の向上も見逃してはならない」
と海軍情報局は注意を喚起している。
 そして上記CRS報告書では
 「中国海軍は量的増加よりも質的強化の方が際立っている
と特記している。

 ヘリテージ財団の中国海洋戦略専門家であるディーン・チャンは、 
「中国は単に中国海軍を単体で強化しているだけではなく、より幅広い分野にまたがった海洋拒否能力を全体として強化している。
 もちろんその狙いはアメリカだけではなく周辺諸国をもターゲットに据えている」
と述べている。

 さらにディーン・チャンはこう語る。
 「中国は大量の食料、工業原材料、エネルギー資源を輸入している。 
 そして今や中国経済の『重心』は海岸地帯にある。当然のことながら、そのような中国経済と国民生活を支えるための貿易活動の大半は海上交通によってなされている。
 中国に限らずこのような経済活動を営む国家が海軍力を増強することはなんら驚くに値しないのである」

 つまり、今や中国の国民経済活動を支える支柱としての海軍力の強化は、アメリカ(それに本来ならば日本)同様に自然の成り行きと考えねばならないということだ。
 このように見なしているのは、ディーン・チャンや米海軍情報局だけではない。

■日本への影響はアメリカが被る影響の比ではない

 アメリカ国防当局や海軍関係者たちは、上記のように中国海軍のハードウエア、ソフトウエア両面における目を見張る躍進ぶりに危機感を募らせてはいる。
 しかし、肝心のアメリカ海軍のみならず国防予算は大幅に削減されているし、同時に強制財政削減による軍事支出の一律削減も継続している。
 したがって、とてもアメリカ海軍力を中国海軍の増強に対応させて増強することはできない状態である。

 それだけではない。
 中国海軍の強化ぶりを指摘している太平洋軍司令官ロックラー提督自身が、2014年夏のRIMPAC-2014に中国海軍を招待したのである。
 RIMPACは、ホノルルを拠点にしてアメリカ海軍が主催して隔年で実施される、多国籍海軍による合同訓練である。
 訓練には、アメリカ海軍、カナダ海軍、海上自衛隊、オーストラリア海軍、韓国海軍などアジア太平洋諸国海軍や海兵隊のほかイギリス海軍、フランス海軍それに2014年にはノルウェー海軍なども加わる。

 RIMPAC-2014への招待以外にも、提督が直接中国を訪問し、中国海軍高官との交流を深めているため、提督を“親中派”と見なす海軍関係者も少なくない。

 もちろん、中国海軍はこのようなチャンスを逃さず、3~4隻の軍艦をホノルルに派遣して多国籍海軍合同訓練で更に腕前を磨こうとしているのである。

 アメリカのように国防費の大幅削減という事態には陥ってはいないものの、防衛予算は微増状態にとどまり、その増額の大部分も人件費に充当されてしまう日本の状況は、やはりアメリカ同様に、とても中国海軍の躍進と歩調を合わせることなど思いもよらないといった状況である。

 もちろん闇雲に軍拡競争や建艦競争に突入する必要はない。
 しかし、アメリカと違って日本は中国海洋戦力の直接的脅威に直面している。
 日本政府・国防当局が中国海軍に対する最小限の抑止戦略をひねり出し準備する必要性・緊急性は、アメリカの比ではない。

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北村 淳 Jun Kitamura
戦争平和社会学者。東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。警視庁公安部勤務後、平成元年に北米に渡る。ハワイ大学ならびにブリティッシュ・コロンビア大学で助手・講師等を務め、戦争発生メカニズムの研究によってブリティッシュ・コロンビア大学でPh.D.(政治社会学博士)取得。専攻は戦争&平和社会学・海軍戦略論。米シンクタンクで海軍アドバイザー等を務める。現在サン・ディエゴ在住。著書に『アメリカ海兵隊のドクトリン』(芙蓉書房)、『米軍の見た自衛隊の実力』(宝島社)、『写真で見るトモダチ作戦』(並木書房)、『海兵隊とオスプレイ』(並木書房)、『尖閣を守れない自衛隊』(宝島社)等がある。



【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】




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2014年3月29日土曜日

北洋艦隊全滅の悪夢:中国共産党は清国王朝と同じ運命をたどるのか、なぜ日清戦争で日本は勝てたのか?

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●「甲午戦争」について特別頁を設けている『解放軍報』紙のサイト
http://www.81.cn/2014jwss/index.htm


「WEDGE Infinity」 2014年03月29日(Sat) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3724

日清戦争再発を暗示する
中国の不気味な宿命論
「再び巡ってきた甲午の年」

 再び巡ってきた甲午の年。
 この「甲午の年」というフレーズは2014年に入ってから盛んに中国のメディアを賑わせている。
 というのは2014年の今年は中国における旧暦の「甲午の年」だからだ。
 日本人には馴染みが薄いこの「甲午(こうご)」とは中国人にとっては恥辱の歴史の代名詞である1894年の「甲午戦争」(日清戦争)が起きた干支(えと)であり、旧暦「きのえうま」を意味し、干支の60年周期で31番目の年を指す。
 そして今年は日清戦争勃発からちょうと120年目に当たるのだ。

■国威発揚のまたとない機会

 尖閣諸島の領有権や歴史認識を巡って日中関係がかつてないほど冷え込む中、「甲午の年」が再び巡ってきたということで、中国では国威発揚のまたとない機会として党や軍の宣伝部門が「甲午戦争」を取り上げて愛党、愛国、国防の必要性を訴えるキャンペーン(『解放軍報』紙サイト「中国軍網」は特設頁〔写真〕を設けているほどだ)を展開している。

 そしてキャンペーンに止まらず、これを宣伝や教育政策にも反映させる動きが出ている。
 立法機関である議会に当たる全国人民代表大会では代議員たちが日清戦争を記憶し、愛国主義や国防に生かす必要性を主張し、制度化しようしている。
 そこで『解放軍報』から二本の記事を取り上げ、紹介したい。

1].一本目は解放軍芸術学院の文学部主任である徐貴祥教授による
 「歴史の宿命?―甲午戦争文化黙考録シリーズ」
であり、
2].二本目は「今日、どのように国恥を記憶するかー全人代の軍人代表たちが甲午の年に強軍建設を提案」という記事だ。

 後者は3月17日に閉幕した「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議の二つの議会に当たる会議)に際して連載された特集であり、日清戦争と軍の政治思想統制や教育を関連付けた代議員たちの政策提案を紹介している。
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記事(1)【2014年3月20日『解放軍報』(抄訳)】
 2014年は1894年に勃発した中日の甲午戦争からちょうど2周回甲午年を経た年だ。
 この120年間で世界は激変したが、中国の軍人からするとあの敗戦はあたかも体から取り出せない銃弾のようであり、胸の傷口は未だに癒えないままである。

 1840年のアヘン戦争から1894年の甲午戦争の勃発までの間、中国人は既に「天に頂かれた国」(自意識過剰な国という意:筆者)という看板を下ろし、林則徐は海外に目を向けるようになった。

 アヘン戦争が中国の鎖国の扉を強制的に開かせたが、中国の朝廷は依然として国力が衰退しているという事実を信じることはなく、「天朝上の国に四方から朝貢に訪れる」という美しい夢を見続け、戦争の失敗を外人の「魔術」によるものと決めつけて神が助けてくれるものとばかり希望を託していた。こうした迷信によって朝廷は麻痺し、民衆は絶望させられた。

■「兵士の資質に問題があった」


●記事が掲載された『解放軍報』

 一衣帯水の隣国である日本は中国のアヘン戦争において喝を入れられて夢から醒め、中国人に替わってこの戦争を反省した。
 佐久間象山は、清朝の失敗を
 「彼(西洋諸国)の実事に熟練し、国利をも興し兵力をも盛んにし、火技に妙に、航海に巧みなる事遥かに自国の上に出たるを知らずに居候故に」
(イギリスが、清朝よりも遥かに進んだ軍事力を持っていることを知らなかった…:筆者)
と指摘した。
 こうした惨敗を経ても朝廷は超然としており、学習しなかっただけでなく、外国を俗物と見なしていた。

 日本民族は学習によって立国し、西洋列強によって開国を迫られてから中国と西洋を比較し、「学をなす要は格物究理に在り」と有用の実学を発見した。
 アヘン戦争後、日本人は中国の状況を把握し尽くしただけでなく打開策を見つけた。
 中国を侵略し「脱亜入欧」して、東方のボスとなろうとした。
 1868年に明治天皇は「古いしきたりを打開し、世界に知識を求めよ」と号令をかけ、西洋の進んだ文化を学び、留学生、使節団を派遣し、鉄道電信を興し、教育を普及させた。
 天皇も節約節食し、民衆は寄付も行い、一体となって軍備を拡充したことは伝説の様に中国人によく知られている。

 李鴻章はドイツから「鎮遠」、「定遠」など十数隻の軍艦を購入し、仰々しく日本に訪問さえしたが、日本の代表団は北洋水師の艦船を訪問した際にすぐにその破綻に気付いた。
 洋務運動を通じ構築が進められていた
●中国の海軍は、艦船の排水量でも、火器の装備でも日本の海軍と遜色なかったが、
●装備を操作する兵士の資質に問題があった。
●規律は弛緩し、
●訓練は統制がとれておらず、
●汚職が蔓延しており、
●闘志がなかった。

 日本のある大佐は白い手袋をはめ、軍艦の砲台を撫でたあと埃がついたのをみて、軽蔑的笑いを浮かべ、絶対的自信をもって開戦を求める書簡をしたためた。中国の甲午戦争での失敗は、兵力の相違、装備の相違でも戦術、技術が原因ではなかった。
★.民族精神、先進的文明に対する学習態度の違いだった。

 今日、習近平総書記は中華民族の偉大な復興という中国の夢を提起し、中国の人々の愛国心を大いに鼓舞している。
 私たちは歴史を鑑とし、屈辱と失敗に向き合い、教訓を客観的に総括し、改革開放を深めて思想観念の束縛を突破しなければならない。

■全人代での軍代表の言葉

記事(2)【2014年3月13日『解放軍報』】
 今から120年前の甲午の年。
 中国近代史上一つの屈辱的戦争が悲痛な傷跡を残した。
 時はめぐりまた再び甲午の年が巡ってきた。
 今日の中国は既に他人に凌辱され、分割された屈辱の歴史から脱して国際的地位でも総合国力においても天地を覆すような変化を成し遂げている。

 全国人民代表会議の軍代表(軍を代表して出席した代議員たち:筆者)たちは、中華民族の発展、運命に大きな影響を与えたあの戦争から教訓として何を得たのか。


●同じく2つ目の記事が掲載されている紙面

白文奇(海軍中将、元北海艦隊政治委員)代表

 我々の北海艦隊の艦艇は、通常甲午戦争が発生した戦場に赴くことが多いが、毎回波しぶき立つその海域に入るたびに、沸き立つ砲声を聞くかのような思いに囚われる。
 歴史を刻み、国恥を忘れないことは一人一人の北海艦隊兵士たちの必修科目となっている。
 我々一人一人の兵士において歴史の詳細は時間の流れとともに流れ去ってはいない。

 1894年7月25日、日本軍は清朝の兵士輸送艦隊を奇襲攻撃し、豊島海戦が勃発した。
 9月には大東溝海戦が勃発し、11月には大連が陥落した。
 翌2月17日、北洋水師は威海(山東省沖)で壊滅した。
 かつて兵士に聞かれたことがある。
 一体いつを記念日にすればいいのだろうかと。
 そこで私は次のように言った。
 甲午戦争記念日をいつにするかは重要ではない、重要なのは君が国恥を心に刻むことであり、どのように奮起して中華民族の悲劇を繰り返さないようにするかだ、と。

王華勇(海軍少将、東海艦隊政治委員)

 一枚の「下関条約」(中国語では「馬関条約」と呼称:筆者)は屈辱的に領土の割譲と賠償を迫っただけでなく、清朝が行ってきた洋務運動(西洋化を図り近代化する活動:筆者)を通じた強国実現構想を御破算にした。
 中国近代の反侵略戦争において甲午戦争は最大規模で最も残酷で影響も最も深い戦争だった。
 中国の植民地化プロセスを加速させ、近代化を中断させ中華民族の運命は歴史的谷底に陥った。

 日清戦争前に日本の大本営は制海権の策を練った。
 その一方で清朝、李鴻章はこの重大な戦略問題に対してぼんやりしたままだった。
 戦時に海軍がどのような役割を果たすか、明晰な考えを持ち合わせていなかった。
 朝鮮と開戦してから日本海軍は充分に準備を整え、中国艦隊に対応すべく精力を集中した一方で、中国海軍は敵との遭遇の回避を図り、決戦に備える思想、軍事的準備を整えていなかった。
 制海権の放棄と喪失が日中戦争で敗北した重要な戦略的原因だったわけだ。

莫俊鵬(陸軍少将、第二砲兵22基地司令員)代表 

 120年前にアジア最強の艦船を保有した清朝の軍隊は、それにもかかわらずあの戦争に敗北したのである。
 一つの重要な敗因としては、朝廷が上から下まで民族的危機感を心に刻んでいた人はそれほど多くなく、主流を占めることはなかったことが挙げられる。

 北洋水師(清朝の海軍:筆者)は、風紀紊乱(ふうきびんらん)に陥り軍規は乱れ、悪弊が蔓延していた。
 歴史は一面の鏡であり、我が国の安全保障が直面する挑戦とチャレンジは未曽有のものだ。
 現在の平和ボケを徹底して取り除き、「定遠号」の鉄の錨を永遠に心に刻み、民族と国家の大業を重視し、国防と軍隊建設を念じて、戦わねばならず、準備を整える必要がある。
******

■蔓延する汚職  近代化への焦燥

【解説】

 日中関係が未曽有の行き詰まりに陥る中、中国メディアを賑わす日清戦争120周年の話は日本人からすると不気味に映る。
 中国は一体戦争を欲しているのか、
 日本に攻撃を仕掛け、日清戦争時の屈辱を晴らそうとしているのか、
という疑問さえ湧く。

 しかし、上記のように紹介した文章を詳細に見てみると、重点は日本との戦い云々よりも、
●.歴史的教訓として軍の近代化と改革を進めるべきと考え、
●.汚職の蔓延や効率の悪さで遅々として進まない近代化への焦燥が窺える。
 王毅外相は「両会」記者会見の席で2014年は「1914年でもなければまして1894年などではない」と歴史の再発を否定する発言をしている。

 10年ほど前に中国国内で『共和へ向かう(走向共和)』というドラマが話題になったことがある。
 日清戦争を経て革命時代に突入し、最終的には中華人民共和国を設立するまでのプロセスを描いた大河ドラマだが、戦争の描き方が党プロパガンダと少し異なっていたため議論を呼び、一度放映されたきり再度放送されることはなかった。
 問題視視されたのは、
 日本が国防の近代化のために明治天皇までも食事を我慢して国力増強に備えた歴史の教訓として描いた点であり、まさに今回取り上げた論評や代議員たちの提案と似た論調だった。

①.中国において国の発展、軍の近代化を阻害する大きな要因の一つが汚職
だということはこれまで別の記事でも紹介してきたが、その後、軍のトップだった徐才厚・元中央軍事委員会副主席が身柄を拘束された、とか現職の国防大臣の汚職関与の噂さえも華僑系ニュースを賑わすまでになっている。

②.こうした汚職のほかにもう一つのポイントが機構改革だ。
 昨年秋の3中全会以降に俎上に上がっている軍機構改革は1985年の100万人削減、1997年の50万人、2003年の20万人と大ナタが振るわれた削減に続く4回目の兵員削減に当たる。
 兵員削 減と機構改革は表裏一体であり、それに汚職という要素が加わり、機構改革をより困難にしている。
 こうした中で日中戦争の教訓を持ち出して機構や人員刷新を図ろうとするのは中国ではオーソドックスな手法だ。

 習近平政権は政府、党中央に改革を深める指導グループ(全面深化改革領導小組)と称するタスクフォースを設置して一気呵成に改革を進めようとしている。
 軍にもこれに対応したタスクフォースを設置して、習近平がじきじきにその長に就任し、許其亮と範長竜という二人の中央軍事委員会副主席がその副組長になった(許は常務副組長としてイニシアチブをとるようだ)。
 さらにその下に分野別タスクフォースも設けられ、更迭された谷俊山が所属した兵站部門でも改革タスクフォースの会合が開かれた。

 とは言いながら、日清戦争を云々する論調は今年1年を通じてこれからより盛り上がる可能性があり、日本人にとって不気味であり、うんざりだ。
 それでも私たちはこうした中で発せられる一つ一つの文章や指導者の演説を冷静に分析し、メッセージの意味や発せられるシグナルを忖度(そんたく)することが重要なことには変わりはない。

弓野正宏(ゆみの・まさひろ) 早稲田大学現代中国研究所招聘研究員
1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。


 中国解放軍海軍の敵は外国ではない。
 その敵は身内にいる、
ということである。 


JB Press 2014.03.31(月)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40298

かつての日本と同じ道を歩み始めている中国軍事力によるアジア新秩序構想は自滅の道でしかない

 中国は経済発展とともに、鄧小平の国力に応じ、できることを目立たぬよう、着実に積み上げるという「養光韜晦」戦略を離れ、適宜、
 蓄えた実力を一挙に発揮する「大有作為(積極有所作為)」戦略に移行している。

 その基本戦略は、軍事力を基盤とする対外強硬方針にある。
 特に、海軍力増強による東シナ海、南シナ海への海洋進出や防空識別圏の一方的な設定は、その例であり、アジアの緊張を高め、武力紛争生起すらいとわない態度である。

■中国が経済成長以上に軍事力を拡大する理由

 これは、東アジアだけでなくインド洋における行動も、軌を一にし、インドなどと国境だけでなく海洋でも対立し、さらにオーストラリア近海まで海上訓練を拡大、同国の警戒感を高めている。

 なぜ、中国は強硬な姿勢をとるのか。
 その原因は近代史における受難の歴史と伝統的中華思想にある。

 中国は、世界四大文明発祥の地であり、それは漢民族の誇りである。
 自身を文明の中心とする中華思想のもと営々と築き上げた民族の政治、経済、文化は19世紀半ば「アヘン戦争」で英国に蹂躙され、じ後、西欧列国の植民地として簒奪された。

 さらに、1894年の日清戦争によって、それまで絶対的に優越を信じていた「東夷」の日本にも敗れ、「眠れる獅子」から「張り子の虎」と称されるようになった。

 孫文の辛亥革命によって近代化を企図したものの、指導層の内紛、国内の混乱などで明治維新のような成果は上げられなかった。
 この間、西欧の権益拡大と日本による大陸進出などでさらに混迷と混乱の極に達した。

 第2次大戦後、国共内戦を経て、毛沢東が指導する「共産国家」が成立したが、なお国力は増進せず、米国による「封じ込め」、ソ連とのイデオロギー、領土対立など軍事、政治、経済的にも苦難の歴史を刻んだ。

 その中にあっても自主開発による核武装を推進した。
 1971年、台湾政府に代わって国連の安保常任理事国になるとともに、70年代後半から、鄧小平が経済優先の「改革開放政策」のもと、世界第2位の経済大国に躍進する基礎を作った。

 じ後、経済発展に伴い、核戦力を基盤として陸上戦力、ミサイル戦力を増強、近年は空母建造、原子力潜水艦など海軍戦力を強化し、軍事的にも世界に確固たる地位を占める大国に成長しつつある。

 中国は、その軍事力をさらに拡充、近代化し、それを背景として、19世紀以降、アジアに影響を及ぼした西欧主体の「既存の秩序」から新しい「アジアの秩序」を目指し始めているように推察される。

 その根底には、自国がアジアでは政治、軍事、経済、文化などすべての面で頂点であるべきという伝統的「中華思想」がある。

 「養光韜晦」戦略を離れ、既存の国際秩序を改めようとする中国の行動は、
 明治維新以降から太平洋戦争開始に至るまでの日本のそれに、きわめて類似している。

 明治維新以降、国家の主権と国土保全のあるべき姿が模索され、『「国家独立自衛の道」は日本列島に沿う線(北海道から沖縄の領土)を「主権線」とし、大陸勢力(ロシア、中国)から防衛、確保することが絶対条件である。
 さらに、主権線をより確実に保全するためには、列島線から更に前方に張り出した「利益線」が必要である。
 その利益線を侵すものがあれば、これを積極的に排除し、やむを得ざれば、強力を用いて目的を達する』という方針が確立された。

■日露戦争の勝利で奢り変わった日本

 日清戦争後、遼東半島を租借、台湾を獲得し、朝鮮半島での清国の影響を排除した日本は国土保全をより確実にする「利益線」を確保した。

 しかし、3国干渉による遼東半島放棄に続く朝鮮半島に対するロシアの南下は、利益線を侵す行動、すなわち国土保全に直結する危機と捉えられた。
 日露戦争は、「利益線を侵すものあらば強力をもって積極的に排除する」ための戦争であった。

 この時期まで、日本は西欧列強の樹立した政治、経済、軍事などの国際秩序に「脱亜入欧」することによって国家の安全と独立を図っていた。
 その最たるものが「日英同盟」であり、日露戦争は日本にとっては自衛戦争であったが、他方、西欧秩序における英国と露・独・仏の覇権争闘の代理戦争の側面もあった。

 明治期以降、日本の国家戦略は「富国強兵」であったが、常に国力の限界を熟知し、国際協調に意を用いたものであった。
 まさに鄧小平の「養光韜晦」で隠忍自重、その状況でできることを着実に実施し国力を向上させることであった。

 その例として、日清戦争後獲得した遼東半島をロシア、ドイツ、フランスの三国干渉によって、清に直ちに返還した勇断が上げられる。
 また幕末の不平等条約を改正するためにも軍事面だけではなく政治・経済・文化などあらゆる面で総合的な解決法を模索した。

 ところが、日露戦争によって、国際社会でアジアの代表としての地位を確立して以降、当初考えていた朝鮮半島、台湾など、従来の「利益線」が「新たな主権線」として捉えられ、それを確保するため、さらに大陸側に「新たな利益線」を推進するようになった。

 「新たな利益線」の概念は、明治維新時の「国土保全」という必要最小限の目的を離れ「日本がより繁栄、発展する」という望ましい条件達成へと変貌した。

 すなわち、朝鮮併合、第1次世界大戦末期、北樺太における米国石油利権の掌握、また対華21カ条要求の強要、シベリア出兵などは欧米列強から疑惑をもたれた。
 ついには、西欧協調の象徴であった日英同盟を失効させ、独自のアジア主義路線を歩み出した。

 この間、英米との海軍力拡張競争は、国力の限界を超えるため、ワシントン条約、ロンドン条約など、海軍の適正規模を考慮する国際協調の行動もあったが、主流とはなり得なかった。

 1930年代以降、満州国建国、米国の門戸開放政策の拒絶、上海、香港への進出などに加えて、国際連盟からの離脱による国際社会からの孤立化、大東亜共栄圏による経済ブロック構想など日本独自の戦略を進めることになった。

 しかし、この戦略は、主として軍事力行使に依ったため、西欧列強から既存秩序を一方的に破壊する行動として警戒されるようになった。
 満州事変以降は、軍部主導により、国際協調主義から国防第一主義に転換し、すべての国策は国防の目的達成にあるべきという「自給自足、絶対国防国家」を目指すようになった。

 しかし、大陸に進出した日本は、辛亥革命による中国ナショナリズムの高揚と西欧列国の中国への強力な援助と相まって、政治・外交・軍事的に収拾のつかない状況に陥った。

 その打開策として、帝国主義の後発国であるドイツ、イタリアと「三国同盟」を結び、日本は、新しい世界秩序を追求するに至った。

 これに対し、先発国たる英、米、仏などは既存秩序を維持しようと政治、外交努力を重ねたが、打開できず、ついには第2次世界大戦が勃発した。その敗戦により、日本のアジア新秩序構想への挑戦は潰え、画餅に帰した。

■歴史は時空を超えて繰り返す

 習近平の唱える「中華民族の偉大な復興」とその延長上で「アジアの盟主を目指す」は、日本が明治維新以降の「脱亜入欧」に疑問を持ち、アジアには西欧と違った価値観があり、それを基本とするアジアの秩序があるべきという「アジア主義(アジアは1つ、究極普遍的な愛の広がりの世界)」という思想に共通するものがある。

 その考え方に、異論をさしはさむ余地はないが、問題はそれを具現化するにあたっての独善的、短兵急な軍事力優先の行動にある。

 中国の対外行動、特に、軍事力をもって、東・南シナ海を「核心的利益」に組み入れ、支配下に置こうとするのは、日本が「利益線の推進」のため、勢力圏を拡大した戦略行動に酷似している。

 異なる点は、海洋国家日本が大陸に進出し、自己の陸軍力をはるかに超えた膨張をしたのに対し、中国は空母建艦をはじめとする海軍力を拡大し、海洋に進出しようとしているところである。

 その進出範囲を東シナ海を含める第1列島線を越え、西太平洋の第2列島線まで拡大させるのは大陸国家の限度を超えている。

 海洋は、領海、経済的水域は認められるが、本来、世界共通の交通連絡路としての公共財であり、一国が支配権を主張するべきものではない。
 中国の東、南シナ海における近年の海洋活動は世界共通の常識を逸脱している。

 もし、その常識が既存秩序であり、それを自国の恣意にすることを新秩序と考えるならば、それは大いなる誤りで、国際社会から受け入られず、国際的孤立を招くのみである。

 習近平の軍備拡張と対外強硬外交は、2006年、江沢民の対日対決方針を変換し「日本は戦後平和国家としての路線を歩んでいる。
 戦略的互恵関係として共に発展すべきである」との融和路線を放棄し、再び先祖返りをしているものである。

 「偉大な復興」は海軍力による周辺海域・空域への独善的な進出・膨張では成し遂げられず、かえって、アジア地域諸国の反発を招き、ひいては世界の異端児として国際社会から忌避されかねない。

 まずは、アジアにおいて節度ある行動をとり、地域全体の安定と繁栄に寄与するという国際協調の姿勢が、中国がアジアの中核となる国家であるとの評価を得る道であろう。

■中国は日本の近代史を他山の石とすべし

 「偉大なる復興」というスローガンが共産党独裁の維持、言論統制、経済格差の隠蔽、少数民族への圧迫などの隠れ蓑として、狂信的な愛国心を扇動することに使われるならば、やがて収拾のつかない国内混乱をもたらし、「壮大な自滅」につながる恐れがある。

 アジアの状況は政治、経済、文化などヨーロッパのような均一性を持つにはほど遠く「モザイク模様」のように複雑、多様な状態にある。

 しかしながら、その中に共通するモザイクのピース、例えば経済的面を見ると日中は米国債権の海外分を合わせて約25%以上保有することがある。
 このような経済的な面だけであってもアジアの主張を具現化できる道は存在する。

 中国は率先し共通のピースを拾い集める主体となるべきである。
 いたずらに、アジア圏での対立を煽る近年の態度は中国自身にとって得策でない。

 今後とも、中国が不透明な軍備拡張を継続するならば、それを警戒するアジア諸国も防衛力を増強せざるをえず、新たな軍拡競争を生み出す。
 そのことはアジア諸国全体の国力を浪費し、不毛な対立と猜疑心を増大させ、アジア自身による秩序確立にはそぐわない結果となろう。

 悠久数千年の歴史と文化を有する中国が、アヘン戦争後の苦難を耐え、「独自の戦略と思想」で再興し、現在の国際的地位を築き上げた努力、まさに「臥薪嘗胆」は称賛に値する。
 しかしながら、昨今の行動が、軍事力を背景とする排他的な利己主義と疑われ、アジア近隣諸国から警戒されているのは問題である。

 中国は、軍事力でなく、発展を続ける経済力、さらに文化力、すなわちソフトパワーをもってアジア諸国と手を携えてこそ、多極化傾向にある国際社会にあって、既存の国際秩序をアジアの秩序に手直しする第一歩となろう。

 日本は、明治維新以降、欧米主導の国際秩序の中で国力を蓄え、それをもって、アジア主体の秩序を目指す「大東亜共栄圏」構想に挑戦した。
 約80年の歴史の中で「養光韜晦」から「大有作為」の戦略転換を行ったといえる。

 これは、半ば成功したかに見えたが、軍事力による排他的利己主義と、地政学的に観るならば、海洋国家の本分を忘れ、大陸へ国力の限度を超えて進出したことで、終には崩壊の道をたどった。

 中国は、建国65周年を迎えるが、共産党の指導者は、先駆け日本の近代史を「他山の石」とし、大国としての節度と大陸国家の本分をわきまえる「地政学的歴史」を改めて認識すべきであろう。

Premium Information

久保 善昭 Yoshiaki Kubo
防衛大学校9期生、第42普通科連隊長(昭和63年3月)、陸上幕僚監部研究課長(平成2年3月)、装備開発実験隊長(平成4年3月)、機甲科部長(平成6年3月)、航空学校長(平成8年3月)、第2師団長(平成9年7月~11年3月)



レコードチャイナ 配信日時:2014年4月14日 21時2分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=86522&type=0

<中華ボイス>
なぜ日清戦争で日本は勝てたのか?
=“鉄血宰相”の言葉から読み解く―映画プロデューサー


● 14日、映画プロデューサーは 「ドイツのビスマルク首相は1871年、
 “中国人は目に見えるものしか興味を示さない。このような国が戦争に勝てるわけがない”
と話していたが、事実日清戦争では中国が敗北した」と発言した。
 写真は中国の甲午戦争(日清戦争)博物館。

 2014年4月14日、日中関係が悪化する中、両国が戦争するのではと指摘する報道をよく目にする。
 その中で、軍力で圧倒する中国を優勢とみる人がいれば、
 兵士の素養で上回る日本に軍配が上がると予想する人もいる。
 これに関連して、中国の映画プロデューサーは、日本の強みと中国の欠点について意見を発表した。

 映画プロデューサーは
 「“鉄血宰相”ことドイツのビスマルク首相は1871年、
 “中国と日本が戦争した場合、勝つのは小国だろう。
 中国人は欧州で兵器しか買わないが、日本人は書物を翻訳し、欧州の制度を学んだ。
 中国人は目に見えるものしか興味を示さない。
 このような国が勝てるわけがない”
と話していたが、彼の言うように後の日清戦争では中国が敗北している。
 国の発展には経済が必要だが、それ以上に国の制度や文化が必要だ」
と発言している。




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】




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2014年3月28日金曜日

風雲急を告げる台湾情勢-(2):中国政府「和すれば双方とも得」と強調、台湾問題で身動きできない中国

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video
●31日02:46


サーチナニュース 2014-03-28 14:07
http://news.searchina.net/id/1528287

台湾情勢、風雲急・・・中国政府「和すれば双方とも得」と強調

 中国政府・国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は26日の記者会見で、台湾で馬英九政権が進めてきた大陸側とのサービス貿易協定の締結が、学生らの猛反対で挫折したことについて、「和すれば双方とも得」などと、台湾側の姿勢の再変更を望む考えを示した。

  中国政府は李登輝、陳水扁と1988年から2008年まで続いた「本省人(第二次世界大戦終了以前からの台湾住民とその子孫」政権を、「本質的に独立志向」として警戒。
 08年に国民党で外省人の馬英九総統(香港生まれで本籍は湖南省)が誕生すると、経済面で恩恵を与えることなどで、同政権を援護する立場をとり続けた。
  馬英九政権は発足当初、景気の回復などで高い支持率を得たが、09年に台風による大被害が出た際には、被災地救援に不手際が目立ったなどで支持率が低落。
 2012年の総統選は得票51.6%で当選したが、支持率は再び低落し、
 2013年秋からは10%に満たない状態が続いている。

  中国側は、馬英九政権の支持率が落ちても、「大陸との経済交流」という“ごちそう”を与え続けて、政権維持を応援してきた面がある。
 しかし、サービス貿易協定では、「交流の度合いを進め過ぎて、台湾にとって危険」との意見が盛り上がった。
 しかも、馬英九政権にとってサービス貿易協定と同様に大きな政治課題になっていた原発推進と合わせて、政治の手法が「民主の制度と精神を踏みにじっている」と、政権のさらに本質部分での批判まで高まった。
  中国大陸側にとって「サービス貿易協定の挫折」は、従来からの「馬英九政権応援の手法」が通じなくなったことも意味するだけに、対応に苦慮せざるをえない状況だ。

  26日の記者会見で馬報道官は
●.「(台湾海峡)両岸の経済協力を推進することは、いずれも両岸の同胞の福祉、とくに台湾同胞の現実的な利益のためだ」
と述べ、
●.「未来に目を向け、皆が『和すれば双方ともに利、分かてば双方共に害』と認めている」
と主張した。
  サービス貿易協定について台湾で強い反発が発生したことについて、馬報道官は
●.「台湾社会がサービス貿易協定について持つ疑惑は、(本来)存在しないものだ」
と主張。
 例として
●.「大陸の労働者が大挙して台湾に移るとか、4.8万元を投資すれば台湾に移民できるという規則はない」、
●.「これらの心配は、皆が真剣に事実を聞けば、解消するべきものだ」
の考えを示した。
  さらに、
●.「大陸側は協定についてすべきことをした。なぜ反対が出たのか? 
 われわれは双方の多くの世論に注意した。
 一部の国際世論を含めて、原因は台湾内部に求めるべきだとするものだ」
と述べた。
 名指しはしなかったが、サービス貿易協定の“挫折”は
●.「最大野党の民進党の妨害による
との考えを示したことになる。

  馬報道官は続けて
●.「2008年以前の、両岸が緊張し対抗する局面に戻りたいと願う人はいないだろう」、
●.「両岸関係の平和発展と進展が妨害を受けることを見たい人はいないだろう」
と主張した。
●.「サービス貿易協定に反対する台湾のミュージシャンなどの作品が大陸側のメディアやインターネットから締め出された」
とする見方については
●.「公の立場にいる人物の言動が、社会の民意による検査を受けるのは自然なことだ
と述べた。
 大陸部当局がメディアやインターネットの統制を行っているのは周知のことであり、該当するコンテンツが見当たらない状態になったことは
 「民意の名義による当局の動きがあった」
と認めたとも解釈できる回答だ。

  共産党機関紙の人民日報の系列である大陸紙「環球時報」が
「大陸側は、台湾と(これまでに双方の行政当局が合意した内容を修正した)第二次サービス貿易協定の交渉を行う立場にない。
 台湾は(これまでの行政当局による合意をそのまま)受け入れるか、合意を全面撤回するかのいずれかを選ばねばならないと表明すべきだ」
との論説を発表したことについては、
 「大陸の世論は多元化しており、官側メディアが簡単に世論の方向性を導くと考えることは合理的でない」
と述べた。
   ただしその直後に
 「大陸の台湾に対する政策方針は、大陸で極めて高い民意の支持を得ている」
と表明した。
**********

 ◆解説◆ 
 馬報道官は、これまで進めてきた
 「台湾に経済的恩恵を与えることによって、大陸との関係を親密にした方が得と、台湾側に納得させる」
手法を改めて説いたことになる。
 しかし、サービス貿易協定では、多くの台湾人が
 「大企業にのみ有利。
 中小企業を含めて考えれば、中長期的に見て台湾の産業に深刻な悪影響を及ぼす」
と判断した。
 馬英九政権と中国大陸側の合意では、コンピュータ関連、リース、広告や調査などの商業サービス、清掃業、印刷業、宅配便、電信企業、建築業、流通販売業、環境関連産業、医療、観光業、ホテル業、飲食業、旅行業、娯楽・文化・スポーツ関連産業、運送業、倉庫業、美容業などについて大陸資本に門戸を開くことになっていた。
  大陸側もほぼ同様に台湾資本に門戸を開く条項が設けられているが、人口や社会全体の規模を考えれば、台湾側の受ける影響が圧倒的に大きいことは確実だ。
  大陸資本が大挙して台湾に押し寄せれば、現在は具体的な取り決めが確定していなとしても、大陸から大量の「職員」が台湾に常住することになるのは必然的な流れだ。
 家族の呼び寄せも可能になると考えるのが自然だ。
 馬英九政権の発足以来、中国大陸部住民の訪台を容易にする措置が続いてきたことも、同協定の反対派が
★.「職員自身だけでなく家族も台湾に移り住むことになる」、
★.「大量の大陸住民の台湾常住化は台湾の大陸化を招くもの」
と考える理由だ。

  馬報道官は、「協定には書かれていない」との「事実」を説明したが、
 「協定がもたらすと考えられるもの」について、
協定反対派の不安を払拭しようとする発言はみられなかった。
  台湾が民主制度を採用した以上、重大な政策方針については世論が2分されることになるのは、必然と考えてよい。
  馬英九政権は原発建設、大陸とのサービス貿易協定と複数の重要課題をほぼ同時期に抱え込むことになった。

 いずれの問題についても反対派は当初、個別の政策を批判していたが、現在は馬英九総統の目的達成の「手法」そのものを強く問題視するようになった。
 情報公開が不十分である上に、原発建設については「国民投票を行う」と言っておきながら長期間にわたって実施していないこと、サービス貿易協定については、
 「立法院(国会)で条文ごとに審議。協定全体の一括採決は行わない」
と言いながら、審議を早急に打ち切って、事実上の「可決」に持ち込もうとしたことなどだ。
  しかし馬報道官は、サービス貿易協定に反対する人を、あたかも「妨害者=悪者」のように表現した。
 考えの異なる人を、それだけで「悪者」のように扱うのは、民主主義にはあまりなじまない発想だ。
 
 独裁体制とは異なり、民主主義にはたしかに 「効率の悪い」面がある。
 合意の形成に至るまでのプロセスがどうしても複雑になるからだ。
 明文化した規則だけでなく、「民主主義の精神」にもとづく慣行の確立と尊重も必要になる。
  台湾の人々は長期にわたる独裁・恐怖政治という「黒い歴史」を体験した上で、いまだ問題あるとはいえ「民主制度」を獲得した。
 そして馬英九総統に反対する人々は、「そもそも考え方や政権運営が民主的でない」という点に批判の焦点を絞りつつある。 
  つまり馬報道官の言い方は、「何がなんでも馬英九支持」という人に満足感を与える可能性はあるが、反対の立場の人については「中国は台湾のことを少しも分かっていない」と、反発をさらに強くする効果しかもたないことになる。
  中国共産党は、台湾の“祖国復帰”を「究極の目標」にしている。
 この問題の最も直接の当事者は台湾の人々だ。
 したがって、「台湾の人の心」に従って最終的な決着をつけるはずの問題だ。
  とすれば、中国大陸側としては、少しでも多くの台湾の人々に、
★.「中国側(中国共産党)は、台湾の事情、台湾人の心を理解しているようだ」、
★.「統一の訴えを、もう一度考えてみてもよいのでは」
と思わせる言動を積み重ねていくしかない。

 しかし現状では「台湾人の神経を逆なでしかねない場合も目立つ」としか言いようがない。
  中国大陸側が馬英九政権を「応援」するために採用した手法は、
 大陸部で1990年代から実施して、共産党政権への不信や不安を解消した方法の「台湾向けバージョン」と解釈することができる。
 すなわち、経済を活性化することにより、多くの人々に
 「豊かになりつつある。豊かになった」
と実感させることで、
 「この体制を続けていってよい」
と判断させる手法だ。  

 しかし、中国共産党政権の本質と、いわゆる西側体制には本質的な違いがある。
 中国共産党政権が実効した改革開放は、共産党の協力な指導を前提にして、「経済の大幅な自由を許していく」という政策だった。 
  古今東西の共産主義政党が採用した政策として極めて大胆で成功したことは事実だが、共産党が経済活動の本質的な自由、まして思想や言論の自由について「開放」したわけではない。
 言ってみれば
 「手綱を絞ることは控える。
 手綱は大いに緩めたが、手綱そのものは共産党がしっかりと握りしめている
という意味での改革開放だった。 
 それに対して西側世界の考え方は、
  「財産権を含め、経済活動は本来自由。

 思想や言論も本来は自由。
 ただし、すべてを野放しにしたのでは、社会が成立しない。
 したがって、必要に応じて制限を設ける
だ。
 つまり、考え方の「順番」がまったく異なる。

  台湾社会は蒋政権のもと、大陸側の共産党政権と同じように「自由を奪われる」歴史を経験した。
 ある面では、大陸側住民以上の「苦難」を味わったとも言える。
   その台湾に対して、「今、目の前にある利益」だけを示したのでは、不信感をつのらせる人が続出するのは必然の成りゆきだ。
   中国では1989年の、いわゆる(第2次)天安門事件で、共産党に対する信頼が大きく低下することになった。
 その後、経済の高度成長を実現することで共産党が政権を握る体制について、多くの人をかなり長期に渡って納得させることに成功した。 
 ここで、中国大陸と台湾が統一することの是非は語らない。
 しかし、大陸側が統一に向けて歩を進めたいなら、台湾の人々に納得してもらう言動が不可欠のはずだ。
 信義の問題も本質的だ。
 大陸側の言動には「相手を力づくで押さえ込もう」とする発想が、どうしても見え隠れする。
  台湾の将来については、予断を許さない面が多い。
 しかしその点は、大陸も同様だ。
 「経済成長一辺倒」の手法は、
 国内面では
●.「度を越した格差」、
●.「人間の生存すら危うい環境問題」、
●.「有力者の目に余る腐敗」、
 国外との関係では
●.「あまりにも強気な勢力拡張」
といった問題を深刻化させている。

  共産党政権も、少なくとも国内については多くの問題が山積していることを認めている。 
 もちろん、台湾人も熟知している。
 経済面だけをとりわけ強調した対台湾政策を示しても、当事者である台湾人の間に不信の念が高まるのは、当然の成り行きだ。
   中国大陸と台湾の問題について、台湾側で「中国とは別の国」と主張する人々は、
★.「中国から移り住んで来た人が多いのは事実だが、日本の統治により初めて近代的な台湾が形成された。
 中国は台湾の近代化に、なんら寄与していない」
と主張する。  
 統一を主張する人々は「もともと中国の一部」と主張した上で、
★.「中華社会の一部。統一されて当然」
と主張する。
  つまり、事実の認定については合致する部分もあるが、結論は正反対という現象だ。
 しかし考えてみれば、人と人、グループとグループの関係で、同様の構図が発生する場合は珍しくない。 
  台湾との問題において、いかに円滑に自己の意思を実現していけるのか。
 台湾の人々にとっては極めて不愉快な言い方になるのかもしれないが、中国大陸側が示す「手腕」は、中国にどのように向き合っていくのか、日本にとって大きな判断材料になるはずだ。



「WEDGE Infinity」 2014年03月28日(Fri) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3704?page=1

台湾問題で身動きできない中国

 2月15日号の英エコノミスト誌は、中国と台湾の政府代表が1949年以来初めて公式に会談したが、中国は将来の再統一にまだ不安を感じている、と述べています。

 すなわち、2月11日、台湾の王郁琦・行政院大陸委員会主任委員が南京を訪れ、中国国務院台湾事務弁公室の張志軍主任と会談した。
 公式の中台閣僚級会談は、1949年の中台分断後初めてのことだ。

 東シナ海や南シナ海が領海問題で揺れる中、かつて地域で最もギクシャクしていた中台関係は、馬政権が誕生した2008年以降、比較的平穏に推移してきた。
 今回の会談はこの安定を保つことが狙いだ。
 加えて、台湾の与党・国民党が今年の地方選挙や2016年の大統領選で敗北する可能性があることから、中国側には国民党政権の下で改善された中台関係を今の内に強化したい思惑があった。

 もっとも、会談自体は象徴的色彩が強い。
 中台は既に準政府機関を介して貿易、直行便の運航、観光等で協力の実績を挙げているが、60年間敵対関係が続いてきた中台の相互信頼は弱い。
 しかし、シンボリズムも実質の一部であり、今回の会談で安定感がさらに強まるのは間違いない。

 これまで中台は正式の会談を避けてきた。
 中国の指導者は台湾政府の正当化につながるような行動は絶対にとりたくない。
 他方、2008年以来、対中関与を主張してきた馬英九も、
 台湾経済にプラスになる対中関係を維持する一方で、中国に身売りしたと見られてはならず、難しい舵取りを強いられてきた。

 馬の対中関与政策は台湾経済の活性化に大いに役立ち、大陸からの訪問者は2008年の30万人から2013年の300万人に激増、中台貿易も50%以上拡大したが、内政面の失敗や不景気もあって、馬政権への支持率は10%前後と低迷している。
 しかも民進党が政権を奪還しようと待ち構えている。
 民進党が2016年の大統領選で勝てば、台湾は中国に対してより敵対的な姿勢をとることになろう。

 そうした中、習近平は昨年10月のAPEC首脳会議で、台湾問題をいつまでも先送りするわけには行かないと述べ、中国の強硬姿勢が台湾にも向かいかねないとの懸念を呼んだ。

 しかし、台湾への強硬姿勢はこれまでは逆効果しか生んでいない。
 1996年の台湾初の民主選挙の前、中国は台湾近海にミサイルを撃ち込んで威嚇したが、台湾の有権者はかえって熱烈な反中派を主席に選出した。

 要するに、中国は身動きができない。
 強く出れば台湾は反発するが、強く出なければ、台湾はいっそう明確に独自のアイデンティティーを打ち出すことになる。
 会談で張志軍・中国代表は、「正しい道を歩んで行けば、目的地は遠くない」と言ったが
 、問題は双方の考える目的地が同じではないことだ
 だから、中国は今のところはシンボリズムで間に合わせるしかない、と述べています。

* * *

 論説末尾の「中国は身動きできない」という情勢判断が、おそらくは、もっとも正鵠を射ているものでしょう。

 中国としては、統一の方向に一歩でも前進させたいのでしょう。
 それは、ここでも引用されている、昨年APECにおける習近平の発言からも明らかです。
 しかし、国民党政権としては、一歩でも統一に近づいたという印象を与えることは、来る国内選挙では自殺行為になります。

 他方、統一の方向に一歩も進まないままで、中台接触のレベルを上げることは、台湾の存在を法的に認めることであり、中国が従来最も避けて来た所です。

 その意味で、「中国は身動きできない」と言う判断は正しいと思います。
 残る手段としては、中台経済社会の依存度を高め、「熟柿の落ちるのを待つ」と言う従来の政策を続ける他はありませんが、
 中国経済自体の見通しに翳りが出て来ている状況では、台湾の方が経済パートナーの多様化を求める状況ともなっています。

 あとは一か八かの武力行使ですが、
常識で考えても成功の可能性は小さく、たとえ短期間成功しても、それは中米全面対決の引き金になり、それほどの冒険に打って出る可能性は少ないのでしょう。

 結局、中国に出来ることは、国民党政権時代に築いた台湾内、あるいは中国在留の台湾人の間における中国の影響力を行使して、次の選挙における国民党の勝利を期待することであり、現在の中台接触、APECにおける首脳の接触などを通じて、中国についての好印象を台湾に植え付け、選挙戦の一助とすることしかないのでしょう。

 ただ、それをすれば、台湾の現状承認への一歩であるとの印象を与えるだけでなく、中国自身が台湾の民主主義のゲームに自ら参加することになり、そして、その上に選挙に負ければアブハチ取らずとなる恐れもあります。

 つまり、「中国は身動きできない」という情勢判断になります。

by 岡崎研究所



サーチナニュース 2014-03-30 14:50
http://news.searchina.net/id/1528356

台湾当局「実弾射撃も辞さず」・・・総統府前などで大規模抗議活動

 大陸側との経済協定をめぐって馬英九政権に反発を強めている市民らは、台北市内の総統府前などで30日に大規模が抗議活動を展開する。
 当局側は29日夜から「夜鷹部隊」と呼ばれる特殊部隊を投入するなどで厳戒態勢を取っている。
 総統府に突入を試みる者が出た場合などには、実弾射撃も辞さない考えだ。

  30日の抗議活動参加のため、台湾全土から馬政権に反対する人々が台湾に向った。
 台湾メディアによると、学生など若年層だけでなく、70歳を超えた高齢者の姿も見られたという。 
 台湾では、馬英九政権が大陸側とのサービス貿易協定の発効を強行しようとしたことで、学生らが反発。
 個別の政策に対してだけでなく、政権側に力ずくの弾圧が顕著として、「非民主的」、「ヒトラーと同じ」などと、馬英九総統そのものに対する非難へと、事態はエスカレートしつつある。
  馬総統に反対する学生らは18日に立法院(国会)に突入。
 30日正午現在も立法院議場などの選挙を続けている。
 別の学生一派は23日に行政院(内閣)に突入。
 行政院の学生は24日までに警察により排除されたが、流血の事態になった。 
 メディアの報道では「残虐なシーン」に規制がかけられ、映像もぼかされるなどしたが、抗議に参加した人がインターネットを通じて、警官隊に殴られて血まみれになる人などの姿を「これが真実だ」などとして大量に公開し、台湾社会はショックを受けた。

  李元総統も公開の場で涙を流し、言葉をつまらせながら「若者がかわいそうだ。政府は彼らの意見を聞くべきだ」などと、馬政権を強く批判した。
  30日の大規模抗議に先立ち、台北市の〓龍斌市長は
 「行政院の強制排除でわれわれは教訓を得た。 市政府も教訓を得た」
と表明。
 市政府や警察は学生側と意思疎通のパイプを設け、
 「何か魂胆を持つ者が、学生あるいは警察に面倒や災難をもたらすことを避ける。
 前回(行政院における強制排除)よりも必ずうまく処理する」、
 「(抗議側に)求められるのは平和的、理性的に意志を表明することだ。
 市政府はソフトに処理する」
と述べた。(〓は「赤」におおざと) 
  しかし、警察側は29日から厳戒態勢を敷いた。
 2000人の警察官を投入したが、抗議側の人数にははるかに及ばない。
 総統府は台湾の政治上、行政院とは比較にならないほどの重要性を持つ。
 そのため、当局側は憲兵特勤隊(特殊部隊)である「夜鷹部隊」も待機させ、何重ものバリケードを設けた。 
 憲兵特勤隊はテロ行為への対応や暴動鎮圧などを任務とする部隊で、「さまざまな事態に対する対応を想定。
 「状況がコントロールできなくなった場合には、実弾射撃による制止も辞さない考え」
という。



jiji.com (2014/03/30-21:18)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014033000221

対中協定抗議に10万人超=立法院占拠学生ら開催-台湾
30日午後、台北市内の台湾総統府周辺の道路を埋めた抗議集会の参加者

 【台北時事】台湾が中国と昨年6月に調印した「サービス貿易協定」に反対し、立法院(国会)議場を占拠する学生らが30日、台北市中心部の総統府周辺で馬英九政権に抗議する大規模な集会を開いた。
 警察によると10万人を超える参加者が集まった。
 主催者は約50万人が参加したと主張した。
 若者を中心に家族連れも含めた幅広い年齢層が参加。
 運動のシンボルであるヒマワリを手に持ち、協定の撤回などを求めた。
 10万人超という異例の参加者数は、協定に対する台湾内の警戒心が強いことを示しており、早期承認を目指す政権にとっては打撃となりそうだ。



AFP BB ニュース 2014年03月31日 07:38 発信地:台北/台湾 
http://www.afpbb.com/articles/-/3011244

台湾で大規模デモ、対中貿易協定に反対 




●台湾・台北(Taipei)の総統府前で行われたデモで、「台湾は売り物じゃない」などと書かれたプラカードを掲げる参加者(2014年3月30日撮影)。(c)AFP/Mandy CHENG

【3月31日 AFP】
 台湾の台北(Taipei)で30日、台湾が中国と締結した「サービス貿易協定」の撤回を馬英九(Ma Ying-jeou)総統に求める大規模なデモが行われ、主催者発表で50万人、警察発表で12万人が参加した。

 馬総統は前日、中国と交わされる全協定の内容を監視する新法を導入するとの譲歩案を提示していたが、総統府につながる通りはこの日、黒シャツを着て「民主主義を守れ。サービス貿易協定を撤回しろ」と書かれたはちまきを付けるなどした人々で埋め尽くされた。

 「馬総統の提案は善意のように見えるが、注意深く見るとわれわれの要求に応えていないことは明らかだ」
と学生らを率いる陳為廷 (Chen Wei-ting)氏が演説すると、群衆からは万雷の拍手が起こった。
 「われわれは国民の決意を示すためにここに集まったのだ」

 集会が平穏に解散するにあたり、学生リーダーの林飛帆(Lin Fei-fan)氏は
 「皆さんは台湾の歴史に新たな章を書き入れた…この勝利は台湾のすべての人のものだ」
と群衆に語った。
 「この集会は、台湾と中国の関係を規定する力をわれわれに与えるものだ。
 台湾の未来は台湾国民全員のものであり、われわれの未来は自分たち自身で決めるのだと、政府に言いたい」

 台北では、デモ隊による立法院(国会)の占拠が3月18日から続いており、現在でも約200人が議場にとどまっている。
 1週間前には、デモ隊の一部が行政院(内閣)の建物内に突入し、強制排除に乗り出した警察と衝突、100人以上が負傷した。
 林氏は、民意の反映に失敗した立法院の占拠はまだ続くだろうと述べている。

(c)AFP/Benjamin YEH




【輝かしい未来が描けなくなった寂しさ】




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